※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージです。必ずしも現実を反映しているわけではありませんのでご注意ください。
■事実
リーク情報の概要
WccftechおよびVideoCardzが詳細を報道し、Intel公式による確認はありません。
この情報はあくまで予備的なものとして扱われており、最終仕様は変更される可能性があります。
リーカー・Jaykihn(@jaykihn0)が2026年4月13日にXで「Preliminary. 4+8+4+12 Xe3P desktop SKU. Two VCCGT VRM phases required.」と投稿しました。
Nova Lakeデスクトップの標準構成との違い
TDPおよびソケットは未確定だが、Nova LakeプラットフォームはLGA 1954ソケットを採用しています。
Nova Lake(Core Ultra Series 4)デスクトップの通常ラインアップは、iGPUとしてXe3コアを最大2基しか搭載しません。
今回リークされた特殊SKUはXe3Pコアを12基搭載する、通常比10基増の例外的な構成です。
CPUコア構成:4 Pコア(Coyote Cove)+ 8 Eコア(Arctic Wolf)+ 4 LP-Eコア、計16コア16スレッドです。
Nova Lakeは最大52コアまでスケールするラインナップの中では中位クラスのCPU構成に相当します。
Xe3PアーキテクチャとXe3の違い
Nova Lakeでは通常、iGPUにXe3、メディア/ディスプレイエンジンにXe3Pを割り当てており、全iGPUコアにXe3Pを使用する構成は一部モバイル向けSKUに限られています。
Nova Lake標準構成のiGPUは「Xe3(Battlemage)」を採用しています。
今回のiGPU強化SKUが使用するのは次世代「Xe3P(Celestial)」アーキテクチャです。
Xe3PはXe3をさらに改良・最適化した設計で、新機能の追加も見込まれています。
現時点のうわさではXe3比で20〜30%の性能向上が示唆されているが、最終数値は未確定です。
比較基準:Panther LakeのXe3(Arc B390)の実績
Panther Lake(Core Ultra Series 3)のフラッグシップiGPU「Arc B390」は12基のXe3コアを搭載し、2026年1月のCES 2026で発表されます。
NvidiaのRTX 4050ラップトップGPU(60W持続)と同等水準まで到達したとIntelは主張しています。
Nova Lakeの12 Xe3Pはこの実績をさらに20〜30%上回る可能性があります。
PassMarkベンチマークでAMD Radeon 890Mに対して約16%優位、Lunar Lake(Arc 140V)比で約83%の向上となります。
3DMark Time Spyでは約7,000点を記録し、Radeon 890Mのほぼ2倍です。
マザーボード要件と制約
Nova Lakeプラットフォームが対応する**bLLC(Big Last Level Cache)**は現状、高コア数モデルが中心で、この16コアSKUに搭載されるかは未確定となります。
12 Xe3Pを搭載したデスクトップSKUは、専用のVCCGT VRMフェーズが2系統必要となります。
これはNova Lakeのマザーボード要件を追加するものであり、上位プラットフォームのみが対応する見込みです。
AMD APUとの比較
Intel 12 Xe3P搭載デスクトップSKUが実現すれば、AMDデスクトップAPUに対して大幅な優位を持つ可能性があります。
AMDのデスクトップ向けRyzen Gシリーズは、iGPUとして最大8基のRDNA 3.5コアを搭載(Radeon 780M相当)します。
モバイル向けでは880M(12コア)や890M(16コア)が存在しますが、デスクトップ向けは相対的に強力なiGPUが少なくなっています。
Nova Lake全体のリリース見通し
複数メディアが「2027年初頭にずれ込む可能性も排除できない」と指摘しています。
Intelは2026年後半のNova Lakeリリースを公式確認済みです。(CEO Lip Bu Tan、2025年Q3決算説明会)
解説
「2 Xe3コア」だったはずのデスクトップが、なぜ突然12 Xe3Pに
「完全APU路線はやめたが、市場は放置できない」という妥協点が16コアCPU+12 Xe3Pという構成に表れている。
通常デスクトップNova Lakeは最大2 Xe3コアという設計だったが、それが「1SKUだけ12 Xe3P」という形で出てきた構図は、Intelが急いでRyzen G対抗を差し込んだように見える。
Nova Lake-AX(48 Xe3コア+28 CPUコア)が以前うわさされ、その後「停止」と報じられた経緯があり、今回の12 Xe3PはAXプランの縮小版、あるいは代替案として出てきた可能性がある。
Panther Lakeで証明済みのXe3性能を踏まえると
モバイルとデスクトップでは冷却・TDP・メモリ帯域の条件が異なるのでその点は注意が必要だ。
Arc B390(12 Xe3)がRadeon 890Mを実性能で上回ったことは確認されており、これはIntelにとってモバイルiGPUで初めて「AMDを実用的に超えた」世代と言える。
そのXe3の20〜30%強化版であるXe3Pが12コアでデスクトップに来るとなれば、AMDのデスクトップAPU(最大8 RDNA 3.5コア)との差はかなり大きなものになり得る。
デスクトップiGPUの最大の敵はメモリ帯域
bLLCキャッシュで帯域不足をある程度補える可能性はあるが、この16コアSKUに搭載されるかは現時点で不明だ。
「bLLCがあれば本物のAPU対抗になり、なければ帯域ボトルネックに悩む中途半端な製品で終わる」だろう。
モバイルAPU(Strix Halo等)が強力なのはLPDDR5Xの広帯域があるためで、デスクトップはDDR5が前提で、理論帯域は大幅に劣る。
Nova LakeはDDR5-8000をサポートするとされるが、そのメモリキットを買うと費用面でコスパが崩れる。
「ハイエンドCPUユーザーはdGPUを使う」という設計思想の正しさ
予算重視のユーザー、ミニPC、省スペースデスクトップ向けに「ディスクリートGPU不要な選択肢」を提供するセグメントとして機能する設計。
ただし「VRM 2フェーズ専用」という制約が、エントリー向けマザーボードでは対応できない可能性を示唆しており、「予算重視ユーザー向け」としては矛盾がある。
16コア中位CPU+強力iGPUという組み合わせは理にかなっている。52コアや44コアのフラッグシップを買うユーザーはdGPUをつなぐため、iGPUはほぼ使わない。
当のAMDもデスクトップのAPUはかなり限定的な用途でしか使われないと割り切っている。
デスクトップのiGPU高性能製品はマーケティング上の意味だけだろう。
AMDより上という印象を与えることが出来たら将来的には消滅するかもしれない。
Intelの現在地は何処なのか?
「IntelがiGPUで本気を出してきた」という意味では評価できるが、AMDもRDNA 5(UDNA)世代でAPU向けGPUを強化してくる見込みであり、Xe3Pが優位を保てる期間は長くない。
AMDがデスクトップAPUでiGPUを軽視してきたことへのIntelからの回答が、ようやく形になりつつあり、問題は、AMDも同じ答えを準備中という点だ。
IntelのGPU参入は世代を重ねるごとに確実に前進しており、Xe2でAMD 890Mに肉薄し、Xe3で追い越した。Xe3Pはその延長線上にある。
ただしこれはモバイル・iGPUの話であり、ディスクリートGPU市場でNVIDIA・AMDと渡り合えるレベルにはまだない。