※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージです。必ずしも現実を反映しているわけではありませんのでご注意ください。
■事実
CPU不足の現状
最も不足しているのはIntelの2022年世代「Raptor Lake」シリーズで、コストパフォーマンスの高さから根強い需要があります。
メモリ不足との違い:メモリは高値ながら数量限定で購入できるが、CPUは「価格を問わず入手不可能」な製品が出ています。
Intel CFO デビッド・ジンスナー氏は「Q1 2026がサプライ面での最も厳しい時期」とし、Q2以降は改善見込みと発言しています。
Intel公式コメントは「Q1は在庫が最低水準だが積極的に対応しており、Q2以降の供給改善を見込む」というものです。
AMD CEO リサ・スー氏も「2026年のサーバーCPU需要は引き続き強い」と述べ、TSMCとの多年度キャパシティ計画に取り組んでいると発言しています。
IntelとAMDのCPU価格がここ数ヶ月で10〜15%上昇しており、すでに未発売品が定価を大幅に上回る価格で流通しています。
AMD Ryzen 9 9950X3D2のMSRPは$899だが、Amazonでは$999(+$100)で掲載されています。
Intel Core Ultra 200S Plusシリーズも正式発表前からMSRP超えで掲載が確認されています。
CPUの調達リードタイムが従来の1〜2週間から8〜12週間に伸長しており、最悪ケースでは6ヶ月待ちの報告もあります。(Nikkei Asia)
ある情報筋は「リードタイムはもはや意味がなく、待っても入手できる保証がない」と述べています。(Digitimes)
産業用PCへの影響
サーバー・産業用向けに特化する製造業者ほど、CPU確保の困難が事業継続リスクになっています。
2026年の一般目的サーバーCPU需要は前年比約15%増が見込まれるが、Intelの生産能力増加は一桁台にとどまっています。(Nikkei Asia)
産業用PC(IPC)市場においてIntelのシェアは約90%と推定されており、不足の影響が最も深刻しています。
IPC向けCPUは「プレミアム価格を出しても本当に入手できない」と複数の製造業者が報告しています。
Intel 18Aと今後のロードマップ
Intelデスクトップ向け次世代CPU「Nova Lake」は2027年以降に後退しています。(当初は2026年予定)
Nova Lakeの遅れにより、Panther Lake(ノートPC)がIntel 18Aの商業規模実証を担う唯一の主力製品となっています。
Intelはファウンドリ容量不足に加え、CPUパッケージに使うサブストレートの供給不足も抱えており、二重の制約が生じています。
Intelは現状のタイト環境でArrow LakeをPC・産業市場向け主力製品として位置づけているが、Arrow Lake自体も供給優先度の競合が生じています。
Intel 18A(RibbonFET + PowerVia backside power delivery)プロセスは2025年10月に本格量産を開始したが、歩留まりは収益性の観点でまだ不十分です。
Intel CEO リップ・ブー・タン氏は「18A歩留まりは予測可能なペースで改善している。しかし我々が必要とする水準にはまだ達していない」と発言しています。
Intel CFO デビット・ジンスナー氏によると、目標コスト水準への到達は2026年末、業界標準レベルの歩留まり達成は2027年の見込みです。
Panther Lakeはプレミアムセグメント向けとして発売されたが、価格が高く(メモリ高騰との合算)、Wildcat Lake(エントリー向け)搭載機は発売時点での製品ラインナップが少なくなっています。
18Aは複数プロセスの依存関係を持つはPantherLakeはIntel 18A主体だが、TSMC製モジュールも組み合わせたハイブリッド構成です。
Intel 18A初のサーバーCPU「Clearwater Forest」はMWC 2026(3月)で発表し、12チップレット構成で288コアを搭載し、Foveros Direct 3Dパッケージングを採用しています。
背景:なぜCPUまで不足するのか
HP・Dell・ASUSなどがArm系プロセッサの採用検討を進めているとの報道があり、CPU不足がアーキテクチャ多様化を加速させる可能性があります。
Google「TurboQuant」発表による短期的なメモリ価格下落は、アルゴリズムがまだ概念段階であるため一時的なものと業界では見られています。
AIインフラ整備のためにハイパースケーラーやクラウドプロバイダーがCPUを大量調達し、当初予想を超える需要が発生しています。
AIはGPUのみならずサーバーCPUも大量消費する構造であり、サーバー向けCPUの優先配分でPC・産業向けが後回しになっています。
AMDはTSMCに製造依存しているため、NVIDIA・Googleなどとファウンドリ容量を奪い合う構造にあります。
PC市場への波及
IDCは2026年のPC市場は最大9%縮小の可能性もあるとしています。(DRAM価格高騰の影響)
低価格帯Intel CPUは2025年から不足が始まっており、一部メーカーがAMDへの切り替えを進めたが、現在は両社ともに不足状態です。
ノートPCサプライチェーン関係者は「さらなる値上げの即時見込みはない。問題は価格ではなく入手可能性」と発言しています。
ノートPC ODMのQ1 2026出荷は予想を上回ったが、下半期に対するメーカーの見通しは保守的で、通年での出荷減少を予想するメーカーもあります。
解説
産業用PC(IPC)市場でIntelが9割シェアというのは普段あまり注目されない事実だが、工場・医療機器・交通インフラへの影響を考えると、コンシューマーPC以上に深刻な問題になりうる。
AMDは以前組み込みのGeodeという製品のサポートを強引に打ち切った関係で産業関連の信頼を失っている。
Google TurboQuantの発表でメモリ価格が一時下がったのは興味深い現象だったが、「概念段階のアルゴリズム発表で市場が動く」あたり、投資家がいかに出口を探しているかが見える。
「待てば価格が下がる」はメモリで崩れ、「少し待てば手に入る」がCPUでも崩れつつある。コンポーネント調達の常識が根底から書き換えられているのが2026年という年である。
メモリ不足→GPU不足→今度はCPU不足、という「AI需要の波」が半導体コンポーネントを順番に飲み込んでいる。今年はPC1台組むのに全部の部品が揃わない時代になってきた。
「値段が高くても買えない」というCPUの状況は、メモリよりも深刻。価格が高いうちに買える判断ができるメモリと違い、CPUは「探しても存在しない」という段階だ。
IntelのPC向け主力が「Raptor Lake(2022年)」という4年前のCPUというのが現状を象徴している。最新の18A製品は価格が高く量も少ない、Arrow Lakeは評判がいまひとつ、という三重苦だ。
Intel 18A歩留まり問題はずっと言われてきた話だが、「2026年末に目標コスト、2027年に業界標準」という数字は、今年のPC市場が18Aで劇的に改善する期待を持てないことを意味する。個人的にはArrow Lake Refreshで凌ぐ1年になると見ている。
AMDにとっては本来追い風の状況のはずだが、TSMCの容量を巡る競争でAMD自身も影響を受けている。「Intel不振=AMD躍進」という単純な構図が崩れているのが今のサプライチェーンだ。
画像プロンプト
画像プロンプト1: 【英文】photorealistic close-up, multiple CPU processors scattered on a circuit board surface, dramatic low-key lighting, selective focus, deep shadows, blue and orange tones, high tech hardware photography 【日本語】回路基板の上に複数のCPUが散らばるクローズアップ。ドラマチックな低キー照明、青とオレンジのトーン(参照用)