より小型のAMD Phoenix2 APUの詳細が明らかに
AMD Phoenixには2つのバリエーションがある。
AMDは、低消費電力デバイス向けの新しいAPUを開発している。
AMDがPhoenixシリコンに似た小型プロセッサーを発表するかもしれないという事実は、長い間秘密ではなかった。
非公式に「Little Phoenix」という名称が昨年6月の時点で言及されていたが、AMDはこれまでそれを確認しなかった。
同社は最近、Zen4アーキテクチャに基づくRyzen 7040HSおよび7040Uシリーズを発表した。
AMDのウェブサイトによると、この2つのモデルには137mm²の小型Phoenix CCDダイが搭載されており、これは7840U/7640U APUのPhoenixダイよりも約23%小さい。
これにより、2つのバリエーションがあることがうっかり確認されてしまった。
Twitterユーザーの@xinoassasinと@BusAlexeyは、Ryzen 7540Uには2種類のコアが搭載されていると説明している: 後者はZen4のダウンクロック版と思われる。
Zen4cはZen4コアのダウンクロック版であるため、AMDはこのRyzen SKUに両方のPhoenix APUを採用する可能性がある。
https://twitter.com/BusAlexey/status/1674343511296966656?ref_src=twsrc%5Etfw
以前の噂では、”Phoenix2 “は最大8個のRDNA3 GPUコアを搭載する可能性が示唆されていたが、7540/7440Uプロセッサの公式スペックを見る限り、統合Radeon 740Mグラフィックス用に最大4個のCUを提供するはずだ。
AMDは、異なるダイサイズを列挙した以外に、より小型のPhoenixダイがあることを認めていない。
さらに、そのようなAPUを搭載したノートパソコンはまだ市場に出回っていないため、確認することはまだできない。
AMD Ryzen 7040Uシリーズ
AMD Phoenix |
AMD Phoenix2 |
|
製品 | Ryzen 7 7840U Ryzen 5 7640U |
Ryzen 5 7540U Ryzen 3 7440U |
製造プロセス | TSMC 4nm | TSMC 4nm |
ダイサイズ | 178mm² | 137mm² |
CPU アーキテクチャー |
AMD Zen4 | AMD Zen4 (C) + Zen4c (c) |
コア数/ スレッド数 |
8C / 16T (7840U) 6C / 12T (7640U) |
2C+4c / 12T (7540U) 2C+2c / 8T (7440U) |
最大CPU クロック |
5.1 GHz | 4.9 GHz |
GPU | 12CU RDNA3 (Radeon 780M) 8CU RDNA3 (Radeon 760M) |
4CU RDNA3 (Radeon 740M) |
最大GPU クロック |
2.8 GHz | 2.5 GHz |
対応メモリ | DDR5-5600 LPDDR5x-7500 |
DDR5-5600 LPDDR5x-7500 |
TDP | 15-30W | 15-30W |
発売年 | 2023 | 2023 |
ソース:Videocardz.com – AMD “Little” Phoenix2 APU for Ryzen 7040U series has a die size of 137mm²
解説:
6/30の情報ですが、取り上げ忘れていたので今日取り上げます。
Phoenix APUより小さいLittle PhoenixなるAPUの噂があるようです。
こちらはPhoenixのカットダウン版ではなく、最大2C+4Cのハイブリッドのモノリシックダイとして予定されているようです。
GPUも4CUと小さく、ダイサイズも137mm2とかなり小さくなるようです。
Steam DeckとROG Allyの登場によって高性能GPUを搭載したAPUには付加価値があることをAMDが確認
これらの携帯ゲーム機によって高性能のGPUを搭載したAPUには付加価値があることがAMDも理解できたのではないかと思います。
Zen5では現在より大規模な内蔵GPUを搭載するStrix Haloが予定されています。
こちらは最大40CUですので、RX5700XTやRX6750XT/RX6700XTと同じSP数と言うことになります。
PS5などのSoCとよく似ていますが、こちらの方がより進んだ製造プロセスで生産されることを考えるとより高性能になると考えてよいと思います。
RTX4060/Tiの不振を見ると、次世代であるZen5かその次のZen6の世代にはミドルレンジの単体GPUはStrix Haloのような現時点では存在しない高性能APUにとってかわられると思います。
nVIDIAは値下げするつもりはないようですし、コスパを望む多くの声がある以上、無理なくコストを圧縮できるAPUは強いでしょう。
この高性能APUはまずプレミアムノートPCに採用され、徐々にコモディティとなり、最終的には自作PCにも降りてくると思います。
実際、RDNA2の内蔵GPUを搭載したRembrandtは現時点でもデスクトップには降りてきていません。
付加価値の低いデスクトップ向けとして販売するのは少し時間がかかると思います。
また最先端の半導体工場のリードタイムが半年などと言われていますので、一気に生産してガツンと売るのは無理でしょう。
普及には2-3年かかるかもしれませんが、徐々に高くなるPCパーツの世界の現状を見ると、ローエンドからミドルレンジ迄コストパフォーマンスの高いAPUが侵食してくるのは確実のように思えます。
そうなると、nVIDIAは何か別の方策を考えないとシェアを落とすのではないかと思います。