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Intel Nova Lake-HX、最大28コアでCES 2027デビューへ――AMD Halo対抗馬は「Razer Lake-AX」と判明

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■事実

Nova Lake-HXのコア構成が明らかに

著名なリーカーJaykihnが、IntelのノートPC向け次世代ハイエンドCPUプラットフォーム「Nova Lake-HX」のコア構成をX(旧Twitter)に投稿した。

今回のリークによれば、Nova Lake-HXには少なくとも2つのSKU構成が存在する。

最上位SKUはPコア×8・Eコア×16・LP-Eコア×4の合計28コア構成となる。

Pコアには「Coyote Cove」アーキテクチャ、Eコアには「Arctic Wolf」アーキテクチャが採用される。

第2のSKUはPコア×4・Eコア×8・LP-Eコア×4の合計16コア構成。

Nova Lake-HX全SKUに共通して、Xe3Pアーキテクチャ(開発コード:Celestial)のiGPUコアが2基搭載される。

最上位28コア構成は、現行Arrow Lake-HXが採用する最大24コア構成と比較して、コア数が約16.6%増となる。

AMDの次世代モバイル向けデスクトップ代替チップ「Gator Range」はZen 6コアを最大24コア(2 CCD構成)で搭載するとリークされており、Nova Lake-HXの28コアはこれを上回る。

Nova Lake-HXのTDPは55W前後と報告されている。

デスクトップ版との構成上の差異

Nova Lake-Sデスクトップ版は、デュアルコンピュートタイルにより最大52コア(16P+32E+4LP-E)まで拡張可能とされる。

デスクトップ版にはbLLC(バックレベルラストレベルキャッシュ)が最大288MB搭載される予定で、AMDの3D V-Cacheに対抗するための専用キャッシュ施策と位置づけられている。

モバイルのNova Lake-HXはシングルコンピュートタイル構成に限定され、コア数・キャッシュ量ともにデスクトップ版を大きく下回る。

Nova Lake-S最上位の消費電力は全制限解除時に700Wに達するという報告もあり、現実的な熱・電力制約からモバイル版では2タイル構成が見送られたとみられる。

デスクトップ版とモバイル版でこれほど大きな構成差が生じる背景には、チップレット設計の柔軟性がある一方で、コストと電力の双方でモバイル側に厳しい制約がかかることが要因とされる。

Razer Lake-AXがHaloクラスの対抗馬と判明

Jaykihnは今回のリークで、AMDのHaloクラスAPUへの対抗製品が「Nova Lake-AX」ではなく「Razer Lake-AX」であることを明らかにした。

以前は「Nova Lake-AX」という名称でAMD Strix Halo対抗の巨大APUが開発中と報じられていたが、今回のリークで1世代後の「Razer Lake」世代の派生品として位置づけられることが判明した経緯がある。

Razer Lake-AXのローンチは2027年末〜2028年初頭と予測されており、Nova Lake-HXのCES 2027デビューよりも相当後になる見込みだ。

Jaykihnによれば、Razer Lake-AXのリリース時期は、IntelがNVIDIAのRTX GPUとx86コアアーキテクチャを統合するカスタムSoCの投入時期と重なる可能性があるとされる。

AMD側のHaloクラスロードマップ

AMD側では現在、Ryzen AI Max(Strix Halo)シリーズが高性能統合APUの最上位に位置している。

Strix Haloは256ビットのLPDDR5Xメモリバス、最大40 CUのRDNA 3.5 iGPU、最大128GBの統合メモリを備え、x86プラットフォームでは事実上唯一「外部GPUが不要なレベル」の統合グラフィクス性能を持つ製品として評価されている。

今年(2026年)中にはGorgon Haloと呼ばれるリフレッシュ版の投入が予定されている。

さらにその先、2027〜2028年にはMedusa Haloが登場する予定であり、Razer Lake-AXはこのMedusa Haloを意識した競合製品となる。

IntelがRazer Lake-AXで対抗する頃には、AMDはすでに次々世代の製品を市場に送り出している計算になる。

スペック一覧(リーク情報)

以下はJaykihnが公開したNova Lakeモバイルラインアップ全体の構成一覧。

モデル Pコア Eコア LP-Eコア Xe3 GPUコア TDP目安
Nova Lake-HX(上位) 8 16 4 2 〜55W
Nova Lake-HX(下位) 4 8 4 2 〜55W
Nova Lake-H(上位) 4 8 4 12 〜28W
Nova Lake-H(下位) 4 8 4 4 〜28W
Nova Lake-U(上位) 4 0 4 4 〜28W
Nova Lake-U(下位) 2 0 4 2 〜15W

Nova Lake-HXのローンチタイミング

Nova Lake-HXはCES 2027での発表が有力視されている。

同じタイミングで、NVIDIAのRubinアーキテクチャをベースとする次世代RTX 6000シリーズのモバイル版も登場すると予想されており、ハイエンドゲーミングノートPCはNova Lake-HX+RTX 6000シリーズという組み合わせが主流となる可能性が高い。

OEMの内部ロードマップでは、Nova Lakeは「Core Ultra 400シリーズ」としてブランディングされると報告されている。

IntelはArrow Lake-HXを2026年のリフレッシュ(Core Ultra 290HX Plus / 270HX Plusなど)で延命しており、Nova Lake-HXはその後継として位置づけられる。

Panther Lake(Core Ultra 300シリーズ)にはHXモデルが存在しないことが確認されており、エンスージアストノートPC向けの次の本命はNova Lake-HXとなる。

Nova Lakeのデスクトップ版は2026年後半〜2027年初頭の量産開始が見込まれており、コンピュートタイルにIntel 18AプロセスまたはTSMCのN2ノードを採用するとされる。

現行IntelモバイルHXラインアップとの連続性

現行のIntelノートPC向けハイエンドCPUとしては、2026年に投入されたArrow Lake-HX PlusことCore Ultra 290HX PlusおよびCore Ultra 270HX Plusが最新製品となっている。

Arrow Lake-HX Plusは従来のArrow Lake-HXからビニング改善・クロック向上を行ったリフレッシュ版であり、アーキテクチャ上の刷新は行われていない。

Panther Lake(Core Ultra 300シリーズ)はHおよびUクラスのみが対象となっており、ゲーミングノートや高性能ワークステーションノートで使われるHXクラスの製品は存在しない。

このため、2026年後半から2027年前半にかけての期間は、ハイエンドノートPC市場においてIntelの大きな空白期間となる可能性がある。

DELLのAlienwareシリーズを含む複数のOEMがArrow Lake-HX Plusをベースにしたゲーミングノートをすでに更新しており、当面はこれらが最高性能製品として市場に存在し続けることになる。

解説

HXは28コアになるが、GPU 2コアは貧弱すぎる

Nova Lake-HXが28コアになることは、素直にポジティブな数字だと思います。

現行Arrow Lake-HXから約17%のコア数増であり、AMDのZen 6ベースGator Range(最大24コア)を凌ぐ数字になる。

ただ、冷静に見て気になるのはiGPU構成です。

H/Uモデルが最大12コアのXe3P GPUを持つのに対して、HXはわずか2コア。

HXノートPCでは外部GPUが前提だから割り切った設計とは言え、GPU 2コアだと動画コーデックのハードウェアアクセラレーションや、AI推論のNPUオフロードが効かないシーンが出てくる可能性があります。

せめてH並みの4コアは積んでほしかった、というのが正直な感想。

Arrow Lake-HX PlusでもLP-Eコアは搭載されていなかったため、Nova Lake-HXで初めてモバイルHXにLP-Eコアが追加されることになります。

これがバッテリー持続時間にどれだけ貢献するかは、実機が出るまで不明ですが、期待したい部分ではあります。

「Nova Lake-AX」→「Razer Lake-AX」への棚上げの意味

今回のリークで最も重要だと感じたのは、AMD Strix Halo対抗が「Nova Lake-AX」ではなく「Razer Lake-AX」、つまり1世代後の製品として仕切り直されたことです。

以前のリークでNova Lake-AXは開発が一時「中断」と報じられており、その流れを裏付ける形になっています。

ただ、これを「Intelが永遠に後手を踏んでいる」と批判するのはちょっと違うと思っていて、個人的にはIntelの判断にはそれなりの合理性があると見ています。

そもそもの話、プレミアムクラスのSoCというのは長らくゲーム機専用として供給されてきた特殊なポジションです。

定番製品ラインナップとしてしっかり成立させているのは、強力なブランド力を持つAppleだけというのが現状です。

AMDにしても、Strix Haloが圧倒的な売り上げをあげているかというとそんなことはない。

開発にかかるコスト、製造コスト、そして実際の需要の規模を考えると、今まさに売り上げが必要なIntelの立場からすれば、Haloクラスの優先度がそこまで高くないという判断は十分あり得ます。

ラインナップの中で「高性能のイメージをつける」ためのモデルという側面が大きく、搭載機が軒並み高価格になる点も普及の足を引っ張る要因になっている。

もしこれが単体GPU並みのAI推論性能を持つような尖った設計であれば話は変わってきますが、現状のHaloクラスはどちらかというと「高性能APUとして面白いが、では誰が買うのか」という問いに答えにくい製品です。

本来であれば、さっさと製品を出して「どのくらいの売り上げ余地があるのか」を実際の市場で試してみるべきだったと思います。

ただ今のIntelは業績的にその余裕がない。だから合理性を優先せざるを得なかった、というのが実情に近いのではないかと見ています。

NVIDIAとのSoC統合という最後の賭け

今回のリークで言及された「IntelとNVIDIAのRTX GPU統合カスタムSoC」については、PC GamerなどがRazer Lake世代のさらに先の「Serpent Lake」として報じているものと関連する可能性があります。

NVIDIAのRubinアーキテクチャとIntel x86コアを一体化したAPUという構想は、実現すればCUDAエコシステムをそのままノートPCに持ち込めるという点で、AMDのRadeon統合Strix Haloとは根本的に違う価値を提供できます。

AIワークロードにおけるCUDA依存度を考えると、「NVIDIA iGPU搭載IntelノートPC」という組み合わせは、AMDでは絶対に作れない製品になります。

ただし、これには大きな疑問もある。

NVIDIAはARM SoC「N1/N1X」でWindowsノートPC市場にCPUとして自ら参入しようとしており、同時にIntelとAPU統合でも組む、というのは戦略的矛盾に見えます。

もしNVIDIAがN1/N1Xで成功すれば、IntelのCPUにNVIDIA GPUを搭載するモチベーションはなくなるはず。

逆にN1/N1Xが失敗すれば、Intelとの協業は強化されるかもしれない。

いずれにせよ、このシナリオには不確実性が高く、リーク情報の域を出ていません。

CES 2027は業界の大転換点になる

2026年はIntelにとって「凌ぎ」の年です。

Panther LakeにはHXモデルがなく、Arrow Lake-HX Plusで高性能ノートPCセグメントをなんとかつなぐしかない。

CES 2027でNova Lake-HX+RTX 6000シリーズという組み合わせが実現すれば、それが次世代ハイエンドゲーミングノートPCの定番構成になるわけで、Intelにとっては絶対に失敗できない発表になります。

同時期にAMDもZen 6ベースのGator Range(最大24コア、Radeon統合)を投入する見込みで、CES 2027は文字どおりIntel・AMD・NVIDIAが激突する場になりそうです。

今のIntelはコンシューマ向けCPU事業よりデータセンター(AI)事業を優先せざるを得ない構造的な苦しさがあります。

その中でNova Lake-HXをしっかり出せるかどうかが、「IntelがPC市場のプレーヤーとして生き残れるか」の試金石になると個人的には見ています。

2027年まであと2年弱——Intelにとっては長くて短い時間です。

Panther Lakeが「繋ぎ」であることの問題

見落とされがちですが、Panther Lake(Core Ultra 300シリーズ)にHXモデルがないという事実は、ゲーミングノートPCユーザーには直接的に影響します。

Panther LakeはHおよびUクラスに留まり、Xe3アーキテクチャの新しいiGPUを最大12コア搭載するモデルが登場します。

AI PC的な方向性では面白い製品が出てきそうですが、外部GPUと組み合わせるゲーミングノートの心臓部としては選ばれない。

つまり、2026年後半〜2027年初頭にかけてゲーミングノートを買いたいユーザーは、「古いArrow Lake-HX Plusを選ぶか」「Nova Lake-HXが出るまで待つか」という選択を迫られます。

こういった空白期間は、AMDがRyzen AI 300シリーズ(Strix Point)やその後継で存在感を高めるチャンスでもあります。

IntelはAMDに対して防衛戦を続けながら2027年のNova Lake-HXを目指す状況であり、簡単な道のりではありません。