ケースの種類とマザーボードの規格
フルタワー・・・ATX、E-ATX
ミドルタワー・・・ATX
ミニタワー・・・MicroATX
スリムタワー、キューブケース・・・Mini-ITX
BTOゲーミングPCも含めて、自作の本質とは「電源から供給された電力を各パーツが使用し発熱する、その熱をいかに効率よく逃がすか」だとわたくしは思います。
ゲーム風に言えば、「電源やCPU、GPUなどの各パーツから出る熱を効率よく逃がすゲーム」です。
では、効率よく熱を逃がすにはどのようなケースが理想的でしょうか?
それはできるだけ大きなケースが有利なのはあまり考えなくても何となくわかるのではないでしょうか。
小さなケース(スリムタワー、キューブケース)の場合を考えてみましょう。
パーツとパーツの隙間が小さく、熱がこもりやすくなります。
このような環境の場合、取り付けるファンは高速回転させてケース内の風の流れを強くしなくてはなりません。
そうすると動作音がうるさくなります。
また、現在のPCパーツは一定の発熱になるまではクロックを上げるという仕組みのものが多数あるため、あまりに発熱が酷く熱が逃がしきれないと性能が低下したりパーツの寿命が極端に縮んだりします。
そのような状態になって性能が低下した場合、その判断は上級者にはできると思いますが、初心者の方には難しいと思いますので、「格好悪い」「大きいのは好きではない」と思ってもできる限りミドルタワーのケースを選ばれることをお勧めします。
また、小さなケースの場合、中に使われているパーツが特殊な設計になっていることが多く、パーツが出回るのが遅くなり、型落ちのパーツを使わざるを得ないこともあります。
同じパーツでも特殊な設計を行い小さくしている場合、価格が高かったり選択肢が極端に少なくなったりなど価格的にもマイナスな要素がたくさんあります。
そういう意味でもゲーミングPCを最初に買う場合、小さなケースはお勧めしません。
小さなケースはデザインが優れていることが多く、非常に魅力的に見えることがありますが、今まで述べてきたような欠点と表裏一体となります。
これらの欠点をすべて納得した上でそれでも小さなケースのPCが欲しいということであれば止めませんが、何のために「ゲーミングPC=ゲーム用の高性能PC」を求めるのかということを考えれば自ずと結論は決まってくるのではないかと思います。
好みにかかわる部分であるだけに最終的な選択は購入者にゆだねられるところではありますが、決して安いものではないだけに納得のいく決断をしてください。