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AMD Ryzen 9 9900X、2026年初頭BIOSでCPU故障+パッケージ膨張

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マザーボード上の壊れたCPUのマクロ撮影風コンセプトアート。プロセッサ基板の変形・損傷が見えるクローズアップ

■事実

Reddit投稿者「TheImmigrantEngineer」が、MSI MAG X870E Tomahawk WiFi上でRyzen 9 9900Xが突然死したと報告(2026年6月)しました。

症状はCode 00エラー+赤いCPUデバッグLED点灯でPOST不可というものです。

構成はCPU・マザーボードはどちらも購入から1年未満。電源はCorsair RM1000X(別システムで正常動作確認済み)、クーラーは240mm DeepCool AIOです。

CPUを取り外したところ、パッケージ裏面の接触パッド付近の中央部に小さな物理的な膨らみ(バンプ)を発見しました。

IHS(ヒートスプレッダ)側に目視できる損傷なし。グリスの広がりも正常でした。

手動のオーバークロックや電圧設定は行っていない。ただしPBO(Precision Boost Overdrive)は有効化されていました。

使用BIOSは2026年初頭のもの(1月末〜2月初頭にフラッシュ)。リリース直後のBIOSではない点が今回の重要な文脈です。

ユーザーはRMAを予定しており、AMDの対応に期待しています。

Ryzen 9 9900XはZen 5アーキテクチャ(TSMC 4nm)の12コア/24スレッドCPU。TDP 120W(PPT 162W)、最大ブースト5.6GHz。2024年8月15日発売、当時の価格は$499です。

AM5プラットフォームでのパッケージ膨張・ソケット焦損報告はこれが初めてではない。2025年に主にASRockマザーボード上でRyzen 7 9800X3Dの大量故障が大規模に発生し問題となりました。

2025年の故障分布:報告の約45%がX870チップセット搭載ボード、約1/3がB850搭載ボード。ASRock以外のメーカーも関係していました。

AMDは2025年8月に公式声明を発表し、「一部マザーボードメーカーのBIOSがAMDの推奨値に準拠していない」ことを原因として指摘(ODM BIOS非準拠論)していました。

ASRockは2025年5月にBIOS v3.25を公開し、PBO設定や電流制限値(TDC/EDC)を修正。大規模な故障報告は以降に大幅減少したが、散発的な報告は継続しています。

直近の類似事例:2026年4月末にRyzen 9 7950X3Dが「バン」という音とともに突然死し、パッケージ膨張を確認。AMDは写真確認のみで「物理損傷」として保証を一旦拒否したが、メディア報道後に方針を撤回しました。

今回の9900X事例でも根本原因は確定していない。マザーボード・CPU・BIOS・PBO・電源のいずれが原因かは不明のままです。

 

項目Ryzen 9 9900X
アーキテクチャZen 5(Granite Ridge)
コア/スレッド12コア / 24スレッド
ブーストクロック最大5.6GHz
TDP / PPT120W / 162W
L3キャッシュ64MB
プロセスTSMC 4nm(CCD)/ 6nm(IOD)
ソケットAM5
発売日2024年8月15日
発売時価格$499

 

解説

問題の構図:「PBOが有効→マザーボードBIOSの設定によりAMD推奨値を超える電力が投入される→基板への熱・電気的ストレスが蓄積→パッケージ膨張・死亡」という流れが疑われている。

今回はASRockではなくMSI X870E搭載ボードでの発生。「ASRockだけの問題」という認識が崩れ、AM5プラットフォーム全体のリスクとして捉え直す必要がある。

PBOの罠:BIOSのデフォルトやAUTOのままでも有効になるケースがある。「設定した覚えがない」ユーザーが被害を受けやすいのはここ。「自動チューニング」が「自動的に摩耗を早める」機能にもなりうる。

「手動OC一切なし、PBOオンのみ」でパッケージ膨張——これを「ユーザーの過失」と言い切るのはなかなかつらい立場だ。

2026年初頭BIOSが問題なのか、それとも使い続けてきた累積ダメージが今頃出てきたのか、判断できる情報がない。この不透明さが問題を厄介にしている。

AMDのスタンスは一貫して「最新BIOSにアップデートせよ」だが、「最新BIOSにアップデートしても壊れた」という声は定期的に出続けている。

Intel 13/14世代の電圧問題と構図が似ている。あの時はIntelがマイクロコードパッチで強制的に電圧上限を設定し直した。AMDは現状、マザーボードメーカーに改善を求める立場を崩していない。

保証対応の問題:基板膨張が「ユーザーによる物理損傷」と判断されてRMA拒否されるリスクがある。7950X3Dの事例がまさにそれで、メディア介入後に逆転した前例がある。今回の9900XがスムーズにRMAできるかは不透明だ。

AM5ユーザーへの実践的な示唆し、BIOSを最新版に保つこと、PBOをデフォルトのまま放置しないこと、購入直後のBIOSバージョンを記録しておくこと(保証交渉で重要になる可能性)だ。

「PBOをAUTOのまま使っていただけ」——それが現代の自作PCにおけるリスクになっている時代が来ている。

 

AMDがメジャーになるにつれて、こういった話が多くなってきている。果たして第二のメーカーとして「ユーザーフレンドリーなAMD」を演出してきたが、第一のメーカーに近づいてきた今の状況でそれを続けることが出来るのかどうかだ。

RMAの悪用も報告される中、製品の不具合にどのように対応していくのかは注目が集まるところだ。

先日の一般向け製品の機能削除の話を見るとすでにほころびは出てきているように思える。

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