AMDのRyzen 3000プロセッサは、継続的な不足の報告にもかかわらず、さまざまな市場での販売期待を超え続けています。
先月、AMD Ryzen 3000 CPUの売り上げはピークに達しましたが、AMDのsubredditメンバーであるIngeborの最新の数値は、AMDが9月に販売CPU数に関して過去最高を記録したことを示しています。
Ryzen 3000 CPUの需要が引き続き強いため、AMD CPUの売上は史上最高-Intelの第9世代全体のラインナップが3か月連続で急落
Mindfactoryの最新の毎月の統計によると、約18,000のAMD Ryzen CPUが販売され、ドイツの小売業者が販売した合計CPUの81%に達しました。
前月に販売されたIntel CPUはわずか19%で、5000台未満でした。これは、AMDがRyzenを導入して以来、過去2年間で最低の数です。
販売されたCPUの割合と数は、これらのプロセッサーが最初に導入された7月よりもさらに高いため、第3世代Ryzenプロセッサーの需要は引き続き堅調です。
AMDがRyzen 7 3800XおよびRyzen 9 3900Xを含むトップエンドの第3世代プロセッサーの供給問題を解決した場合にのみ、市場シェアを想像できます。
ドイツの小売り業者Mindfactoryにおける2018年8月から2019年9月までのAMD・IntelのCPU売上(個数)
ドイツの小売り業者Mindfactoryにおける2018年8月から2019年9月までのAMD・IntelのCPU売上(金額:単位=ユーロ)
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情報から推定できるもう1つの興味深いデータセットは、AMDのRyzen 5 3600の売り上げだけで、IntelのCPUラインアップ全体の売り上げを上回ることです。
AMDの両方のメインストリームチップであるRyzen 7 3700XとRyzen 5 3600を組み合わせると、Intelの全ラインナップの販売シェアの2倍になることがわかります。
これは興味深いが、AMDが主流市場(150〜300米ドル)を食い止めるために市場を開放したままにしておくため、Intelにとっても目を見張るものになる可能性がある。
Intelはまもなく別のフラッグシップチップであるCore i9-9900KSとその新しいHEDT Core-Xラインナップを導入しますが、Intelが本当に注力する必要があるのはより良い価格だと思います
この重要なセグメントで関連性を維持したい場合は、主流のチップを適切に配置します。
これにより、前月よりも収益が増加しました。 AMD CPUは収益の75%を占め、約4,000,000ユーロです。IntelCPUは収益の25%を占め、1,500,000ユーロ未満です。
ここでは、Ryzen 9 3900Xの売り上げに対する比率は和図であるにも関わらず、より多くの数が販売されたRyzen 5 3600と同じくらいの収益シェアを占めていることがわかります。
これは、Ryzen 9 3900Xの価格が高いためです。
また、350ドル以上の小売価格を誇るCore i9-9900KプロセッサとCore i7-9700KプロセッサからのIntelの高い収益についても同じことが言えます。
ドイツの小売り業者Mindfactoryにおける2019年9月のAMD・Intel CPUのマーケットシェア
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ドイツの小売り業者Mindfactoryにおける2018年8月から2019年9月までのAMD・Intel CPUの平均販売価格
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最後に、IntelとAMDのラインナップのシェアが分かれています。
販売されたAMD CPUの53%はMattiseまたはRyzen 3000シリーズベース、28%はPinnacle Ridgeベース、3%はSummit Ridgeベース、残りの16%はThreadripper HEDT CPUおよびAPUでした。
Intelのシェアには、Coffee Lake Refreshまたは第9世代CPUの74%、Coffee Lakeまたは第8世代CPUの23%が含まれ、6%の残りはSkylake-XおよびKaby Lake第7世代CPUです。
AMDのハイエンドプロセッサにとってより安心なのは、主要な16コアライゼン9 3950Xチップが、クロック速度の最適化のために遅れ、供給の問題がないと言われていることです。
AMDが小売業者にRyzen 9 3950Xの十分な供給を提供できた場合、収益がさらに増加し、第3世代のRyzen Threadripperも11月に到着する予定であるという事実を見ることができます。
ソース:wccftech
解説:
四半期ごとに報告されているドイツの小売業者Mindfactoryのレポート記事が出ていましたので取り上げます。
結果は前回に引き続き個数・金額でAMDがIntelを圧倒しています。
特に9月は個数でAMD81%、intel19%とIntel CPUが10%台を記録しており、Ryzenが登場してからIntelのシェアがここまで下がったのは初めてとのこと。
金額でもほぼ同様の状況で、AMD77%に対してIntel23%と1/4以下という驚異的な数字が出ています。
個別のCPUでは超品薄の3900Xの利益と圧倒的に売れている3600Xの利益が同じと3900Xの高い利益率が伺えます。
特に3900Xの品薄状態は世界的に見て現在も解消されておらず、高い人気であることが伺えます。
未だかつてない画期的な製品であることがこれだけでもわかるでしょう。
intelも利益率は高いですが、いかんせんライバルが強力すぎることと、基本的に供給不足が解消されておらず、安売りなどもあまりできないではないかと思います。
今後Intelは第10世代のCometLake-Sに移っていくわけですが、恐らく、状況は変わらないと思います。
また、CometLake-Sは10コア20スレッドでまた20%程ダイのサイズが増えますので、供給は相変わらず厳しいのではないかと思います。
ノート向けのCometLakeはOEMへの供給のめどが立っておらず、いわゆるゲーミングノートを出しているメーカーは出荷を見合わせるとの話も出ています。
売上が落ちていても基本的には供給のショートは変わっていないようです。
Intelにとっては非常に厳しい状況が続いてていると言ってもよいでしょう。
市場のシェアは二割だが、シェア49%だった2018年8月の販売個数と比較すると販売数は半分にもなっていない
この意味が解るでしょうか?
つまりintel製品を求める人というのはAMDの好調に対してあまり減っていないということです。
イコール「AMDが出した画期的な新製品によってあらたな需要を掘り起こし、今までPCの更新をしていなかった層や新たな層を取り込んだ」ということです。
そのため、基本的にIntel製品のショートは解決してません。
少なくともノート向けのCometLakeは潤沢には行き渡らない見通しが出ています。
これは明らかにIntelが今まで作り上げてきた製品ラインナップが消費者の欲求を満たしていなかったということで、「性能で負けるよりもずっと根深い問題」であると私は思います。
SandyBridge以降、IntelがAMDを圧倒し、生産効率や利益率を重視しすぎて、長らく4コア8スレッドの代わり映えしない製品を発売し続けてきました。
そのため、消費者はCPUそのものに魅力を感じなくなり、「CPUの更新は2-3世代くらい経ってからでもいいや」となってしまったのでしょう。
しかし、画期的な性能を持つ新製品を販売すれば、今までCPUを更新することに魅力を感じなかった層がきちんと戻ってきてくれるということです。
ある意味IntelがPC市場を殺してきたと言ってもよいでしょう。
この間、Intelのマーケティング部門は全く機能していなかったということです。
これは明らかにIntelの怠慢であり、勝利に慣れ、驕ってAMDを見下してきたIntelに神の見えざる手が手痛いしっぺ返しをくらわした結果と言ってもよいと思います。
現在IntelはRyzenに対する新製品を企画・設計中と思いますが、早くても登場は2021-2022年になるものと思います。
それまで、勝利におぼれて消費者のニーズを顧みてこなかったツケを払わされ続けるものと思います。
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