※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージです。必ずしも現実を反映しているわけではありませんので、注意してください。
■事実
Core Ultra 200S Plusシリーズの概要
両モデルとも前世代から4個のEコアを追加され、ダイ間接続(Die-to-Die)周波数を900MHz引き上げられました。
旧来の245Kからの比較でCore Ultra 5 250K Plusはゲーム性能13%向上とIntelは主張しています。
既存LGA1851マザーボードでBIOS更新により対応可能です。
Intel Core Ultra 200S Plusシリーズ(Arrow Lake Refresh)は2026年3月26日に正式発売しました。
Core Ultra 5 250K PlusはLGA1851ソケット対応の18コアCPU(6 Pコア+12 Eコア)、希望小売価格$199で、Core Ultra 7 270K Plusは24コア(8 Pコア+16 Eコア)、希望小売価格$299です。
報告されたCPU誤認識の事象
Core Ultra 7 270K Plusは24コア・24スレッドであるため、名前とコア数が一致しない奇妙な状態です。
Colorful製マザーボード使用時には同じCPUで誤認識は発生しませんでした。
ChiphellユーザーがマザーボードをColorful製からGIGABYTE B860I AORUS PRO ICEへ換装した後、CPU誤認識が発生しました。
購入したのはCore Ultra 5 250K Plusだが、CPU-Z・AIDA64・Windows 11・BIOS画面のすべてで「Core Ultra 7 270K Plus」と表示されています。
ただし各ツールのコア構成表示は「6P+12E(計18コア)」と正確に表示されており、実際のコア数との矛盾が生じています。
原因として疑われるBIOSの不具合
BIOSのSMBIOS Type 4(Processor Information)テーブルで250K Plusのエントリが270K Plusのエントリに誤って紐付けられている可能性が高くなっています。
Core Ultra 5 250KPlusとCore Ultra 7 270K Plusは同一のシリコンステッピング(リビジョン)を共有しており、マッピングが混在しやすい構造になっています。
GIGABYTE B860I AORUS PRO ICEのBIOSリリース履歴ではCore Ultra 200S Plusシリーズをすでにサポート対象と記載されています。
ユーザーはBIOSを最新版に更新済みであるにもかかわらず誤認識が継続されています。
Windowsや各ツールが参照するCPU名称は、CPUの電気的特性からではなくマザーボードBIOSのSMBIOS(System Management BIOS)データから取得される仕組みです。
CPU-Zのマルウェア問題(関連事項)
記事で参照されているCPU-Zの開発元CPUIDのWebサイトが2026年4月9〜10日に不正アクセスを受け、約6時間にわたってマルウェア入りインストーラーが配布されていたことが判明しています。
ダウンロードサイトのAPI(バックエンド)が侵害され、正規インストーラーへのリンクが差し替えられました。
ブラウザの保存パスワードを窃取するSTX RATと呼ばれる情報窃取型マルウェアと特定されています。
現在はCPUIDのサイトは修復済みだが、当該時間帯にダウンロードしたユーザーへの影響が懸念されています。
CPUIDの開発者は「コアバイナリ自体は改ざんされていない」と表明しています。
解説
BIOSバグの技術的な読み解き
Colorful製マザーでは正常に識別できていたことから、問題はCPU側ではなくGIGABYTE固有のBIOS実装にある。
性能や動作に実害はないが、BIOS・OS・ツールすべてが誤った名前を表示するのはファームウェアの品質管理上の問題として覚えおいた方がよい問題だろう。
CPUの「名前」がどこから来るかを理解するのがポイント:CPU本体が「私はCore Ultra 5だ」と叫んでいるわけではなく、マザーボードBIOSがSMBIOOS経由でOSやツールに「このCPUの製品名はこれですよ」と教える仕組みになっている。
250K Plusと270K Plusが同一ステッピングを共有するため、BIOSのCPUID→製品名マッピングテーブルでエントリが重複・誤参照されやすい状況にある。
Intelの判断・品質への疑問
ArrowLakeは元々初代でゲーム性能の低さを指摘されたため、リフレッシュでその修正を行った側面が強い。
Intelは「13〜14世代のビン不良問題」から続く品質への信頼回復途上であり、こうした細かな誤認識報告は印象として蓄積されていく。
同一ステッピングで複数のSKUを差別化する設計自体は珍しくないが、BIOSがその識別を誤るのはファームウェア開発の甘さを示している。
GIGABYTE側は最新BIOSで対応済みと主張しているが、実際には不具合が継続しており、アップデート配信とバグ修正の非同期が問題だ。
「$299のつもりで$199のCPUを買ったら、名前だけはアップグレードされた」——財布には優しいが心臓には良くない。
Intelからの少し(?)早いクリスマスプレゼントかと思ったが、中身は何も変わってないというのはちょっとぬか喜びだ。
CPU-Zマルウェア問題への言及
PC自作・ハードウェアレビュー界隈で必須ツール化しているCPU-Zがターゲットになったことの意味は重い。
ファイルのハッシュ確認など「基本の衛生習慣」の重要性を改めて示す事例だ。
CPU-Zは数億台規模でインストールされている定番ツールだが、今回のサプライチェーン攻撃は「公式サイト=安全」という前提を揺るがすものだ。
被害期間はわずか6時間だったが、VirusTotalで32のセキュリティベンダーが検知するレベルの高度なマルウェアだった。
「名前は270K Plus、中身は250K Plus」——もはや何を信用すればよいのかわからなくなってくる。
最近、マザーボードの不具合が頻発しているが、マザーボード選びはスペックだけでなく、ファームウェアの品質管理も含めた評価が必要だと再認識させるケースだ。
比較表
| 項目 | Core Ultra 5 250K Plus | Core Ultra 7 270K Plus |
|---|---|---|
| コア構成 | 6P+12E(計18コア) | 8P+16E(計24コア) |
| スレッド数 | 18 | 24 |
| Pコアブースト | 5.3 GHz | 5.5 GHz |
| Eコアブースト | 4.7 GHz | 4.7 GHz |
| スマートキャッシュ | 30 MB | 36 MB |
| TDP(基本) | 125 W | 125 W |
| 最大電力 | 159 W | 250 W |
| 定価 | $199 | $299 |