メモリは容量がGBで表されます。
この表記の仕方はストレージ(HDD・SSD)と同じなので、「一体何が違うのか」と感じる方もいると思います。
ざっくりメモリは電源を切ったら中身が消える、HDD・SSDは電源を切っても中身が消えないと覚えておいてください。
そのほかメモリのほうが遥かに速度が速いです。
HDD・SSDはプログラムやデータを保存するのに使い、メモリはプログラムを実行するのに使います。
メモリが足りないとどうなる?
必要量よりメモリが不足していると極端に動作が遅くなります。
ゲーミングPCの場合、こうならないように最低でも8GB、できれば16GB以上のメモリは確保しておきたいところです。
メモリモジュールにはノート用のSO-DIMMとデスクトップ用のDIMMがあります。
ノートパソコン用のSO-DIMM
デスクトップパソコン用のDIMM
この記事を書いている2018年現在、メモリの規格はDDR4-SDRAMが主流です。
DDR4メモリの種類
DDR4メモリには速度と容量があります。
チップ規格 | モジュール 規格 | メモリクロック (MHz) | バスクロック (MHz) | 転送速度 (GB/秒) |
DDR4-4266 | PC4-34100 | 266 | 2133 | 34.1 |
DDR4-3200 | PC4-25600 | 200 | 1600 | 25.6 |
DDR4-2666 | PC4-21333 | 166 | 1333 | 21.3 |
DDR4-2400 | PC4-19200 | 150 | 1200 | 19.2 |
DDR4-2133 | PC4-17000 | 133 | 1066 | 17.0 |
DDR4-1866 | PC4-14900 | 116 | 933 | 14.9 |
DDR4-1600 | PC4-12800 | 100 | 800 | 12.8 |
上の表がDDR4メモリの規格となります。
ややこしいのは表記が二つあって、DDR4-2666とPC4-21333という書き方がありますが、どちらも同じものです。
ノート用のメモリだと「SO-DIMM DDR4-2666」「SO-DIMM PC4-21333」などと表記しますが、これはどちらも同じ意味です。
※スリムタイプのPCなどではノート用のメモリが使われていることがあります。
デュアルチャンネル
一般にメモリは同容量・同速度のメモリを二枚一組で組み合わせて使います。
こうすることによって二つのメモリに同時にアクセスし、速度をスペックの倍まで使うことができます。
一枚でも使えますが、速度が半分になる上に、一緒に同じメーカーのモジュールを付けないと相性問題で動かないことがままあり、自作の世界では二枚一組で増設するのがセオリーです。
ゲーミングPCをざっと見てみましたが、8GBを1枚でセットアップしている機種もあり、これは将来の拡張性と価格のバランス、部品の調達コストを考えた末の苦肉の策でしょう。
※intelだとワークステーション向けのLGA2066の場合、四つのメモリに同時にアクセスするクアッドチャンネルとなっています。
メモリの速度
メモリには速度がありますが、あまり気にする必要はありません。
例えばワンランク上の速度のメモリを使ったとしたら体感する差があるかといわれればないです。
特にゲーミングPCはメモリの速度が重要なGPUには専用のメモリが積んでありますので、神経質になるほどメモリの速度が要求されるケースはほとんど発生しません。
メモリの速度が重要になるのは上位のGPUやSLiを組む時くらいです。
どちらかといえば二枚一組になっているか、容量が十分あるかのほうが重要です。
一般的に速度の速いメモリは速度の遅いメモリの動作セッティングを持っていて、速度の遅いメモリが混ざると遅い方に速度を合わせます。
メモリの容量の目安
これはわたくしの独自基準となります。
まず前提として、ゲーミングPCに設定されるメモリ容量というのは8GB/16GB/32GBとします。
計算方法
GPUの搭載メモリ×2
となり、端数は切り上げです。
例えばGeforceGTX1060 6GB搭載PCなら、6×2=12で12GBが適切なメモリ容量ですが、端数は切り上げますので、16GBが適切なメモリ容量となります。
GeforceGTX1050 2GBなら、2×2=4ですが、端数は切り上げしますので8GBが適切なメモリ容量となります。
実際には使う用途によって変わってきますが、高性能のGPUを積むと設定を高くしてゲームができますのでそれだけ負荷がかかりメモリを要求されるケースが多くなります。
その一応の目安として適切なメモリ容量を知りたい場合、このように計算するとよいです。
もちろん多くなる分には何ら害はありませんので、予算が許せばマザーボードやチップセットの上限である64GBまで積んでも差支えあません。
メモリと相性
メモリは「相性」という問題が発生しても不具合が許容されてい不思議な商品でもあります。
ゲーミングPCに最初からセットアップされている場合、動くことが保証されているのでこの問題は発生しませんが、1枚挿しの機種を買ってあとから自分の手で増設する場合、できるだけ同じものを買わないとちゃんと動作しないケースもありますので注意が必要です。
自作PCも同じリスクにさらされていますので、購入するときに二枚一組、同じメーカーの同じ型番のものを買うのがセオリーになっています。
参考記事:メモリとランク
参考記事:メモリとCAS Latency