終盤戦、インテルのネットワーク・コンピュート・プラットフォームが終焉を迎える?
インテルGPUコンピューター・サービスへの取り組みは現在休止中。
プロジェクト・エンドゲームのコンセプトは、2022年のインベスターズ・ミーティングで、当時インテルの上級副社長兼インテル・グラフィックス・グループGMであったラジャ・コドゥリによって紹介された。
このプロジェクトは、ローカル・ネットワークまたはクラウドを通じて、GPUアクセラレーション・コンピュート・プラットフォームへのアクセスをユーザーに提供することを目的としていた。
主な目標は、クライアント、エッジデバイス、クラウドに対応し、あらゆる場所からインテルArc GPUへの低レイテンシーかつ継続的なアクセスを提供することだった。
5月に開催されたVision 2022で、Koduri氏はEpic GamesのMatrix Awakensデモを実行する低電力ノートパソコンを使って、Endgameの最初のデモを披露した。
しかし、このノートパソコンでは、希望するフレームレートでゲームを実行することができなかった。
この制限を克服するため、Koduri氏は「連続計算」オプションを採用し、ノートパソコンを近くにあったArcベースのシステムに接続し、ゲームデモの設定を変更することなく、そのGPUパワーを活用した。
残念ながら、1年以上アップデートがないため、このプロジェクトは現在中断されているようだ。
インテルはTwitterで、現時点で共有できる新情報がないことを確認している。
インテルはエンドゲームが2022年後半にベータテストに入ると言及していたが、これまでのところ、ベータプログラムに関する公の発表はない。
Our Project Endgame efforts are on hold. We don't have any updates to share at this time.
— Intel Graphics (@IntelGraphics) July 19, 2023
インテルはEndgameの内部構造を完全に開示することはなかったが、このサービスは、ビデオエンコーディング、ジェネレーティブAI、3Dグラフィックスなど、GPUコンピューティングに依存するあらゆるソフトウェアで動作すると想定されていた。
クラウドベースのWindowsの仮想インスタンスを作成するGeForce NOWのようなサービスとは異なり、Endgameはワンクリックでネットワークからシームレスにコンピュートパワーを追加できるように設計されている。
Project EndgameがGeForce NOWと同じではないことは注目に値するが、同様の機能を持つ可能性はある。Intelがこのプロジェクトを完成させれば、既存のクラウド・ゲーミング・サービスに代わる魅力的な選択肢になるかもしれない。
さらに、Intelは、機能するために特別なアカウントを必要としないと述べているため、GeForce NOWに影響するライセンス問題を解決できるかもしれない。
ソース:Videocardz.com - Intel confirms Project Endgame efforts are currently on hold
解説:
IntelのEnd Gameがend?
IntelのEndGameと言う試みが1年以上の更新がなく、中断もしくは終了しているのではないかと言うことです。
Geforce NowやGoogle STADIAなどのクラウドゲーミングと違うところはクラウドゲーミングが全てレンダリングした後の結果を画面転送するだけに対して、演算するのに必要な演算パワーをクラウド越しに借りてくることができるということです。
クラウドコンピュートと言うらしいですが、ネットワーク越しに演算性能を借りてくるということはレイテンシが多少低くても大丈夫そうな感じです。
何か無駄になる部分が多そうな気もしますが、クラウドゲーミングに対してどのような利点があるのかもっと大々的にアピールしてほしかったところです。
ラジャ氏もIntelを去り、計画自体もとん挫しているようですが、実際のところIntelはARCの展開にてこずっており、今はそれどころではないのかもしれません。
Intel GPU ARC Aシリーズ