■事実
対象ビルドとチャンネル
対象はCanary 29500シリーズチャンネルのInsiderユーザーで、同チャンネルはWindows Insiderのチャンネル再編にともない「Experimental(Future Platforms)」へ移行中です。
CanaryチャンネルはInsider再編で名称変更中で28000シリーズ→Experimental(26H1)、29500シリーズ→Experimental(Future Platforms)となっています。
2026年4月25日、Windows 11 Insider Experimental(Future Platforms)Preview Build 29576.1000がリリースされました。
タスクマネージャーのNPU監視機能
GPUにNeural Engine(GPU内蔵型の推論処理ブロック)が含まれる場合、パフォーマンスページにもそのエンジンが表示されるようになります。
新列はいずれもオプション表示。タスクマネージャーの列ヘッダーを右クリック→メニューから追加する方式です。
プロセス・ユーザー・詳細ページに追加される新列(任意表示)は以下の通り
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- NPU列はプロセスごとのNPU使用率を表示します。
- NPU Engine列はそのプロセスが使用しているNPUエンジンを識別します。
詳細ページにのみ追加される列(任意表示)は以下の通り
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- NPU Dedicated Memory列はプロセスが占有しているNPU専用メモリ量です。
- NPU Shared Memory列はNPUとシステムで共有しているメモリ量です。
Isolation列の追加
プロセス・詳細ページにIsolation列(任意表示)が追加されます。
AppContainer(Windowsのサンドボックス隔離機構)内で動作しているアプリを識別するための列です。
対応ハードウェア
GPU Neural Engine表示はAMD・Intel・NVIDIAの現行世代GPUが持つ統合型Neural Engine/Tensor Coreブロックが対象となります。
NPU列はNPUを搭載するPCが対象:Intel Core UltraシリーズのAI Boost、AMD Ryzen AIシリーズ、Qualcomm Snapdragon X搭載機などです。
解説
「ブラックボックス」がようやく開いたということで、これまでのタスクマネージャーはCPU・RAM・GPUは可視化できたが、NPUについては全くの空白だった。NPU搭載PCが普及して2年以上たつのに「動いているのかいないのか」すらわからない状況が続いていたということでもある。
GPUのNeural Engine表示が実は重要であるということで、NPU専用チップを持たないPCでも、現行世代のGPU(RX 9000シリーズ、RTX 5000シリーズ、Arc Bシリーズなど)はNeural Engine的なブロックを内蔵している。これがパフォーマンスページに表示されるようになることで、AI推論が「CPUで動いているのか・GPUのNeural Engineで動いているのか・専用NPUで動いているのか」をユーザーが初めて把握できる
Copilot+ PCの「お題目」に実体が伴ってきたということでねNPUを40TOPS以上搭載することを条件とするCopilot+ PCの認定が始まったのは2024年。それ以来「NPUが何をしているのかわからない」という批判は根強かった。今回のタスクマネージャー強化はその批判への、遅すぎるが確かな回答
開発者・上級ユーザーへの実用的な意味は、ローカルLLMやStable Diffusionなど、AI推論をローカル実行するアプリが増える中、どのプロセスがNPUを占有しているか・メモリをどれだけ使っているかはデバッグや最適化に直結する情報であるということだ。これが標準ツールで見られるようになる意義は小さくない。
Isolation列のセキュリティの観点から見ると、AppContainerは通常のサンドボックスより強い制限がかかる実行環境だ。どのアプリがその中で動いているかがひと目でわかると、不審なプロセスの監視やセキュリティ確認が楽になる。
まだExperimentalチャンネルの段階で、今回はInsider向けの先行実装であり、安定版Windows 11への降り方は未定だ。ただ、Copilot+ PCの普及ペースを考えると、正式リリースは時間の問題とみていい。
「NPUが何をしているかわからない」は、Microsoftがハードウェア要件を押しつけながら説明責任を果たしていなかった典型例でもある。タスクマネージャーで見えるようになるまで2年かかった、というのは何とも遅い話である。
今までこうしたツールはメーカー謹製のCLIしかなかったが、それがGUIで可視化され、利便性が上がったという話だ。
批判的な論調で話をしたが、Linuxにはまだ同様のツールは存在していない。
この辺りが一般人も使う社会のインフラとして広く流通しているツールとしてのPCに求められる役割の違いだろう。
ただ、Linuxが同じだけのユーザビリティを持っているかといえば答えはノーである。これはパワーユーザーを自称する人たちには覚えておいてほしいことだ。
- ソースURL:
https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/experimental-future-platforms/preview-build-29576-1000