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Oculus Quest2レビュー

更新日:

9月に予約したOculus Quest2がようやく届きましたのでレビューします。

 

届くまでの道のり・・・

Oculus Quest2は今回、公式サイトで事前に予約しました。

予約開始したその日に予約しました。

256GB版です。

香港からの発送でFedexによる輸送で10/6出荷、10/15に到着予定だったのですが、10/14に「弊社管理外の理由による遅れ」が表示され、そこから貨物追跡のアップデートがされなくなり不安になったのでFedexに電話してみました。

すると、「コロナウィルスによる航空機の減便で10/15(予定日)までには届けられないが、10/16には届きます。」と受付の方に言われました。

言われたとおりに10/16に無事受け取りが出来ました。

国内の引き受け運送会社は西濃運輸でした。

 

Oculus Quest2の概要と初代Questとの比較

  Oculus Quest Oculus Quest 2
サイズ
(幅×奥行き
×高さ)
193×222×105mm 191.5×102×142.5mm
(ストラップ折りたたみ時)
重さ 571g 503g
トラッキング 6DoFサポート 6DoFサポート
ストレージ 64GB/128GB 64GB/256GB
ディスプレイパネル OLED 高速スイッチLCD
解像度 1,440×1,660
(片目)
1,832×1,920
(片目)
リフレッシュレート 72Hz 72Hz/90Hz
SoC Snapdragon 835 Snapdragon XR2
オーディオ スピーカー、マイク内蔵
(3.5mmイヤホンジャック対応)
スピーカー、マイク内蔵
(3.5mmイヤホンジャック対応)
RAM 4GB 6GB
バッテリー
寿命予測
2~3時間
(ゲームプレイで約2時間、
メディア視聴で3時間)
2~3時間
(ゲームプレイで約2時間、
メディア視聴で3時間)
充電 USB-C給電
(約2時間で
フル充電)
USB-C給電
(約2.5時間で
フル充電)
IPD
(瞳孔間距離)
本体底面の
スライダーによる
無段階調整
本体レンズ側に
よる三段階調整
プレイ空間 静止
最小2×2mルームスケール
静止
最小2×2mルームスケール

 

Snapdragon835とSnapdragonXR2の違い

Snapdragon835 SnapdagonXR2
ベース Snapdragon835 Snapdagon865
Antutu総合 258,063 589,939
AntutuGPU 90,151 238,608
ビデオ帯域
(835を1とする)
1 4
サポート解像度
(835を1とする)
1 6
AI性能
(835を1とする)
1 11

初代Questに搭載されていたSnapdragon835とQuest2に搭載されているSnapdragonXR2の違いです。

Antutuのスコアに関しては同SoCを搭載しているスマホの値を引用しています。

必ずしもQuest、Quest2の実態を正確に反映していない可能性がありますので注意してくださいる

公称値はCPU性能、GPU性能ともに835の倍となっていますが、ほぼ公称値通りの性能が出ています。

ARMのSoCは全ての半導体の中でも最も進化が速いものの一つですから、この辺は面目躍如と言ったところです。

2年でCPUとGPUの性能が倍になるというのはPCの世界では近年ちょっと聞いたことがなく、SnapdragonXR2はかなり高性能化していることがわかります。

これだけ性能に差があると徐々に初代Quest対応のソフトは減っていくことが予想されます。

 

 

Intel Core i7-1065G7(Ice Lake) VS Snapdragon865

Intel Core i7-1065G7
(Ice Lake)
Snapdragon
865
CPU
CPUクロック
・ベース
1.3GHz 1.8GHz
CPUクロック
・ターボ/1コア
3.9GHz 2.84GHz
CPUクロック
・ターボ/全コア
3.5GHz 2.42GHz
CPUコア数 4 8
CPUスレッド数 8 8
Geekbench5/64bit
シングルコア
1,184 845
Geekbench5/64bit
マルチコア
3,786 3,220
GPU
GPU Intel Iris Plus
Graphics 940
Qualcom
Adreno 650
GPUクロック 0.3GHz 0.25GHz
GPUターボクロック 1.1GHz 0.59GHz
製造プロセス intel10nm TSMC7nm
FP32演算性能
(GFLOPS)
845 1,250

PCユーザーにとってはARMのSoCは性能の想像がつきづらいと思いますので、Intel Core i7-1065G7(Ice Lake)との比較を上に挙げておきます。

ただし、使っているOSが違いますので、参考程度にとどめてください。

CPUのシングルスレッド性能は劣りますがコア数の多さでマルチスレッド性能は差はかなり小さくなっています。

8コアなのに意外と低いと感じるかもしれませんが、ARMの8コアはbig.Littleフィロソフィを採用しているからだと思われます。

高性能のBigコアが4、省電力なLittleコアが4ずつ入っており、Littleコアは当然ながら性能はあまり芳しくないです。

CPU性能が低いのは省電力性を重視してクロックを上げていないのも原因の一つでしょう。

GPU性能はなんと1.5倍です。

intelの内蔵GPUの評判が良くないのはこういうことですね。

 

 

 

 

写真

 

本体

初代Questとの比較ですが、全体的に一回り小さくなりました。

恐らくコストダウンのためだと思います。

カラーは白一色のみです。白いプラスチックは成型が難しいといわれているのですが、特にむらなどもなく、きれいに成型されています。

初代Questは本体はファブリック(布)だったのですが、総てプラスチックになりました。

ツルツルのプラスチックではなく、微妙に微細な凹凸がありますので安物感はそれほどありません。

この辺はかなり安くなっているのにびっくりです。

また、トラッキング用のカメラが四つなのも変わりません。位置も全く変わっていないので恐らくこの位置が一番精度が高くトラッキングできるのでしょう。

今回私は256GB版を購入しましたが、64GB版との外見上の違いはありません。

私の場合、メガネが細いタイプなのでスンナリ入りましたが、初代Questと比較しても眼鏡族には厳しいかもしれません。

IPD調整用のスライダーが無くなり、本体のレンズ側を直接動かしてIPDの調整を行うようになりました。(三段階)

重さは571gから503gと軽くなっています。たったの68gと思うかもしれませんが、かなり軽くなったように感じます。

ここは初代Questと比較するとかなり良くなったと感じます。

VRHMDは装着すると重心がかなり外側にありますので、思っているよりもずっしりと重さを感じます。

他、電源ボタンボリューム調整用のボタン、電源とOculus Link用のUSB Type-Cが1個ついています。

 

装着感

ストラップが布製になり、装着は初代Questと比較すると少しやり辛いです。

初代QuestだとHMDを顔に当ててストラップを後ろに引っ張るだけで装着できたのですが、布製のストラップはふにゃふにゃしていますので、HMDを被るという感覚になります。髪の長い人は装着はひと手間でしょう。

コストダウンのためだと思いますが、これが許せない場合は、別売りのエリートストラップを購入したほうがよいでしょう。

顔に当たる部分は初代Questの場合、ゴムのような弾力性のあるスポンジだったのですが、Quest2の場合、普通に柔らかいスポンジになりました。

 

音質

本体スピーカーの音質はかなり良いです。私が普段使っている1000円ほどのオープンエアのヘッドホンよりもかなり良い音に聞こえました。

 

コントローラー

コントローラーは初代と比較するとABXYボタンが付いている面が広くなり、Oculusボタンとメニューボタンの配置が下側から外側に変更になりました。

私は運動のためにCREED(ボクシングゲーム)をプレイしているのですが、間違ってOculusボタンとメニューボタンを押してしまうことがあり、その対策だと思います。

ストラップは手触りの良いゴム素材から白い組紐に変更になっており、こちらも安っぽくなっています。これも恐らくコスト対策だと思います。

ボタンの配置されている面の上側に小さなLEDがありボタンを押したときに光っていたですが、このLEDがコントローラーリング部手前のOculusロゴの下に変更になり、見やすくなりました。

また、コントローラーの電池が収納されている部分の蓋は初代Questの場合、マグネット式で、吸い付くように閉まっていたのですが、残念ながら、マグネット無しのはめ込み式になりました。

この点はマグネットの吸着感がかなり気持ちよかったので少し残念です。

本体、コントローラー共通ですが、全体的に部品の精度はかなり高いです。

継ぎ目はさすがにわかりますが、自作PCのケースによくみられるような面あてのズレはほとんどないです。

この辺はフィーリングを大切にしているOculusらしい仕上がりです。

 

 

充電アダプタと充電用ケーブル

こちらも白くなりました。

ケーブルの長さは1mほどなので短すぎて初代QuestのようにOculus Linkには使えません。

この点は初代Questの方が優れています。

初代Questのアダプタは5V、3A、15Wでしたが、Quest2のアダプタは5V、2A、10Wとなりました。。

 

 

付属品

眼鏡スペーサーと説明書類、コントローラー左右、アダプタと充電用ケーブル(USB Type-C)約1m

 

使用感

初代Questは起動してもスマホとペアリングできなければ何もできなかったのですが、Quest2は単体でWiFiに接続する機能が付いており、単体でできることが増えました。

私は初代Questでスマホアプリが動かずに何もできなかった経験がありますので、確実にそういったトラブルの報告が生かされていると感じました。

また、スマホでアプリをインストールしてペアリングすると、スマホ側でWiFiの接続設定などを行えます。

 

起動してメニューを見ると初代Questではβ扱いだったユニバーサルメニューが標準になりました。

ただし、メニューにライブラリがありませんので、野良アプリは使えなくなりました。

 

液晶の画面は全体的に白っぽく感じるというのはすでにあちこちでレビューに出ている通りでした。

しかし、解像度感はかなり上がっており、相対的に見て、Quest2の方がきれいに見えます。

私はMMDのVR動画などをよく見るのですが、初代Questで4KのVR動画を見ると、解像度が合わないため映像にひずみが出ていたのですが、Quest2では改善されており、目立つひずみはほぼ無くなっており、非常にきれいに見えます。

一度体験してしまうと初代Questには戻れないかなと言う感じです。

 

トラッキングに関してです。

椅子に腰かけてひじ掛けの下にコントローラーを置くとHMDでの表示の位置が吹っ飛ぶことがあるのも初代Questから変わっていませんでした。

インサイドアウト方式のため、本体の近くの特定位置の障害物の下などではトラッキングが弱いのは相変わらずです。

実使用で問題になったケースはありませんので、これはご愛敬でしょう。

 

リフレッシュレート90Hzはテスト機能扱いで、初期設定では72Hzです。設定を変更すると再起動しなくてはなりません。

90Hzに切り替えてOculus LinkでSteamVRのゲームをやってみましたが、リフレッシュレートは72Hzと表示されていました。

※ PC版のCREEDをやってみましたが、90Hzで表示されていました。ゲームによっても違うようです。

もう一つ便利だと思ったのはテスト機能の本体左右のサイド部分を手かコントローラーで2回叩くとカメラの映像に切り替わる機能です。

これによってちょっとしたことならば、HMDを外さなくてもできるようになりました。

※ この機能は初代Questにも実装されています。私は気が付かなかったのですが、コメントでご指摘をいただきました。ありがとうございます。

 

oculusアプリでペアリングしてFacebookアカウントにログインするとアチーブメント(ゲームやアプリを使った実績)はそのまま引き継がれますが、アプリは再インストールする必要があり、現時点では一部を除いてほぼすべてのソフトのセーブデータは引き継がれません。

セーブデータを引き継ぐにはソフト側の対応が必要なようです。

この点は非常に残念です。Facebook側でクラウドドライブを用意してQuestの設定を引き継ぐ機能を実装してもよかったのではないかと思います。そうしないとSNSアカウントと紐付ける意味がほとんどありません。

 

※ 10/29追記 Facebookアカウントでログインした後、ストアを利用してみましたが、クレカの情報が紐ついていました。

Quest2からアプリを直接購入できるようにするためにFacebookアカウントに統一したのかなと思います。

少なくとも、理由の一つではあるのでしょう。

 

結論

Quest2は買いか?

Quest2は買いです。

今現在VR機器を持っていない方はもちろん、初代Questを持っている方も買い替えて損はありません。

コストカットの影響で使い勝手が落ちているところはありますが、全体的に性能はかなり上がっており、何より解像度が高くなり、映像がくっきり見えるようになったのは大きいです。

使い勝手が落ちているところも致命的と言うほどではありません。

唯一、装着するときにややつけにくくなったので、初代Questと同様の装着感が欲しい方はエリートストラップを同時に買った方がよいでしょう。

付け外しはVRHMDに必ず付いて回るので、一見大したことが無いように見えてここは重要です。

 

 

Quest2の欠点

Quest2からFacebookアカウントが必須になりましたが、現在、アメリカ大統領選に伴って、Facebookの新規アカウントはBANされやすくなっています。

購入を希望される方は事前にFacebookのアカウントを作っておいた方がよいでしょう。

※ コメントにてQuest2の設定と同時にFacebookアカウントを作るとBANされにくいという情報が寄せられました。

Facebookのアカウントがないと文字通り何もできないので、この点のみは注意です。

一言苦言を呈させていただければ、ゲームのアカウントとFacebookのアカウントを同一にする必要があったのかどうか私は疑問です。

万が一FacebookのアカウントがBANされると購入したアプリも使えなくなってしまい、誤BANが少なからず報告されている現状では、購入したアプリの没収と直結しています。

全く関係ないSNSのアカウントが停止されただけで、総てのアプリが使えなくなると言うのはかなりの恐怖を感じます。

SNSとVR機器のアカウントを紐付ける必然性が全く理解できません。

Facebook側でVRChatのような機能が用意されているわけでもなく、現状、ユーザーにとってのメリットがまるでありません。

親会社であるFacebookのエゴと批判されてもやむを得ないのではないでしょうか。

特にアプリの没収に関しては消費者庁案件にもなりうるので、早急に改善してほしいところです。

※ 巷では、Oculus Quest2でのアクティビティ(使用履歴)がFacebookで公開されるのが嫌だという意見も多いようです。ただし、こちらはアクティビティの公開設定で「自分のみ」に設定しておけば公開されません。

この一点のみが問題ですが、そこを除いて、価格も使い勝手も性能も非常に素晴らしい隙の無いVRHMDだと思います。

特に価格は単体VRHMDでありながら、PC用のVRHMDとして使用できるにも関わらず、64GB版が37,300円というほとんどのPC用のHMDより安価で高性能となっています。

さらに解像度に関しては片目1,832×1,920と価格がフルキットで12万5800円(税別)の超高級機であるValve Indexが1440×1600であることを考えると別次元の性能と言っても良いと思います。

Facebookアカウント問題が解決すれば、市場がQuest2一色に染まってもおかしくない製品だと思います。

 

 

※ amazonは現在、入荷待ちですが、待てば通常価格で手に入りますので、転売屋からは購入しないようにしましょう。

64GB版=37,180円

 

256GB版=49,280円

 

オプション エリートストラップ

 

 

 

  • B!