AMDは、メインストリームゲーマーをターゲットとした6コアの3D V-Cache CPU「Ryzen 5 9600X3D」のリリースを計画していると報じられている。
AMD Ryzen 5 9600X3D 6コア3D V-Cacheチップは、世界的な発売が実現すれば、DIYスペースにおけるZen 5の状況を一変させるだろう。
AMDの3D Vキャッシュ「Ryzen」CPUは、ゲーマーにとって最も人気のあるチップのひとつだ。
ゲームにおいて圧倒的な価値、パフォーマンス、効率性を提供し、それが世界中のDIYユーザーがこぞって購入する理由の1つとなっている。
次期世代の3D V-Cache CPUについて、同社はエントリーレベルのオプションとしてRyzen 5 9600X3Dを含む4つのチップを準備しているようだ。
最新のレポートはXのHoang Anh Phu氏のもので、AMDはRyzen 7やRyzen 9シリーズなどのハイエンドSKUで構成される3D V-Cacheラインナップの中で、Ryzen 5 SKU、すなわちRyzen 5 9600X3Dを発売する計画をすでに持っているという。
Ryzen 5 9600X3Dは、最近発売されたRyzen 5 7600X3Dの直接的な後続製品となるが、各地域の特定の大手小売店に限定されている。
米国ではMicrocenter、ドイツではMindfactory、中国ではJDの独占販売となっている。
このチップの価格は299ドルなので、Ryzen 5 9600X3Dの発売時も同様の価格帯になると予想される。
Yes 👍
— Hoang Anh Phu (@AnhPhuH) September 26, 2024
AMDは少し前にRyzen 5 5600X3Dを発表したが、これはMicrocenter限定チップとして扱われ、我々のテストでは、199ドルの米国価格帯でエントリーレベルのユーザーにとって実に良いソリューションであることが分かった。
確かに、AM5プラットフォームは少し高価だが、強力なゲーム性能を持つエントリーレベルのチップは、将来の世代のRyzen 3D V-Cacheチップのサポートも引き継ぐ新しいプラットフォームに、より多くのDIYユーザーをもたらすことができる。
その他のチップについては、AMDは8コアのRyzen 7 9800X3Dも開発中で、9600X3Dと同様、シングルCCDとシングル3D V-Cacheスタックを搭載する。
Ryzen 9チップ、主にRyzen 9 9950X3DとRyzen 9 9900X3Dは、各CCDに1スタックのデュアルCCDを搭載するが、Ryzen 9 9900X3Dは6コアのシングルCCDスタックで9600X3Dと同様の性能を発揮し、9950X3Dは8コアのシングル3D V-Cacheスタックを搭載する。
AMDは最近、ギガバイトとの共催で中国でもイベントを開催し、次期CPU「Ryzen 9000X3D」の性能と発売スケジュールについて語った。
Ryzen 7 9800X3Dは、10月下旬に発表される次世代3D V-Cacheスタックの最初のチップとなる予定で、発売は11月上旬に行われ、残りのラインナップは来年初頭に導入される予定なので、おそらくCES 2025での発表が期待できるだろう。
新しいRyzen 7 9800X3Dチップは、インテルのArrow Lake「Core Ultra 200」デスクトップCPUに対する完璧な答えとなるはずだ。
AMD Ryzen 9000 「Granite Ridge」 デスクトップCPUのスペック:
CPU 名 | アーキテクチャー | コア数/ スレッド数 | ベース/ブースト クロック | キャッシュ | グラフィックス (内臓) | サポート メモリ | TDP | 価格 (希望小売価格) |
Ryzen 9 9950X3D? | Zen 5 | 16/32 | 未定 | L3 128 MB +L2 16 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 未定 | 未定 |
Ryzen 9 9950X | Zen 5 | 16/32 | 4.3 / 5.7 GHz | L3 64 MB +L2 16 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 170W | $649 US |
Ryzen 9 9900X3D? | Zen 5 | 12/24 | 未定 | L3 128 MB +L2 12 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 未定 | 未定 |
Ryzen 9 9900X | Zen 5 | 12/24 | 4.4 / 5.6 GHz | L3 64 MB +L2 12 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 120W | $499 US |
Ryzen 7 9800X3D? | Zen 5 | 8/16 | 未定 | L3 96 MB +L2 8 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 未定 | 未定 |
Ryzen 7 9700X | Zen 5 | 8/16 | 3.8 / 5.5 GHz | L3 32 MB +L2 8 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 65W/105W? | $359 US |
Ryzen 5 9600X | Zen 5 | 6/12 | 3.9 / 5.4 GHz | L3 32 MB +L2 6 MB | RDNA 2 2CU | DDR5-5600 | 65W/105W? | $279 US |
解説:
9600X3Dが予定されているとのこと。
今までX3Dは中~上位のモデルにしかラインナップされていませんでした。
しかし、AM5が普及価格を担うようになってからは最下位のモデルである9600X3Dもラインナップに入るようです。
個人的にはそろそろ1CCX・CCD8コア16スレッドから脱却してより多くのコアを搭載するようにならないとIntelに追従できないのかなと思います。
今のところはIntelが不具合問題などで勝手に足踏みをしている状態ですが、この機会にどんどんロードマップを変更し、Intelを追いかけるのは難しくなると思います。
Intelの業績が今一つなのはAI化の波に乗り遅れたこととFab事業でEUVを選択しなかったことがそもそもの原因です。
2017年から2018年にかけての数カ月間にわたり、IntelとOpenAIの幹部は「IntelがOpenAIの株式の15%を現金10億ドル(当時のレートで約1110億円)で購入する」といった選択肢について話し合ったと証言しています。また、IntelがOpenAIのためにハードウェアを原価で製造した場合、追加で15%の株式を取得できるオプションもあったそうです。
最終的に当時Intelの暫定CEOを務めていたボブ・スワン氏が、「近いうちに生成AIが市場に出てリターンを得られるとは考えられない」と判断したため、両社の取引は失敗に終わりました。
その後、2022年にChat-GPTが公開されて空前のAIブームが起きるのは皆さんご存じのとおりです。
今から考えるとかなりの大失敗ですが、当時はAI向けの製品も持っていなかったので仕方なかったのでしょう。
これがブレーキになって業績が低迷していますが、トラブルがなければあと数年で立て直してくると思いますので、それまでに16コア32スレッドとX3DだけではないプラスアルファがないとCore Ultraとは互角に戦えなくなってくると思います。
Ryzen 9000シリーズ
Ryzen 7000X3Dシリーズ
Ryzen 8000GシリーズAPU(GPU内蔵)
Ryzen 5000/4000シリーズ