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AMD次世代「Zen7」版Ryzenは最大32コア・3D V-Cache版を検討中、頻度は7.2GHz超えも視野に──さらに次のZen8は「大改革」の噂

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■事実

AMDは2026年7月末開催のAIイベント(Advancing AI 2026)で、Zen6に続くZen7・Zen8までのアーキテクチャロードマップを公式に確認しました。

Zen6は2nm(TSMC N2)プロセスを採用し、サーバー向けEPYC「Venice」が先行投入済み。デスクトップ向けRyzen(Zen6世代)は2027年初頭のCES前後での発売が見込まれています。

著名リーカー「MLID(Moore’s Law Is Dead)」が数日前、Zen7世代のEPYC情報を公開:TSMCの次世代プロセス「A14」(1.4nmクラス)採用、最大384コア、IPCはZen6比15〜25%向上との見立てです。

MLIDは続報として、Zen7版Ryzenの情報も公開。デスクトップ向けコードネーム「Grimlock Ridge」は最大32コア64スレッド構成されています。

CCDは2種類の構成が用意される見込みで、ハイエンド向け「Silverton」です。(16コア、L2キャッシュ32MB、L3キャッシュ64MB、3D V-Cache追加時は1CCDあたり224MB)、エントリー向け「Silverking」(8コア、L2キャッシュ16MB、L3キャッシュ32MB、3D V-Cache非対応)

Silverton×2CCD構成の場合、3D V-Cache版では合計448MBという大容量L3キャッシュが実現する可能性です。

クロック速度については7GHz超えを目指しているとの情報もあるが、MLID自身も確定情報ではないとしています。

プラットフォームはAM5ソケットを継続利用する見込み。AMDは2026年6月のComputexでAM5のサポート期間を2029年まで延長すると発表済みです。

Zen7のテープアウト(設計完了)目標は2026年10月、実際の製品リリースは2027年後半〜2028年初頭になる見込みとの情報がある一方、AMD公式のEPYCロードマップでは「Zen7 Florence」を2028年投入と明言しています。

一般ユーザー向けRyzen(Zen7世代)は、EPYCが先行し後追いする従来パターンを踏まえると2028年後半〜2029年頃になると予想されています。

Zen8については、AMD公式ロードマップで「2030年投入」の第8世代EPYC「Ravenna」が「開発中(In Development)」との位置づけで言及されています。

別のリーク情報では、Zen8のコードネームは「Penelope」、Zen9は「Nemesis」とされ、いずれも新ソケット「AM6」への移行、DDR6・PCIe Gen6への対応が見込まれています。

AM5は2022年のZen4(Ryzen 7000シリーズ)から採用されており、Zen7まで含めると最大4世代(Zen4・Zen5・Zen6・Zen7)にわたって同一ソケットが使われることになります。

比較表(Zen7 CCD構成)

CCD名称 コア数 L2キャッシュ L3キャッシュ(通常) 3D V-Cache追加時 想定用途
Silverton 16コア 32MB 64MB 1CCDあたり224MB EPYC・ハイエンドRyzen
Silverking 8コア 16MB 32MB 非対応 エントリー・ノートPC向け

※Silverton×2CCD構成(32コア)の場合、3D V-Cache版では合計448MBのL3キャッシュになる計算(未確定情報)

ロードマップ比較表

世代 プロセス 主な特徴 EPYC投入時期 Ryzen投入時期(予想)
Zen6(Venice/Olympic Ridge) TSMC N2(2nm) AM5継続、iGPU廃止・NPU搭載の噂 2026年(発表済み) 2027年初頭(CES前後)
Zen7(Florence/Grimlock Ridge) TSMC A14(1.4nmクラス) 最大32コア・448MB 3D V-Cache、7GHz目標 2028年(公式ロードマップ) 2028年後半〜2029年(予想)
Zen8(Ravenna/Penelope) 未確定 AM6移行、DDR6・PCIe Gen6対応 2030年(「開発中」表記) 2030年後半〜2031年(予想)

 

解説

快科技の見出しにある「頻率冲7.2GHz」(クロック7.2GHz突破)は、MLID発の未確定情報の中でも特に不確実性が高い部類に入る。クロック速度の長期リークは過去に外れた例が多く、話半分で見ておきたい数字だ。

32コア・3D V-Cache版448MBという構成が実現すれば、単純な数値としては現行Ryzen 9000X3Dシリーズ(最大128MB程度)を大きく上回る。ただし「キャッシュを積めば積むほど性能が上がる」わけではなく、実際のゲーム性能への転化率はワークロード次第という点は毎回強調しておきたい。

AM5ソケットが2022年から2029年(少なくとも)まで7年間使われ続けるという長期戦略は、GPUで言えばNVIDIAのFEコネクタ問題やIntelのソケット頻繁変更と対照的で、AMDの数少ない「長所」として評価できる部分だ。

一方でZen8でAM6への移行が噂されている点は、AM5の長期サポートが「永遠に続くわけではない」ことの裏返しでもある。DDR6やPCIe Gen6が「本当に意味を持つ」タイミングまでは引っ張るという方針をAMD自身が示しており、ユーザー側は慌てて次世代ソケットを心配する必要はなさそうだ。

Zen7のSilverton/Silverkingという2チップレット戦略(ハイエンド16コア・エントリー8コアの明確な棲み分け)は、歩留まりとコストのバランスを取る堅実な設計判断に見える。派手な32コアの数字だけでなく、こうした地味な製造戦略の合理性にも注目したい。

MLIDのリーク自体の信頼性については、以前Zen6「Venice」のレンダリング画像が後にAMD CEOのリサ・スー氏本人が持ち上げた実機とほぼ一致していたという実績がある。今回のZen7情報も同じチームの手法によるものなので、頭ごなしに切り捨てるべきではないが、あくまで2028年ローンチ予定の製品であり、設計は今後大きく変わりうる段階の情報である点は繰り返し断っておく必要がある。

Zen8が「大改革」と噂される背景には、AM6移行・DDR6対応という土台の変更に加え、Zen7自体がすでに「Zen6の延長線上にない」設計思想(新マトリックスエンジン、L2キャッシュ倍増など)を取り入れているという情報がある。つまりZen7で一度大きく舵を切った上で、Zen8でさらにもう一段階の変革を行うという、AMDにしては珍しい「連続大改革」のロードマップになっている。

半導体業界こぼれ話的に言えば、「次のアーキテクチャは大改革」という煽り文句はほぼ毎世代出てくる常套句でもある。実際にPC Watchの大原雄介氏はZen6について「大変革」と騒がれたことに対し、公式文書を冷静に読み解くと構造自体はさほど変わらないと指摘していた。Zen8についても同様に、正式資料が出るまでは眉に唾をつけて読む姿勢を崩さないでおきたい。

IntelがNova Lake-Sで型番を4桁に戻すなど迷走気味な一方、AMDはこの数年「Zen◯」という単純明快な命名を維持し続けている。ブランディングの一貫性という点では、現時点でAMDに軍配が上がっている。