AMDは、EPYC CPUのおかげで、CPUセグメント全体で30%を超える歴史的な市場シェアを達成しています。
最新のシェア統計は、プロセッサ領域におけるIntelとAMDの進歩を強調する2022年第4四半期のMercury Researchによって共有されました。
AMDのEPYC勝利! Intelが減少を続ける中、2022年第4四半期にCPUシェアが30%を超えて拡大
Mercury Researchのレポート(Reutersより)によると、Intelの68.7%(71.5%から低下)に対して、AMDの市場シェアは現在31.3%(2021年第4四半期の28.5%から上昇)だと報じられています。
これは、AMDがサーバー&クライアントチップによって掴んだ市場全体の4分の1以上であり、これはまだ始まったばかりです。
また、Intel、AMDともに30年以上ぶりの大幅な出荷減となったことも調査対象として指摘されている。
これはチップ販売のクライアント側に大きな影響を与え、両社は前回の決算で赤字を計上した(Intel / AMD)。
CPUの出荷台数の年間減少率は現在34%、四半期ごとの減少率は約19%となっている。
“年間では、2022年の出荷台数は3億7400万台(ARMプロセッサを除く)、売上高は650億ドルで、それぞれ21%と19%減少した” Mercury Researchはこう付け加えた。”これは非常に暗い印象を与えますが、それでも2022年のプロセッサ市場全体の収益は、2020年と2021年を除いて、これまでのどの年よりも高かったことに注意してください。”
マーキュリーリサーチ PCMagより
AMDのEPYCとInstinctチップは、今年末までに同社の市場シェアを30%を大きく上回ると予想されています。
AMDはサーバー分野で強力なロードマップを敷いており、今後数四半期でどのような進化を遂げるか楽しみです。
一方、他のアナリストは、インテルが最近発表したSapphire Rapids Xeon CPUは、大口顧客がこの新しいチップにアップグレードすることにより、ブルーチームにとって転機となるかもしれないと予測しており、これはDRAM業界にとっても非常にプラスとなることが証明されました。
全体として、Intel は依然としてサーバー分野でトップの座を維持していますが、AMD が EPYC シリーズの CPU で過去数年間に作り上げた支配的な勢いを止めるには、いくつかの根本的な変更が必要でしょう。
また、同社は強力なクライアントロードマップを策定しており、今年後半にはIntel自身の計画に対抗できるはずです。
また、両社とも強力なモバイルラインアップを発表しており、ノートパソコン分野での熱い戦いになることは間違いないだろう。
AMD 2022年第4四半期 x86 CPU市場シェア (Mercury Researchより):
2022Q4 | 2022Q3 | 2022Q2 | 2022Q1 | 2021Q4 | 2021Q3 | 2021Q2 | 2021Q1 | 2020Q4 | 2020Q3 | 2020Q2 | 2020Q1 | 2019Q4 | 2019Q3 | 2019Q2 | 2019Q1 | 2018Q4 | 2018Q3 | 2018Q2 | 2018Q1 | |
AMDデスクトップCPU 市場シェア |
18.60% | 13.90% | 20.60% | 18.30% | 16.20% | 17.00% | 17.10% | 19.30% | 19.30% | 20.10% | 19.20% | 18.60% | 18.30% | 18.00% | 17.10% | 17.10% | 15.80% | 13.00% | 12.30% | 12.20% |
AMDモバイルCPU 市場シェア |
16.40% | 15.70% | 24.80% | 22.50% | 21.60% | 22.00% | 20.00% | 18.00% | 19.00% | 20.20% | 19.90% | 17.10% | 16.20% | 14.70% | 14.10% | 13.10% | 12.20% | 10.90% | 8.80% | N/A |
AMDサーバーCPU 市場シェア |
17.60% | 17.50% | 13.90% | 11.60% | 10.70% | 10.20% | 9.50% | 8.90% | 7.10% | 6.60% | 5.80% | 5.10% | 4.50% | 4.30% | 3.40% | 2.90% | 4.20% | 1.60% | 1.40% | N/A |
AMD全x86CPU 市場シェア |
31.30% | 28.50% | 29.20% | 27.70% | 25.60% | 24.60% | 22.50% | 20.70% | 21.70% | 22.40% | 18.30% | 14.80% | 15.50% | 14.60% | 13.90% | N/A | 12.30% | 10.60% | N/A | N/A |
ソース:wccftech – AMD Grabs Over 30% CPU Market Share As Intel Continues To Decline
解説:
AMDの市場シェアが30%突破
AMDの市場シェアが30%突破したという話です。
高性能デスクトップ、いわゆる自作PCとかゲーミングPCだけ見ている人は「えー、ウッソじゃーん」と思うかもしれません。
しかし、グローバルではIntleのRaptorLakeは価格が上がったので苦戦しています。
今までの記事でも何度か紹介しましたが、Zen4もRaptorも販売は苦戦しており、アメリカのamazonではAM4が一番売れています。
元記事の暦年のシェアを示した表はRyzenが発売されてからのマーケットシェアです。
初代Ryzen発売日が2017年3月です。
IntelのシェアはデスクトップではAlderLake発売後の2021年11月を境に底を打って回復しています。
モバイルではまた多少状況は違いますが、AMDは苦戦していることに違いはないです。
しかし、サーバーだけはずっとシェアが向上し続けています。
これは、CCDやCCXと言ったRyzenの仕組みがサーバーCPUと相性が良いからです。
一方のハイブリッドはサーバーCPUと相性が良くありません。
サーバーCPUではJailやその他の仮想化機能を通じて、顧客にリソースを時間貸ししています。
そのため、2種類のコアが存在するハイブリッドではフェアユースを証明しにくく、イマイチ説得力を持たせられません。
Pコアは高性能ですが、トランジスタ当たりの性能が良くなくPコアのみでCPUを構成しようとすると、熱とコアの数が問題になります。
さらにEコアにはAVX-512が搭載されていませんので、Eコアを有効にするとAVX-512が有効に出来ません。
AVX-512はサーバーCPUでのみ有効にされてきた機能ですから、HPCでの互換性の問題も抱えているということになります。
デスクトップでは一見死角のないように見えるハイブリッドはデスクトップに最適化された仕組みであるがゆえにサーバーCPUには向いてないということです。
利益率が一番高いのはサーバーCPUですから、他のところを捨てでもサーバーCPUに注力するのは営利企業としては極めてまともな考え方だと思います。
自作PCerとしては残念ですが、これが現実ですね。
もう一つは、AMDのGPUの新アーキテクチャーであるRDNA2を搭載したAPUがSteamDeckに搭載されたことです。
こちらはまだ全体のシェアに影響を与えるほど大きくはありません。しかし、新しい用途と言うことでこれからシェアが伸びていくことが期待できるのではないかと思います。
IntelのAlderLakeもRaptorLakeも素晴らしいCPUだと思います。
Alchemistも第一世代としてはまあまあ成功したのではないでしょうか。
しかし、APUに象徴されるようなモバイル(組み込み)分野においてはAMDに一日の長があるように思えます。