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「Intelファウンドリーは国宝」――Lip-Bu Tan CEO、18A歩留まり改善とApple・TeraFab獲得でIntel ファウンドリーの復活を宣言

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※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージです。必ずしも現実を反映しているわけではありませんのでご注意ください。

■事実

発言の場と文脈

2026年5月18日(現地時間)、IntelのLip-Bu Tan CEOがCNBCの「Mad Money with Jim Cramer」に出演し、Foundry事業の現状を語りました。

Lip-Bu Tanは2025年3月にCEO就任。就任当初から18Aの歩留まり問題を最優先課題として取り組んできました。

ファウンドリーの戦略的位置づけ

先進プロセッサの90%以上が米国外(主にTSMC/台湾)で製造されている現状を問題視し、国内回帰の使命を語りました。

トランプ大統領が支持者であること、CHIPS Act関連の政府支援を受けていることも言及しました。

この文脈でAppleおよびTeraFab(Tesla・SpaceX・xAIの合弁とされる25億ドル規模の半導体製造プロジェクト)との複数年ファウンドリー契約を獲得済みであることが背景にあります。

18A歩留まりの回復

CEO就任時は18Aの歩留まりが不十分で、エコシステムパートナーにデータ解析を依頼して改善に取り組んだと明かしました。

業界標準の歩留まり改善速度は月7〜8%。現在はこの水準に達していると報告しました。

当初は「年内に目標歩留まりに達する見込み」だったが、年内より早く目標を達成したと述べました。

その結果、Panther Lake(Core Ultra 300シリーズ)を量産出荷できる水準に達しました。

18AはRibbonFET(GAA型トランジスタ)とPowerVia(背面電源供給)を初めて量産採用した先端ノードです。

外部顧客の獲得

18Aの改善を受け、外部顧客から「自分たちも使えるか」と問い合わせが来ていると語りました。

Lip-Buは顧客名は公表しない方針としながら、Cadence在籍時代に培った人脈から複数社との信頼関係があることを示唆しています。

顧客名の非開示は方針だが、直近の報道ではApple(Aシリーズの一部)・NVIDIA・AMD・Googleなどが14Aを評価中と報じられています。

14Aプロセスの進捗

次世代ノード「14A」は1.4nmに相当し、IntelはTSMCのN2(1.4nm)と同時期(リスク生産2028年、量産2029年)の展開を目指すと明言しています。

Lip-Bu Tanはこれを「major breakthrough」と表現しました。

PDK 0.5は既に複数顧客に提供中。PDK 0.9の近日リリースを予告です。

14AはRibbonFET+PowerVia 2.0(PowerDirect)に加え、業界初のHigh-NA EUV採用を予定です。

EMIBと先進パッケージング

EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)を「最先端かつ最良のチップパッケージング技術」と紹介しています。

歩留まり90%到達が報じられており、外部顧客向け量産に向けた信頼性確保を進めています。

SK HynixがTSMCのCoWoS代替としてIntelのEMIBを採用するテストを実施中との報道もあります。

サブストレート確保と先払い

現在、基板(ABFサブストレート)はサプライチェーン全体で逼迫しており、複数顧客がIntelに前払いでサブストレートを確保していると明かしました。

背景としてAjinomotoが2026年Q3からABFフィルム価格を30%引き上げる予定で、基板のスポット価格はすでに30%超上昇、通常契約価格も2026年下半期に5〜10%上昇見込みです。

前払いによる確保は、顧客がIntelのFoundryビジネスに本気でコミットしている証左だとLip-Bu Tanは述べました。

CPU需要の爆発とエージェントAI

ある顧客から「予測を一夜で3倍に増やしてほしい」と要請された。「一夜では無理だが、数四半期でキャッチアップする」と回答したと紹介しています。

エージェントAIの普及がCPU需要を急増させており、これは短期的でなく向こう数年続く長期的な需要だと見ています。

解説

「私が来たとき18Aの歩留まりは良くなかった」という発言は相当に率直で、前経営陣(Pat Gelsinger体制)への間接的な批判として読める。

月7〜8%改善という数字は半導体業界の標準指標で、Intelがようやく「普通の歩留まり改善ができる会社」に戻ったことを意味する。

外部顧客が前払いまでして確保しているという事実は「Intel Foundryは使えるかもしれない」という市場の見方が変わり始めた証拠だ。

ABFサブストレートの前払い確保という話は、半導体サプライチェーンの逼迫が下流の消費者向けPC・スマホのコストにも波及することを示している。

14AがTSMCのN2と「同時期」に量産できれば本当に歴史的な逆転だが、Intelのプロセス遅延の歴史を考えると懐疑的に見る向きも多い。

ただし「14AはNPDKの品質が18Aより良い」という外部評価が出ており、14Aは最初から外部顧客を想定して設計されているのが前経営陣との根本的な違いだ。

EMIBがSK HynixのHBMパッケージングに採用されたことは、TSMCのCoWoS独占体制に初めて現実的な対抗軸が生まれた出来事として重要だ。

Cadenceで培った顧客ネットワークを活用するというLip-Bu Tanのアプローチは、Intelが苦手としてきた「外部顧客マインド」を組織に持ち込む試みとして興味深い。

「3倍の需要に即対応できない」という話は裏返すと、需要はあるがIntelはまだキャパシティに制約があるということでもあり、手放しで楽観はできない。

MSG(味の素)が半導体業界の隠れたボトルネックになっているという事実は、サプライチェーンの複雑さを象徴するエピソードとして記事に一言挿入できる。

TSMCが独走していた時代が終わりに近づいているのか、それともIntelの復活宣言が何度目かの空振りになるのか、2028〜2029年の量産実績が全てを決める。

 

国から1.3兆円程度の投資を受けているので国宝というのは言いえて妙な表現。

国宝を作り上げたのは自分という自画自賛が入ってるように見えるのが実に欧米のCEOらしい。

ただ、Intelファウンドリーは経営のお荷物ではなく、どれだけTSMCに近づけるかというターンに突入したことは確かだ。

前から何度も書いているが、Intelは特別な企業だ。失敗しても倒産するかしないかという次元では経営をしていない(苦笑