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何が何でもintelをかばう人たち

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※ intelはいっテル?

今からずっと昔、Pentium4が発売されたころの話です。

※ Pentium4は2000年に発売されました。

Pentium4はNetburstアーキテクチャーという方式で設計されており、高いクロックで動作するのが特徴でした。

結論から先に書くとこの設計はぶっちゃけた話、失敗でした。

 

1GHz競争で負けたPentium3のコンプレックスから生まれたPentium4

AMDが最初のAthlonを出したとき、intelはマザーボードメーカーに強烈な圧力をかけて、Athlon用のマザーボードを出さないようにさせたといわれています。

後にAMDはintelを独禁法違反で訴えます。

この時の経緯がネット上に残ってないかと思って検索したら、ありました。

参考:スラド – AMDがIntelを独禁法違反で提訴

このようにきな臭い船出をしたAthlonですが、いくつか世代を重ねながら、当時のintelのPentium3と熾烈な性能競争を繰り広げました。

俗にいう1GHz競争です。

1GHz競争とはその名の通り、史上初、1GHzで動作するプロセッサを発売する競争のことです。

この競争に勝ったのは実はAthlonでした。(笑

当時のintelとしてはこの競争に負けたのはかなり衝撃的だったの思います。

 

そこでintelは「高いクロックで回るように設計すれば、もう負けないんじゃね?」と考えたのかどうかわかりませんが、非常に高クロックで動作するプロセッサを設計し、発売しました。

当時、intelは「Netburstで10GHzを目指す」といっていました。(笑

※ のちに撤回されます。

こうして生み出されたPentium4はクロックは高クロックまで回るのですが、IPCが低く、「もっさりしている」「性能が良くない」と不評でした。

初代のPentium4は130μmの製造プロセスで製造されていましたが、2004年に90μmの製造プロセスに移行します。

※コメントでご指摘をいただき、訂正します。正しくは180μmです。ご指摘をいただいた方、ありがとうございます。

折りの悪いことに、この製造プロセス90μmは、このころからCPU内部のリーク電流(配線間の間隔が短すぎて、電子が隣の配線に移ってしまい、消費電力が大きくなる現象)に悩まされるようになってしまいます。

そのため、Pentium4は「なんか動作がもっさりしているうえに、爆熱」とユーザーから避けられるようになります。

さらに悪いことに、当時intelはDDRからRDRAMへの転換をしようとしていましたが、ライセンス料が高かったため、DRAMメーカーは移行を嫌がり、RDRAMの対抗としてDDR DRAMを原価か、もしくはそれより安い価格で発売し、RDRAMを市場からおいだしました。

RDRAMは当時一般的だったPC133SDRAMより2-3倍も高い価格で売られていました。

これでは誰もついてくるわけないですよね。

こうした、設計の失敗と製造プロセスのトラブル、そしてメモリ政策の失敗からPentium4は散々な結果になりました。

余談ですが、AMDものちにBulldozerと呼ばれるPentium4のように高クロックで回るCPUを発売しますが、性能が低く、AMDは倒産の危機になるほど業績を悪化させます。

この「IPCを度外視して高クロックで回す」という設計はあまりよくないということが二重に証明された形になりました。

AMDは90μmの問題をIBMから移ってきた技術者のもたらしたSOIという製造技術で解決し、さらにAMD64という64bitの命令を備えたAthlon64を発売します。

AMD64(x86-64)はマイクロソフト社から支持され、現在に至る64bit Windowsの標準になりました。

intelにとってはまさに悪夢の時代だったと思います。

あれほど優秀で巨大な企業にも関わらず、1GHzと64bit命令という2つの巨大なマイルストーンを小物に過ぎないAMDに取られたのですから(笑

というより、当時intelの作っていたItaniumはx86と互換性の無い64bit命令を採用していたのですが、当然互換性が無いのでOSメーカーにとってはかなりの負担だったのだと思います。

※このItaniumはすでに生産停止され、シリーズは打ち切られています。

こうした経緯の中、Pentium4は販売され続けて、当然のことながら、ユーザーはAthlonXPやAthlon64、Athlon64x2に群がります。(笑

不思議なことに大手のWEBメディアのレビューはPentium4は優秀だ、Pentium4の方が優れているともとれるようなレビューであふれかえっていました。

当時のintelの市場支配力は決定的で、intelのためにポジショントークする人たちは相当の数いたのです。

こうしたレビューは当時私が出入りしていた2ch(現5ch)では提灯記事をもじって「超珍レビュー」と呼ばれ、ネタになっていました。

超珍レビューの捏〇度合いによって前頭、とか大関とか相撲の番付がレビュアーにつけられるようになりました。(笑

 

この提灯レビューは大人の事情って奴である程度仕方ないところがあったと思います。

当時私はそういうことに頭が回らなかったので、憤慨したり面白がったりしていましたが、今考えると、広告をもらったりなど、利害関係者がポジショントークせざるを得なかったのは仕方なかったのだと思います。

 

さて、時代は進み、intelにとっては悪夢の、屈辱の64bit命令標準化を共同で開発したジム・ケラー氏がAMDに戻って新しいCPUを設計しました。

それがRyzenです。

Ryzenはintelをマルチコア競争に引きずり込み、今に至る状況を作り出します。

まだ発売されてないRyzen3000シリーズがどのような性能になるかは断言できませんが、きっと面白い結果になるでしょう。

何より、amazonがZen2コアのサーバー向けCPUであるEPYCを大量に導入したことでも話題になりましたし、GoogleのSTADIAのサーバーもZen2コアのEPYCとGPUはNaviです。

さらにPS5と次世代Xboxに採用されることも決定しており、あとは発売を待つだけの状態です。

ゲーム機でいえば、どこの陣営が勝ったとしても世界で一番売れるCPUはZen2コアを採用したCPUになるでしょう。

AMDは信頼性が低いといわれていますが、うちのサイトはゲーミングPC向けの解説サイトなので、ゲームに使う分には十分な信頼性です。

一般的な使い方として、GoogleやAmazonがサーバーに使う以上の信頼性が求められるんですかね?疑問です。

私は素面では偏った意見を言えるほどメンタルが強くないので、偏った意見を書くときは茶化したり、冗談めかしたりします。

しかし、世の中には真面目にポジショントークできる変わった人も中にはいるんでしょうねえ。(笑

 

さて、時代は進みネットが常識になり、変な意見や偏った意見を発信すると瞬く間に広がるようになりました。

Pentium4が発売されていたころは、ネットを見ながら怒ったり笑ったりしていた私ですが、今度は利害関係が無いところから、新しい超珍レビューが生まれるのではないかと期待しているところです。

あの時の夢よもう一度・・・・・(笑

 

誤解の無いように追記しておきますが、intelはとても安定していて優秀で優良な巨大企業で、そのintelが出す製品も優秀だと思います。

この記事はintel製品の優秀性を揶揄したり、疑問符を突き付けるために書かれたものではありませんので、念のためお断りさせていただきます。

個人的にはトムとジェリーみたいに仲良くケンカしてほしいです。

 

 

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