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東芝LEトレーディング NVMe Gen3 SSD TLD-M2B02T3 2TB レビュー

投稿日:

 

概要

今回、新規で東芝LETの2TB NVMe Gen3x4 SSD「TLD-M2802T3」を購入しましたので、久しぶりにレビューを行います。

 

こちらの製品を購入した経緯は非常に安価だからです。

NVMe Gen3x4でさほど性能の高くないモデルとは言え国内メーカーの保証が付いた2TBのSSDが税込9,800円と言うのはびっくり価格だと思います。

あまりに驚いたので2本も買ってしまいました。

記事執筆時点では残念ながら価格が通常に戻っていますが、こまめにチェックするとまたセールするかもしれません。

こちらはROCmの環境構築とテスト用に外付けのNVMeケースに入れて使う予定です。

USB経由で接続する予定ですから、速度は特に求めていません。

 

東芝LET公式HP

東芝LETは東芝グループの家庭用電気機械器具の販売を行う企業です。

KIOXIA(旧東芝メモリ)が東芝グループから外れたことによって東芝ブランドでSSDやメモリ製品を取り扱うようになっているようです。

KIOXIAが独立したことによって、東芝ブランドにて家電品やメモリ製品を販売する企業と言うことになります。KIOXIAと比較すると取り扱い製品はやはり少ないです。

中身は東芝と関連が深いKIOXIAのものが使われていると思ったのですが、期待とはちょっと違いました。

後述します。

では実際に見ていきましょう。

 

レビュー品の紹介

箱は大きいですが、飾り気のない薄い段ボールの白箱でした。

中の緩衝材にも敢えてブラ素材のブリスターなどが使われてない辺り、環境に配慮している大企業の系列会社らしいです。

製品は静電防止用の青いビニール袋に入れられています。

部品は片面実装で、部品実装されている表面にはコントローラーにPhisonのPS5013-E13が見えます。

メモリチップは4枚実装されており、4096Gbitチップが4枚と言うことになります。

メモリチップにはIA7HG96AZA」とプリントされており、調べてみるとマイクロン製の176層のQLCでした。

BiCSで無いことに衝撃を受けました。

「東芝なのにKIOXIAのBiCSを使わないんだ」と思うと同時に諸行無常を感じました。

裏面はステッカーが貼っており、企業名・型番・容量・シリアルナンバー・生産国が記してあります。

生産国は台湾です。

構成自体は信用の高い企業のパーツを使っているものの、普通の普及価格帯NVMe SSDと言った感じです。

 

 

製品の仕様を見てみましょう。

シリーズ名 M2B M2B M2B
形名 TLD-M2B02T3
TLD-M2B02T3UL
TLD-M2B02T3BA
TLD-M2B01T3
TLD-M2B01T3UL
TLD-M2B01T3BA
TLD-M2B50G3
TLD-M2B50G3UL
TLD-M2B50G3BA
JANコード 4560158873711
4560158873742
4560158873773
4560158873704
4560158873735
4560158873766
4560158873698
4560158873728
4560158873759
容量 ※1 2TB 1TB 500GB
フォームファクター M.2 2280 M.2 2280 M.2 2280
インターフェイス NVMe 1.3 / PCIe Gen3x4 NVMe 1.3 / PCIe Gen3x4 NVMe 1.3 / PCIe Gen3x4
シーケンシャルRead(MB/s) ※2 2350 2350 2300
シーケンシャルWrite(MB/s) ※2 1900 1850 1500
TBW(TB) 480 240 120
原産地 TAIWAN TAIWAN TAIWAN
保証年限 3年 3年 3年

※ 製品型番をクリックすると販売ページが別Window・タブで開きます。

 

製品は容量ごとに型番が3つあります。

何か違いがあるのかははっきりわかりませんでした。

私が購入したモデルは2TBで一番上に記載のある「M2B02T3」です。

TBWは1TB毎に240TBWで、2TBは480TBWとなります。

型番が違ってもこちらは変更点はありません。

昔は1TB毎に1000TBW程度だったのですが、最近はどんどん耐久性が小さくなっています。

QLCを採用している都合上でしょうか。

買った値段はかなり安価でしたから、特に不満は無いです。

保証期間は3年なので3年以内にTBWを使い果たし、問題が発生する可能性は極めて小さいと言えるでしょう。

 

実は・・・

私は物のあたりが比較的良い方なのですが、2つ購入した製品の一つが不良品でした。

取付ても全くUEFI画面に出てきませんので、何かおかしくなったのかと思いましたが、2つのうち一つを取り付けたら正常に認識しましたので単なる初期不良と言うことになります。

一定の割合で初期不良が出るのは仕方ありませんが、ファーストインプレッションは割と最悪でした。

 

念のためにflash_idにかけて調べてみました。

コントローラー:Phison PS5013-E13

フラッシュセル:IA7HG96AZA Micron 176層QLC

いつも通り、ログは末尾に張り付けておきます。

フォーマット後の容量は1.81TBでした。

 

 

検証環境

  • CPU:AMD Ryzen 9 7950X
  • CPUクーラー:Deep Cool AS620
  • マザーボード:TUF Gaming X670E-PLUS
  • SSD:M2_2(チップセット側PCIe Gen3×4) Moment MT34 NVMe Gen3 SSD 256GB(システムドライブ)
  • M2_1(CPU側PCIe Gen5×4・自動認識) 東芝LEトレーディング TLD M2B02T3 NVMe SSD (今回レビューするSSD)
  • 電源:Corsair ATX 1000W電源 RM1000e
  • メモリ:Crucial DDR5-4800 定格メモリ16GB*2=32GB
  • ケース:Fractal design Define R7 Wihte
  • OS:Windows11 (最新大型パッチ及びWindows Update適用済)

今回からしばらく、AMD環境にてテストすることになりました。

Define R7 Wihteはサイドパネルを開けてベンチ台ライクに使っています。

今回はトップフロークーラーではなく、DeepCoolのAS620を使っています。

SSDのヒートシンクはマザーボード付属のものではなく、単体売りしている製品を使っています。

理由はツイートでも報告しましたが、以前のテスト環境ではマザーボードに付属のものは2枚をいっぺんに冷やす一体型になっており、一方が爆熱だとシステムドライブの調子がおかしくなるからです。

使ったのはAWD-MCS01と言う製品ですが、すでに終売になっているようです。

上は比較的よく似た製品だと思います。

 

Crystal Disk Info9

 

今回は起動一回目でSSを撮れた。

起動回数は一回で気持ちいいです。

私がチェックした限りでは特におかしな点はありません。

電源投入回数が2回になっているのはBIOSの設定などで再起動したためです。

 

Crystal Disk Mark 8

ストレージの速度を計測する定番のベンチマークソフトCrystal Disk Mark8で速度を計測してみた。

Crystal Disk Mark8はデフォルトでは1GiBのテストデータで5回速度を計測して一番数字が良かったものを表示する。

ストレージの一番良い状態での速度を表示するソフトだ。

 

シーケンシャル性能

シーケンシャル性能のメーカー公称値はリード2350MB/sとライト1900MB/sだ。

リード/ライト共に公称値以上の結果が出ている。

Phison PS5013-E13はランダム性能に優れていますが、シーケンシャル性能はそれほど良い数値が出ない。

SSDの快適性に大きく影響するのはランダム性能だ。

見かけよりも実利を取っているとも取れるが、巨大なファイルを読み書きさせるようなファイル置場の用途よりもシステムドライブ向けのコントローラーと言える。

 

 

 

ランダム性能

ランダム性能はリード281K IOPS、ライトは416K IOPSとなっている。

こちらは特にスペック表に明示されていない。

2TBと言うことで、同じコントローラーを搭載している台湾のSSDメーカーMoment MT34 256GBよりはかなり高速になっている。

リードは2倍以上、ライトは約39%も速い。

 

8GiBと64GiBの結果と併せて以下にグラフとしてまとめた。

 

 

ATTO ベンチマーク

ATTOベンチマークはSSDのブロックサイズの速度を測定するベンチマークだ。

QD1

 

QD4

 

 

 

 

AS SSD ベンチマーク

AS SSDベンチマークはSSD専用のベンチマークテストだ。

 

 

空き容量が少なくなってきたら、どのように速度が変化するか?

最近のSSDはフラッシュセルをSLC化してキャッシュにしているが、残り容量が少なくった時の速度の変化を見るちょっと意地悪なテストだ。

USB接続の2.5’HDDから512GBのデータを3つコピー

1個目

2個目

三個目

2.36~2.48GB/s前後で特に速度が大きく落ちること無くコピーが終了

 

容量の調整用ファイルをコピー

 

約70GBのファイルをUSB-HDDからコピーして容量を残り256GBに調整

 

残り256GBになったところでC:ドライブのSSDから128GBのデータをコピー

 

こちらも2.4GB/s前後で特に速度が落ちること無くコピー終了

今回は今までの256GB SSDと違って容量2TBのSSDのテストのため512GBのファイルのコピーに数分の時間を要した。

巨大なファイルを頻繁にコピーや移動させる用途ならば、Gen4SSDを用意したほうがいいだろう。

最初から最後まで特に極端に速度が落ちることは無かったので、やはりPhison PS5013-E13はNVMeの低価格帯の中では非常に優れたコントローラーと言えるだろう。

低価格帯のGen3 SSDを購入するならば、何が何でもPhison PS5013-E13かMaxio MAP1202搭載モデルにこだわった方がいいだろう。

今回はQLCと言うことで速度が落ちることを想定していたのだが、TLCとほとんど結果が変わらず、拍子抜けした。

 

温度の変化

Crystal Disk Mark8を回数9、テストデータ8GiBで実行し、終了後5秒程度までの温度を監視

43℃からスタートで、最高70℃だった。

イメージよりはかなり熱を持つSSDだ。

ただし、今回からトップフローではなくサイドフロークーラーになったので直接風が当たらなくなり前の環境よりはかなり発熱しやすいことは確かだろう。

SSDにはきちんと風が当たるように工夫したほうが良いことを痛感したテストになった。

ヒートシンク無しでの運用はお勧めしない。

 

総評

東芝LEトレーディングと言う国内メーカー製のSSDを見てきた。

安価な製品価格帯で残り容量が少なくなっても遅くならないPhison PS5013-E13を採用している辺り国内メーカーらしいかなり手堅い製品と言える。

残念ながら、今まで検証してきたGen3SSDは256GBとあまりに容量が違いすぎて、比較対象にはならないと思われるので比較はしないが、このクラスの製品としては比較的使い勝手が良い方だろう。

筆者はセールで10000円弱で購入したがこのくらいの価格ならば、非常にお得感の高い製品だろう。

 

今回検証した製品

 

500GB版

1TB版

 

おまけ

phison_flash_id.exe.exeのログ

Phison NVME & SATA SSD flash id (dll) v0.382a by Ochkin Vadim
OS: 10.0 build 22621
0: (TLD-M2B02T3
1: (PCIe SSD
2: USB SanDisk 3.2Gen1
Please select drive number:0
Drive : 0(NVME)
Driver : W10(0:3)
Model : TLD-M2B02T3
Fw : EDFMF0.0
HMB : 5156 - 2082252 KB
Size : 1907729 MB [2000.4 GB]
LBA Size: 512
Firmware lock supported [02 01] [P001] [0102]
Drive unlocked [02 03]
F/W : EDFMF0.0
P/N : ***-*********
Bank00: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank01: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank02: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank03: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank04: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank05: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank06: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank07: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank08: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank09: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank10: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank11: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank12: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank13: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank14: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Bank15: 0x2c,0xd3,0xc,0x32,0xea,0x30,0x0,0x0 - Micron 176L(N48R) QLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
Controller : PS5013-E13
CPU Clk : 667
Flash CE : 16
Flash Channel : 4
Interleave : 4
Flash CE Mask : [++++++++ ++++++++ -------- --------]
Flash Clk,MT : 800
Die per CE : 1
Block per CE : 3268
Page per Block: 2816
Bit Per Cell : 4(QLC)
PE Cycle Limit: 60000/900
SLC cache : 0x600000/0x340000
ONFI : MICRON MT29F1T08GBLCE3W [0AC9]
Page size : 18352 (16384+1968)
Page/Block: 2816
Block/LUN : 3268
LUN/Chip : 1
Bit/Cell : 4 (QLC)
Endurance : 1500
PlanAdrBit: 2 (4 plane)

Defects Early Read Prog Erase
Bank00: 16 0 0 0
Bank01: 17 0 0 0
Bank02: 18 0 0 0
Bank03: 17 0 0 0
Bank04: 30 0 0 0
Bank05: 16 0 0 0
Bank06: 28 0 0 0
Bank07: 17 0 0 0
Bank08: 16 0 0 0
Bank09: 18 0 0 0
Bank10: 17 0 0 0
Bank11: 19 0 0 0
Bank12: 19 0 0 0
Bank13: 17 0 0 0
Bank14: 19 0 0 0
Bank15: 20 0 0 0
Total : 304 0 0 0

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