■事実
NVIDIAが新シリーズ「GeForce Trading Cards Series 1」を発表。物理的なトレーディングカード14種のコレクションで、GPUチップも映像出力端子も搭載していません。
販売はせず、Summer of RTXプロモーションやGeForce公式SNSを通じた配布(ギブアウェイ)形式で提供します。
Bilibili World 2026、QuakeCon 2026、gamescom 2026などのコミュニティイベントでも配布予定です。
カードのラインナップは1995年のNV1(NVIDIA初のマルチメディアプロセッサ)から2016年のGeForce 10シリーズまで、約30年のGeForce史を網羅しています。
- NV1:ジョイスティック・オーディオ・VGA・2D/3D処理を統合した同社初のマルチメディアプロセッサ(1995年)
- GeForce 256:T&L(トランスフォーム・ライティング)処理を1チップに統合し、”世界初のGPU”を名乗った製品(1999年)
- GeForce 3:nFiniteFX Engineによりプログラマブル頂点・ピクセルシェーダーを実現した最初のGeForce(2001年)
- GeForce 7800 GTX、GeForce 10シリーズもラインナップに含まれる
技術デモ「Bubble」「Chameleon」「Medusa」をモチーフにしたカードも収録しています。
ゲームタイトルのUnreal Tournament 2004、Borderlandsをモチーフにしたカードも用意(「The Way It’s Meant To Be Played」プログラムへのオマージュ)されています。
特別デザインとしてGeForce RTX2080 Ti Cyberpunk2077 Editionカードを収録しています。
コレクター向けに、所有カードを記録できるチェックリストカードも同梱しています。
個別販売の予定は現時点でアナウンスはありません。
背景(web検索で補足)
2026年はNVIDIAが新型ゲーミングGPUを1つも発表していない年であり、過去30年で初めての事態とされています。
RTX5000シリーズの中間リフレッシュ「RTX5000 Super」(社内コード名Kicker)は、当初CES2026での発表が有力視されていたが、2025年12月にNVIDIAがボードパートナー各社へ無期限延期を通知したと報じられています。
延期の理由はGDDR7メモリチップの供給不足。AI向け演算チップに割り当てが優先されているとされています。
直近(2026年6月時点)の報道でも時期は定まっておらず、「2026年第3四半期」説と「CES2027発表」説が併存していいます。
次世代のRTX6000シリーズ(Rubinアーキテクチャベース)も2027年後半以降に後ろ倒しされたとの報道があります。
NVIDIAのゲーミングGPU事業は全社売上に占める比率が2022年の約35%から2025年には約8%程度まで低下したと報じられています。
利益率もAI向けチップが約65%、ゲーミングGPUが約40%とされ、収益構造上AI優先の合理性があるとの分析があります。む
2026年のCES・GDCでのGeForce関連発表(”GeForce ON”アップデート等)も、DLSS4.5やG-SYNC Pulsarなどソフトウェア・機能面が中心で、新型GPUのハードウェア発表は行われていません。
参考:カードラインナップの一部
| カード | 発表年 | ポイント |
|---|---|---|
| NV1 | 1995年 | NVIDIA最初期のマルチメディアプロセッサ |
| GeForce 256 | 1999年 | “世界初のGPU”を掲げた製品 |
| GeForce 3 | 2001年 | プログラマブルシェーダー対応の初代機 |
| GeForce 7800 GTX | 2005年 | シリーズを代表するハイエンド機 |
| GeForce 10シリーズ | 2016年 | 高い電力効率で話題になった世代 |
| RTX2080 Ti Cyberpunk2077 Edition | 2020年 | 特別デザインの記念モデル |
解説
「GeForceカードなのにGPUがない」という見出し自体が、2026年のNVIDIAゲーミング事業の状況を皮肉る格好の材料になっている。む
実際、今年はRTX5000シリーズの中間リフレッシュすら出ておらず、”本物のGeForceカード”を待っているユーザーからすれば、トレーディングカードの方が先に手に入るという構図だ。
「今年、一番確実に新しいGeForceカードを手に入れる方法はガチャ的なグッズ配布だった」というくだり。
RTX5000 Super(Kicker)の延期はNVIDIAが公式発表せずボードパートナーへ非公開で通知した形で進んでおり、情報が錯綜している点が象徴的。企業の透明性という観点でも突っ込みどころがある。
延期の根本原因はGDDR7メモリの供給不足=AI向け需要による半導体市場全体のRAM逼迫。これはこれまでの「RAMageddon」的な文脈と地続きの話であり、DRAM/NAND高騰の記事群と絡めて語れる。
収益構造で見ると、ゲーミング事業の売上構成比が35%→8%に縮小し、利益率もAI向けの方が高い。NVIDIAにとってゲーミングGPUを後回しにするのは冷徹だが合理的な経営判断だ。
競合であるAMDのRDNA5も2027〜2028年へ後ろ倒しとの報道が出ており、直接的な競争圧力が薄いこともNVIDIAが急ぐ理由を失わせている一因といえる。
トレーディングカードの配布は、実質的なハードウェア発表が止まっている中でも「GeForce」ブランドの露出を絶やさないための、低コストなファンサービス的施策と読める。
「これがある意味、今年一番”手が届く”GeForceカードかもしれない」といった着地だ。
ネタ記事だが、まさかのトレカ。タイトルだけ見て中身を確認すると、見事につられた感がある。
GeforceはAI需要のためしばらく新製品は出ないがNVIDIAの事業としてはこれでも全く困らないのだろう。
唯一出来ることが遊び心というところに今の状況が集約されている。
製造プロセスの飛躍が無く、出る前からユーザーの期待値が低かったBlackwell世代だが、Workstation向けのRTX Pro 6000 Blakcwellは順調に値上げを続けており、特に販売に苦戦している印象はない。我々一般ユーザーにも今のNVIDIAの強さがかいま見えるだろう。
RTX Pro 6000 Blakcwellは今までに無かった96GB搭載のWorkstationカードだが、こうした製品を出すことによっていくらでも価値を高めることが出来る。これが今のNVIDIAの立場だ。