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レポート:RTX 3070も限られた量しか供給できないため、NVIDIAは需要のわずか7.4%をしか満たしているに過ぎない

更新日:

この記事は単一のデータソース(Proshop)に基づいています。

しかし、これはあくまでも1つのデータであり、市場の状況を表しているとは言えませんので、注意が必要です。

とはいえ、複数の情報源から聞いたところによると、これはかなり堅実な数字であり、ほとんどの中小規模の小売業者の状況と、NVIDIA GPUが現在直面している深刻な需給のミスマッチを密接に反映しているとのことです。

ProShopのデータ:NVIDIAは、需要の7.4%しか満たしておらず、RTX 3070は、同様に限られた数しか供給できない。

ProShopは、DIY市場を定期的に扱っている大規模なネット小売業者であり、他の小売業者とは異なり、様々なメーカーとの供給ラインの現状を公表してくれています。これにより、NVIDIA GPUのサプライチェーンの状態を垣間見ることができ、少なくともドイツ/デンマークの中小規模の小売業者にとっては、将来の状況を予測することができます。

提供されたデータによると、同社は様々なAIIBに合計15117個のNVIDIA RTX 3000シリーズGPUを発注しているが、現時点では1112個のGPUしか受け取っていない(または受け取る予定)という。

つまり、NVIDIAの各種AIBからの需要の7.4%しか受けていないことになる。

ProShopからのデータ一式(執筆時点)を、変数の説明とともに以下に示す。

説明:

  • 顧客からの注文:現在の顧客注文のうち、まだ納品されていないものの数。現時点でキャンセルされている注文は含まれません。
  • メーカーへの注文数:Proshopがメーカーに発注したグラフィックカードの数。
  • 入荷カード数:メーカーからProShopに届いているグラフィックカードの枚数を表示しています。
  • 入荷枚数:メーカーからProShopに届いたグラフィックカードの総数。Proshopが発売以来、メーカーから受注し、顧客に出荷した
  • グラフィックカードの総枚数:*2020.10.29 14:00発売の3070シリーズは含まれていません。(本日の入荷枚数ではありません)

 

 

NVIDIA RTX 3070の需要対供給は6.7%(ProShop発表)

ブランド モデル 顧客から
の注文
メーカーへ
の注文数
入荷数 入荷数
(累計)
ASUS RTX 3070
STRIX
0 300 0 0
ASUS RTX 3070
STRIX OC
0 340 40 20
ASUS RTX 3070
DUAL
0 300 0 0
ASUS RTX 3070
DUAL OC
0 340 40 0
ASUS RTX 3070
TUF
0 300 0 0
ASUS RTX 3070
TUF OC
0 600 100 0
MSI RTX 3070
GAMING X TRIO
0 300 0 20
MSI RTX 3070
VENTUS 2X OC
0 200 0 28
MSI RTX 3070
VENTUS 3X OC
0 200 0 18
Gigabyte RTX 3070
EAGLE
0 100 0 0
Gigabyte RTX 3070
EAGLE OC
0 300 5 5
Gigabyte RTX 3070
GAMING OC
0 300 0 15
Inno3d RTX 3070
Twin X2
0 300 0 0
Inno3d RTX 3070
Twin X2 OC
0 300 0 0
Inno3d RTX 3070
Ichill X3
0 50 0 0
Inno3d RTX 3070
Ichill X4
0 50 0 0

新たに発売されたRTX 3070について、ProShopは様々なAIIBに合計4280個のGPUを発注したが、そのうちの291個のGPUしか受け取っていない(この記事を書いている時点では受け取る予定)。

これは、供給対需要の充足率が6.8%に相当する。

つまり、NVIDIAは現在、このデータに基づいて需要の10%未満しか満たすことができないようですが、これには明らかに2つの注意点があります。

1) Amazon、BestBuy、Walmartなどのような巨大な小売店では、理論的に数字がかなり異なって見える可能性があります。

また、同社はTSMCの7nmへのシフトを計画しているのではないかという噂もありますが、これが本当ならば、Samsungの8nmの歩留まりに問題があるということになります。

私たちのレポートによると、NVIDIAによって注文された大量の供給が開始されると、2021年の初めに供給が大幅に改善され、この満たされていないすべての需要のかなりの部分を満たすことができるはずです。-もちろん、マイニング需要は関係ありません。

 

 

NVIDIA RTX 3080の需要対供給は6.9%(ProShop発表)

ブランド モデル 顧客から
の注文
メーカーへ
の注文数
入荷数 入荷数
(累計)
ASUS RTX 3080
TUF
1062 2000 0 30
ASUS RTX 3080
TUF OC
990 2000 57 78
ASUS RTX 3080
STRIX
105 300 0 0
ASUS RTX 3080
STRIX OC
401 800 60 40
Gigabyte RTX 3080
AORUS Master
26 205 5 16
Gigabyte RTX 3080
AORUS Xtreme
79 205 5 0
Gigabyte RTX 3080
EAGLE OC
135 500 0 15
Gigabyte RTX 3080
GAMING OC
141 500 0 139
Gigabyte RTX 3080
VISION OC
40 200 0 15
MSI RTX 3080
GAMING TRIO 10G
43 200 0 0
MSI RTX 3080
GAMING X TRIO 10G
490 1005 5 46
MSI RTX 3080
VENTUS 3X 10G
39 200 0 0
MSI RTX 3080
VENTUS 3X 10G OC
126 510 10 100
Inno3d RTX 3080
Twin X2 OC
26 200 0 0
Inno3d RTX 3080
Ichill X3
10 50 0 0
Inno3d RTX 3080
Ichill X4
20 50 0 0

RTX 3080については、ProShopは様々なAIIBに合計8925個のGPUを注文したが、そのうちの621個のGPUしか受け取っていない(この記事を書いている時点では受け取る予定)。

これは、需要に対する供給の充足率が7.0%であることを示している。

リテール側では、ProShopは現在、顧客からの予約注文が3733件に達している(つまり、予約注文の84%を満たすことができないということだ)。

 

 

NVIDIA RTX 3090の需要対供給は10.4%(ProShop発表)

ブランド モデル 顧客から
の注文
メーカーへ
の注文数
入荷数 入荷数
(累計)
ASUS RTX 3090
TUF
47 200 0 7
ASUS RTX 3090
TUF OC
40 60 10 16
ASUS RTX 3090
STRIX
9 100 0 0
ASUS RTX 3090
STRIX OC
118 342 42 45
Gigabyte RTX 3090
AORUS Master
4 100 0 0
Gigabyte RTX 3090
AORUS Xtreme
26 100 0 0
Gigabyte RTX 3090
EAGLE OC
15 300 0 5
Gigabyte RTX 3090
GAMING OC
4 300 0 21
Gigabyte RTX 3090
TURBO
0 10 0 0
MSI RTX 3090
GAMING TRIO 24G
3 50 0 0
MSI RTX 3090
GAMING X TRIO 24G
11 110 0 23
MSI RTX 3090
VENTUS 3X 24G
8 50 0 0
MSI RTX 3090
VENTUS 3X 24G OC
2 100 0 31
Inno3d RTX 3090
GAMING X3
3 50 0 0
Inno3d RTX 3090
Ichill X3
0 20 0 0
Inno3d RTX 3090
Ichill X4
0 20 0 0

RTX 3090については、ProShopは様々なAIIBに合計1912個のGPUを注文したが、そのうち、同社はまだ200個のGPUしか受け取っていない(または、この記事を書いている時点で受け取る予定である)。

これは、総計で10.5%の需要に対する供給の充足率に相当する。

小売店側では、ProShopの顧客の予約注文は現在290件に達している(つまり、すでに31%の予約注文を満たすことができていない)。

ソース:wccftech – Report: NVIDIA Only Meeting 7.4% Of Demand Right Now, RTX 3070 To Have Limited Quantity As Well

 

解説:

Ampere供給問題

深刻さを増すAmpere供給問題ですが、RTX3070に関しても同様の状況が続きそうです。

本来、顧客への対応と言うのは小売店側の仕事なのですが、発注数に対して入荷数があまりに少なすぎるため、デンマークの小売店Proshopがキレて、発注数と入荷数、納品数を公開しました。

それを海外のリークメディアが一斉に報道して、発注数に対する入荷数が詳らかになってしまいました。

基本的に入荷の絶対数は規模によりますがバックオーダーの割合はどこの店も大差はないと思います。

正直こういうのはあまり良くないとは思いますが、何度も同じことを聞かれる小売店側の気持ちもわからなくはないです。(苦笑

毎日毎日同じ内容の問い合わせが何度も何度も入ってきたら「うちらのせいじゃねえ」と言いたくなるのもわかります。

生産計画と言うのはそう簡単に変更できるものではないので、nVidiaはこの事態を予見していたと思いますし、Turingの時もほとんど同じ状況でした。

Turingの時は年明けにこの状況が改善されましたが、Ampereはどうなるのでしょうか。

不確定情報ですが、nVidiaがSamsungの生産能力に不満を持っているとも伝えられていますが詳細は不明です。

こうした噂と、TSMCの生産能力がどのくらい余裕があるのか調べた人から、7nm版Ampereが出るのでは?と言う噂が流れるのでしょうね。

元々設計は7nmだったとも伝えられています。

Samsungに限らず、8nmは10nmの改良版で表記上1nmしか違いはありませんが、7nmとは0.5世代くらいの格差があります。

そのため、本当に7nm版Ampereが出るとしたら主に電力効率の面でかなりの差になると思います。

私は今のGA102が300Wを超えたのは7nmの製品を無理やり8nmで出したからだと思っています。

理由は同じ世代のA100がTDP250Wとしているからです。

もちろんゲーム用とは違いますが、ここまで無理をする必要があったのは本来7nmで製造するはずのものが8nmで生産されたからでは?と思っています。

しかも、冷却に関する条件は一般向けではないA100の方が有利なはずです。

7nm版Amere、具体的に言えば、GA102、GA104ですが、それが存在するならば、RTX3090もRTX3080も300W以内に収まるのではないかと思っています。

事実7nm+で製造されているといわれているRX6900XTはブーストクロック2.4GHzで、ゲームクロックが2.1GHzとかなり高くなっています。

nVidiaは競合にスペックで勝つことに偏執的な、異常なまでのこだわりを見せることがありますので、このまま黙って見ているのかなと思わなくはないです。

Samsungとの関係もありますが、GA106以下のGPUをSamsungで生産すれば特に問題はないのでは?と思います。

ラインナップ全体のイメージを左右するのはなんと言ってもフラッグシップモデルですからね。

何もなければこの問題は来年にはこのまま供給が回復して落ち着くと思いますが、7nm版Ampereが出るのならばひと悶着ありそうですね。

私としては同世代の同チップの製造プロセスを途中で変更するという実績を作ってほしくはないかなと思います。

これをメーカー側がやると以降、「何でもあり」になってしまいますからね。

 

 

  • B!