Qualcommはこのほど、同社のSnapdragon X CPUがデスクトップPCに搭載され、「AI PC」およびCopilot対応プラットフォームの新時代が到来すると発表した。
Snapdragon X CPUがデスクトップPCに登場、QualcommはAI PCのリーダーシップを拡大するために他のフロンティアに挑む
QualcommはComputex 2024の基調講演で、同社のSnapdragon X CPUがデスクトップPCを含むすべてのPCフォームファクタに搭載されることを発表した。
インテルとAMDが長らく独占してきたデスクトップPCの分野に第3の参入者が現れることになるため、これは大きなニュースだ。
しかし、Qualcommにとってはそれだけでは十分ではなかった。あるいは、Qualcommはその勢いをPCラップトップだけに集中させたくないと考えていると言えるかもしれない。
AI PCとCoPilot+対応PC設計の最初の波で大きな成功を収めたQualcommにとって、次の論理的なステップはデスクトップPCプラットフォームであるべきであり、まさにそこに向かっている。
Qualcommは現在、適切なCoPilot+ PCプラットフォームを生産している唯一の企業であり、今月発売される。
デスクトップPCプラットフォームは、DIYとOEMの分野で主にIntelとAMDが参加しているため、非常に興味深い分野です。両社は数十年にわたって競合してきましたが、Qualcommの登場は大きな脅威となり、QualcommがノートPC分野でこれまでに達成したのと同じレベルの宣伝と成功を再現できれば、この分野はさらに過熱するでしょう。
QualcommがデスクトップPCの分野でもOEM路線を堅持するのか、それともDIYフレンドリーな路線を目指すのか、興味深いところです。
これらの新しいデスクトップPCソリューションは、AI PCプラットフォームの下でマークされるため、前者の可能性が高いと思われますが、需要が高まれば、Qualcomm内でDIYニッチが出現し、Snapdragon X CPUファミリーがまったく新しいユーザー層に拡大するかもしれません。
また、QualcommはOryon CPUアーキテクチャに関しても、今後数年間の広範なロードマップを策定しており、NVIDIAも間もなくAI PCに参入する見込みであることから、AI PCの戦いは始まったばかりである。
そのため、Qualcommから8コア、10コア、12コアのSnapdragon XバリエーションのデスクトップPCが登場するのが待ち遠しい。
ソース:wccftech - Qualcomm Bringing “AI PC” Leadership To Desktop PCs With Snapdragon X CPUs
解説:
QualcommのSnapdragon Xシリーズがデスクトップにも野心
デスクトップにも進出するようです。
これがOEMになるのかDIY市場にも進出するのかは今のところまだわかりませんが、遠くない未来にデスクトップ版が出ることは確実なようですね。
各CPUの性能がわかりやすいように同程度のTDPで比較したGeekbench6での比較が上になります。
AppleのM3は別格ですが、Snapdragon X Eliteでもシングル性能はかなり心もとないです。
ただし、ARMは省電力性に振っているアーキテクチャーですから、65Wなり、45WなりのデスクトップのTDPを使えるようになれば、もっと性能は上がる可能性はあります。
ちなみにCPUが壊れるほど無理して回している14900Kは3100弱でノートPCに搭載されているAppleのM3とシングル性能はほとんど変わりません。
総合的に見て、AppleのM3はIntelのCPUより優れていると判断してよいでしょう。
優遇されるQualocmm
Computexでロンチして、6月に発売される見込みのSnapdragon X シリーズ搭載PCですが、これが一番最初に発売されるCopilot+規格準拠のPCでQualcommはAI PCを前面に押し出しているようです。
Intelもかなり慌ててLunarLakeを準備しているようですが、搭載機種が発売されるのはしばらくかかるのではないでしょうか。
2024年Q3に発表とされていますが、搭載機がいつ出るのかは今のところ明示されていません。
しばらくはQualcommとSnapdragon Xシリーズが唯一のAI PCということになるのではないかと思います。
発売のタイミングやCopilot+PCの条件に合わせたNPUを搭載していることを考えるとQualcommが特別な立場にあることがわかると思います。
ただしAI PCの本命は・・・・
今まで何度も繰り返していますが、AI PCの本命はNVIDIAだと思います。
NVIDIAはComputexでRTXをCopilotランタイムに対応させることを発表しています。
つまり、NVIDIA製のGPUを搭載していればおそらくはCopilot+規格に準拠するということであり、NVIIDIAがPC向けに出すARM SoCはAmpere以降のGPUが搭載されるのでしょうから、NPUがなくてもCopilot+に対応する可能性があるということです。
すでにDellと組んでWindows対応ARM PCを発売すると発表されていますから、AI PCの大本命は業界をリードするNVIDIA製品になるのではないかとわたくしは思います。
AMDもARM CPUを準備しているといわれており、来年以降AI PCの覇権を目指して各社からWindows向けARM SoCが発表されると思います。
なかなか普及が進まないWindows対応ARMですが、話題のAIと合わせて、普及が進むのかどうか目が離せないところです。
とりあえず、AI準拠のARM SoCの第一弾としてSnapdragon Xシリーズがどのような売り上げを上げるのか興味は尽きません。