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CPUサーマルパッドについて

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先日、CPUグリスに関する記事を書きましたが、CPUサーマルパッドについても同様の比較記事を書いてほしいとの要望が寄せられ、私自身もこの比較的新しい自作マテリアルに興味深々のため、この記事を書いています。

参考:CPUサーマルグリスについて

 

何故CPUサーマルパッドなのか?

※ 上は高性能CPUサーマルパッドとして製品化された数少ない製品であるCarbonaut、その名の通り、素材はカーボンが使われています。

長年CPUヒートスプレッダとヒートシンクの面接触にはCPUサーマルグリスが使われてきました。

これは手軽に使えるということ、コスト的な面もあったと思います。

しかし、2019年6月にThermal grizzlyのCPUサーマルパッドThermal Grizzly Carbonautが日本に入ってきて以来、CPUサーマルパッドを導入する機運が高くなってきました。(と勝手に私が盛り上がってるだけかもしれません。)

私はスペックオタなのでCPUサーマルグリスの熱伝導率はかなり神経質にチェックしていましたが、CPUサーマルパッドの熱伝導率はまさに次元が違います。

最高性能のCPUグリスの2-3倍、もしくはそれ以上の性能を誇るものもあります。

また、CPUサーマルグリスのように粘性の高いペースト状のものを塗るわけではありませんので、電導性があっても問題が発生する可能性が低いため、性能の高い製品を作ることができます。

また、塗る必要が無いため、手軽に使え、量や塗り方などに神経をとがらせる必要もありません。

もともとGPUのメモリチップとヒートシンクの面接触には昔からサーマルパッドが使われてきたこともあり、取り扱いのしやすさに関してはグリスとは一線を画しています。

欠点はやはりコストの高さ

そんな新次元のマテリアルであるCPUサーマルパッドにも欠点はあります。

まずは「価格が高い」ということです。

最近出てきた高性能なものは一枚入りなのに1500円以上、高いものでは2000円以上します。

また、自作パーツではないマテリアルは6万円以上など途方もない価格で売られているものもあります。

但し基本的に再利用できますので、CPUクーラーを付け替えるたびに塗りなおす必要があるCPUサーマルグリスと違ってこの点はコスト的に有利な点です。(再利用できないものもあります。)

しかし、塗る必要がなく、確実に接触させられるという点を考えるとコストに目をつぶって採用しようという人が増えてきてもおかしくはないでしょう。

また、CPUを冷却するために作られたものではない製品もありますので、熱伝導率の値は良くても実際の性能や使い勝手などは海の物とも山の物ともつかないというような製品もあります。

 

サイズは主に2種類

LGA1151用の30mmX30mm程度

Ryzen・LGA2066(Core-X)用の40mmX40mm程度の2種類に分かれるようです。

巨大な面積を誇るSocketRT4及びSocket sTRX4用の製品も徐々に増えていて、時代はまさにCPUサーマルパッドと言ってもよい情勢になっています。

SocketRT4及びSocket sTRX4用は50mmX68mm程度になるようですが、こちらはThermal Grizzly Carbonautしかありません。

サイズに関しては各製品によって1-2mm程度の多少のばらつきはあると思います。

 

お約束ですが、熱伝導率について

熱伝導率についてです。

CPUグリスに関する記事でも書きましたが、こちらにも書いておきます。

各物質の熱伝導率

物質名熱伝導率・W/m・k
空気0.0241
0.561 – 0.673
石英ガラス1.4
水晶8
標準的なグリス8.0-16.0
ステンレス鋼16.7 - 20.9
83.5
真鍮106
403

標準的なサーマルグリスの熱伝導率は8.0-16.0W/m・K(ワット毎メートル毎ケルビン)ですが、CPUサーマルパッドの場合は30W/m・K、それ以上の熱伝導率を誇ることもあります。

この別次元の性能がCPUサーマルパッドが注目されている理由です。

 

CPUサーマルパッドと電導性

CPUサーマルパッドは固体のため、多くの場合、熱伝導率を上げるために電導性物質になっています。

しかし、CPUサーマルグリスのようにペースト状になっていないため、問題が発生する可能性は低いと思います。

電導性がある以上、細かい粒や欠片がマザーボードや端子に付着すると問題が発生する可能性があるため、作業した後は目で見てわからなくても必ずエアダスターで清掃するようにした方がよいでしょう。

 

CPUサーマルパッドはまだ一般的な認知や評価の終わっていない製品

CPU用のサーマルパッドは出てきたばかりの製品であり、一般的な使用に耐えうるのかどうかの評価は基本的にまだ終わっていない製品です。

スペック値が如何に優れていたとしてもThermal grizzlyなどの一部の専用品を除いてCPUを冷却するのに使うのは未知数な部分があると思っておいた方が無難です。

ex.CPUサーマルパッドの評価

Thermal Grizzly サーマルグリズリー 熱伝導シート Carbonautシリーズのamazonレビューにあった評価によると、熱伝導率12.5W/m・KのThermal grizzly Kryonautより冷えないという評価があります。

その他のレビューでも「冷える」「冷えない」、「グリスの方が冷える」「グリスより冷える」という両極端の評価があり、評価が安定していない様子が伺えます。

実力が発揮出来たりできなかったりと、環境の問題なのか、ほかに何か原因があるのかレビューを読んだだけでは判断できませんが、こうした点からも未知数な部分があると思っておいた方が良いでしょう。

繰り返し使えるかについても一回使うとかなりボロボロになるようで、何度も使えるという感じではないようです。

当サイトでもそのうち実際に試してみたいと思っています。

 

ワイドワーク社について

ワイドワークはPCパーツ関連の会社としてはなじみがありませんが、CPUサーマルパッド製品を幾つか出しています。

CPUサーマルパッド専用の会社ではなく、様々なサーマル関連製品を発売しています。

公式サイトでは通販もやっていますが、基本的に高価なうえ、購入金額が5000円以下だと結構な送料がかかりますのでamazonで購入したほうが得です。

公式サイト

 

 

CPUサーマルパッド 規格品

LGA1151=30*30、SokcetAM4=40*40、SokcetTR4=50*68のいずれかのサイズに近く、そのまま使えるサイズのCPUサーマルパッドになります

 

CPUサーマルパッド 規格外品

実際に使用するよりかなり大きなサイズになりますのので必要な分だけ切り取って使うことになります。基本的にPCパーツではありませんので、目の玉が飛び出るほど高価な製品もあります。

 

※ 規格品も規格外品も熱伝導率が20W/m・K未満のものは「性能低」としてあります。

 

上の表から見る用途別に使うべき製品

 

安心感と性能

CPU専用に作られていて、Thermal grizzlyブランドの安心感もあってやはり購入すべき製品の一位はThermal Grizzly Carbonautになります。繰り返し使えることが明記されているのもポイントが高いです。

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熱伝導率No.1

熱伝導率90W/m・Kを誇るワイドワークの熱伝導シートVertical-Graphite Proがナンバーワンです。繰り返し使えるかどうかは不明な上に高いですが、熱伝導率は金属以上と目を見張るものがあります。

規格品はLGA1151用のサイズしかありませんので、SokcetAM4やLGA2066、Socket sTRX4をお使いの方は大判の物を複数人で共同購入するのもよいでしょう。

 

安心感

こちらもCPU用として売り出されています。数少ない製品ですので挙げておきます。

LGA1151用とSocketAM4/LGA2066用の二種類が出ています。価格はそこそこです。

 

熱伝導率ナンバー3

熱伝導率50W/m・Kとこちらも試してみたくなる製品です。

Thermo-TranzM50α(最大タイプ)

Thermo-TranzM50α 大判タイプ

 

 

CPUサーマルパッドは高性能でPCパーツ関連製品に関しては出始めたばかりの製品です。

「自分が人柱になる」くらいの感覚が無いと厳しいかもしれません。

上の表や推奨を参考に試してみてください。

 

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