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サムスンのメモリ事業は単独でアマゾン、メタ、マイクロソフトよりも収益性が高く、AI競争の最大の勝者の1つになりつつある。

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■事実

2026年Q1のSamsungメモリ収益

Samsung全社の2026年Q1業績:売上高は約133兆ウォン(約1,000億ドル)、営業利益は約57.2兆ウォン(約430億ドル)でした。

営業利益は前年同期比で約8倍の伸びであり、Q1単体の利益が2025年通期の利益総額を上回りました。

Samsungの利益の90%超がメモリ事業から生まれており、AI駆動のメモリ特需への集中度を示しています。

Counterpoint Researchの報告によると、Samsungのメモリ事業全体の2026年Q1売上高は504億ドル(約7.45兆円)で、業界史上最高を記録しました

内訳はDRAM部門が370億ドル、NAND部門が134億ドルで、両部門が同時に過去最高を更新しました

これは前回のスーパーサイクルのピーク(2018年Q3の189億ドル)と比較して167%増に相当します。

比較対象として挙げられた企業との対比

ソース記事では、SamsungのメモリDRAM部門単体の営業収益が、Amazon・Microsoft・Meta・TSMCの同期間の営業収益を超えたと指摘しています。

この比較はCounterpoint Researchが引用したものであり、AIレースにおいてメモリが生み出す価値の大きさを示す指標として紹介されました。

HBMが牽引役

Samsungは2026年2月、次世代品「HBM4」の量産を世界で初めて開始したと発表しました。

HBM4は業界最高水準の11.7Gbpsの転送速度を持ち、NVIDIAのVera Rubin世代GPUやAMDのInstinct MI355Xへの搭載が見込まれています。

HBM市場ではSK Hynixが先行していたが、HBM4でSamsungがリーダーシップ奪還を目指しています。

Q1のHBM(High Bandwidth Memory)収益は前年同期比で約300%超(3倍以上)増加しました。

増加の主因はNVIDIAへのHBM3E出荷量の急増です。

SamsungはHBM3Eの供給をNVIDIAに本格化させた2025年後半以来、HBM関連収益が急増しています。

汎用DRAM(コモディティ)も同時に高騰

Counterpoint Researchは2026年Q1時点でDRAM価格が前四半期比80〜90%上昇したと報告しています。

Q2 2026の予測:汎用DRAM+58〜63%、NAND+70〜75%(いずれも前四半期比)です。

Samsungの通常DRAMは来年分の生産量がすでに完売状態にあるとされています。

HBMだけでなく、サーバー向けDDR5・LPDDR5Xなどの汎用DRAMも急騰しています。

TrendForceによると、2026年Q1のサーバーDRAMの契約価格は前四半期比で約90%上昇し、史上最大の四半期上昇率を記録しました

PC向けDRAM価格も2026年Q1に前四半期比100%超の上昇と予測されており、過去最大の四半期上昇率となりました。

 

供給不足の構造的背景

IDCによると、2026年のデータセンターが消費するメモリは全世界生産量の70%に達する見通しで、2022年の20〜30%から大幅に増加しました。

IDCは2026年のDRAM供給増加率が16%、NAND供給増加率が17%にとどまると予測しており、いずれも歴史的な水準を下回ります。

AlphabetとAmazonはそれぞれ2026年に1,850億ドル・2,000億ドルという史上最大規模の設備投資を計画しており、このハイパースケーラー需要が供給を圧迫しています。

世界のメモリ生産の約93%をSamsung・SK Hynix・Micronの3社が担っており、この寡占構造が供給ショックを増幅しています。

HBMは通常DRAMと比較して1GBあたり約3倍のウェハー製造容量を消費するため、HBMへの生産シフトが汎用DRAM不足を加速させています。

NVIDIAの最新AIアクセラレーターB300は1基あたり8スタックのHBMチップを使用し、1スタックあたり12枚のDRAMダイを含み(計96ダイ)、DGX B300システム(GPU×8基)では768枚のDRAMダイが必要です。

需要の持続性とLTA(長期供給契約)

Counterpoint Researchは今後DRAM価格の上昇と需要拡大が並行して進むと予測しており、Q1の数字はさらに増加するとしています。

Samsungはハイパースケーラー(クラウドを運営するメガテク企業)との間で5年間の長期供給契約(LTA)の締結を進めており、需要の持続性を担保しようとしています。

 

今後の見通し

HBM4の本格出荷はQ2以降に拡大し、利益の更なる押し上げが期待されまていす。

業界予測によると、Samsungの2026年Q2営業利益は約50兆ウォン、Q3は60兆ウォン超に達する可能性があります。

解説

SamsungがDRAM単体でAmazon・Microsoft・Metaを上回る営業収益を叩き出したという比較は、「AIに乗っかった最大の勝者はGPUメーカーではなくメモリメーカーかもしれない」という視点を与えてくれる。

NVIDIAのGPUが注目を集める一方で、そのGPUを動かすHBMを製造するSamsungがひっそり利益を積み上げているのは、AI産業の「見えにくい恩恵者」を考えるうえで示唆的だ。

消費者目線での影響はPCのメモリ・SSD・スマートフォンはすでに値上がりが始まっており、さらに上昇余地があることを意味し、「今が底」ではなく「まだ上がる」局面である。

5年LTAの締結は、メモリメーカーにとって需要保証であると同時に、価格交渉力の高い大口顧客(ハイパースケーラー)にとっても有利な条件での確保を意味する。中小企業や消費者市場は「交渉力なき購買者」として割高なスポット市場で調達するしかない。

SamsungのHBM4の量産開始とNVIDIAへの供給拡大は、SK Hynixが持っていたHBM市場のシェアに対するSamsungの巻き返しを意味する。この競争激化はHBM価格の長期的な安定にとってプラスに働く可能性がある。

「DRAMの独り勝ち」を一言で表すなら、ハイパースケーラーのAI投資が引き金を引き、メモリ価格という形で全産業に波及したという構図だ。

2018年のスーパーサイクルは「スマートフォンブームによる需要爆発」が主因だったが、今回は「AIデータセンターという単一セクターが世界のメモリ生産の7割を飲み込む」という異質な状況だ。

当サイトでは以前からDRAMショートは構造的・長期的であり「待てば下がる」という消費者の常識が通用しなくなっていると指摘してきた。今回の数字はその裏付けとなる。

過去のDRAMサイクルはメーカーの過剰投資→供給過多→価格暴落という繰り返しだったが、HBM需要の構造的な増加と新工場建設の3〜5年という物理的リードタイムにより、今回の高止まりは2027〜2028年まで続くと見るのが妥当だ。

 

「DRAMはAI時代の石油」という比喩が冗談ではなくなってきており、産油国ならぬ「産メモリ国」の韓国が、AI覇権争いの最大の勝者になりつつある。

AIレースの勝者を問われたとき、「GPUを売る会社」より「そのGPUに刺さるメモリを売る会社」と答えたほうが正確かもしれない。

今まで散々コストカットのあおりや、激烈な競争で赤字を垂れ流してきたメモリ企業がここにきて勝者になる構図はちょっと記憶になく、改めて今がいかに異常な状況なのか思い知らされる。