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AMD RDNA 5最上位「AT0」GPU、ゲーマー向けに限定リリースの可能性——信頼度低めの噂

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2025年末から2026年にかけて相次ぐGPU関連の噂の中に、AMDの次世代アーキテクチャ「RDNA 5」に関する興味深い情報が浮上している。

GPU業界の著名なリーカーであるKepler_L2がAnandtechフォーラムに投稿した内容によれば、RDNA 5の最上位ダイ「AT0」がコンシューマー向け——おそらくはゲーミングセグメント——にリリースされる可能性があるという。

ただし、信頼性は総合55%程度と低く、あくまで噂の域を出ない点に注意が必要だ。

Radeon VIIを彷彿とさせる「限定リリース」モデル

Kepler_L2によれば、仮にAT0がゲーマー向けに出回るとすれば、それは過去のRadeon VIIに近い形になるという。

Radeon VIIは2019年に登場したAMD製グラフィックスカードで、7nmプロセスで製造されたVegaアーキテクチャのGPUダイを採用していた。

このダイはもともとHPC(高性能コンピューティング)向けに設計されたものを転用したものであり、一般向けには限定的な数量しか供給されなかった。

今回の噂も同様の構図——本来はAIや計算処理向けに開発されたAT0ダイを、ゲーミング用途向けに少数だけリリースするというシナリオだ。

同時に「AT0キャンセル」報道も存在

混乱を深めているのは、同じ時期に「AT0フラッグシップチップがキャンセルされた」という相反する報告も出ていることだ。

AMDはRDNA 5に関して公式な発表を一切行っておらず、計画そのものがどのような状態にあるかは外部からは確認できない。

またAMDは、NVIDIAのRTX 5090が占める2,000ドル超の超ハイエンド市場には参入しない方針という見方もある。

表:RDNA 5(UDNA)想定GPU構成(Kepler_L2情報)

GPUダイ Navi 5X (AT0) Navi 5X (中位) Navi 5X (下位) Navi 5X (エントリー)
ポジション フラッグシップ ミドル ロー エントリー
最大コンピュートユニット 96 CU(12,288コア) 40 CU(5,120コア) 24 CU(3,072コア) 12 CU(1,536コア)
最大メモリバス幅 512〜384ビット 384〜192ビット 256〜128ビット 128〜64ビット
最大VRAM容量 24〜32 GB 12〜24 GB 8〜16 GB 8〜16 GB

※情報はKepler_L2のAnandtechフォーラム投稿に基づくもので、AMDによる公式確認はない

RDNA 4で方向転換したAMD、エンスージアスト市場への復帰なるか

AMDが最後にハイエンドゲーマー向けGPUをリリースしたのは、2022年のRadeon RX 7900 XTXまで遡る。

RDNA 3アーキテクチャはAMDが期待していたほどの成果を上げられず、同社はRDNA 4で戦略の大幅な転換を図った。

RDNA 4では旗艦モデルをRadeon RX 9070 XTに絞り込み、599ドルという価格設定で市場に投入。

この戦略は功を奏し、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiや一部ゲームタイトルではRTX 5080にも匹敵するパフォーマンスを発揮し、コストパフォーマンスの高さで評価を得ている(現在の実売価格は700ドル台以上に上昇しているが)。

もしAMDがAT0ベースのエンスージアスト向けGPUを投入するとすれば、それはNVIDIAが強固な支配力を誇るセグメントへの再参入を意味する。

AT0が96 CUを搭載し、512ビットバス、最大32 GBのVRAMという構成であれば、性能面での競争力は十分に期待できる。

仮にAT0が登場しない場合でも、RX 9070 XTより一段上の700〜1,000ドルクラスの製品が登場する可能性はあるとみられている。

2026年はGPU新製品の空白年になりそう

RDNA 5のゲーミング製品は2027年リリースが見込まれており、2026年はGPU市場にとって動きの少ない年になりそうだ。

背景にあるのはメモリ不足問題で、AIサーバー向けHBM(高帯域幅メモリ)需要の急増により、HBMはもちろん、GDDRメモリの供給にも影響が出ている。

この影響でNVIDIAが2026年前半に予定していたRTX 50 SUPERシリーズの投入も遅延しており、2026年後半のリリースも厳しい状況とされている。

IntelのArc B770もキャンセルの可能性が高く、GPUフロントでの新製品は限られた状況が続く見通しだ。

一方でCPU分野は活発で、IntelのNova Lake-Sデスクトップ向けプロセッサーや、AMDのZen 6アーキテクチャを採用した次世代「Ryzen」の詳細が2026年後半に明らかになっていく見込みだ。

解説

まず前提の話から。

RDNA 5はかつて「UDNA」という名称で呼ばれていた。

「U」はUnified——統合という意味だ。

かつてAMDはゲーミング向けに「RDNA」、サーバー・HPC向けに「CDNA」という二つのアーキテクチャを並行開発する、いわゆる「二正面作戦」を取っていた。

この戦略の産物がRadeon VIIだ。

HPC向けに設計されたVegaダイを、無理やりゲーミング用に仕立て直したわけで、結果は「泣かず飛ばず」——パフォーマンス、価格、供給量のどれを取っても中途半端な製品に終わった。

では今回の噂を同じ目線で見るのは正しいか?

個人的には「違う」と考えている。

UDNAという旧称が示す通り、RDNA 5はゲーミングとコンピューティングの両用途を最初から一つのアーキテクチャで賄うことを前提に設計されている。

これはつまり、ソフトウェアの開発リソースが分散しないということだ。

RDNAとCDNAを別々に最適化していた時代とは、エンジニアリングの集中度がそもそも違う。

加えて、ゲーミング向けAI処理の取り込みという観点でも、統合アーキテクチャは大きなアドバンテージになる。

NVIDIAがDLSSで積み上げてきたAI活用の基盤に対抗するには、コンピューティング寄りの設計思想が実はゲーミングにもプラスに働くという逆説が生まれつつある。

これらを総合すると——AT0ベースの上位製品が登場し、かつてのフラッグシップと違う形で一定の成果を上げる準備が、AMDにはすでに整っているのではないかという見方が成り立つ。

要するに、「Radeon VIIの再来」という悲観論は、当時とは全く異なる文脈を無視した判断かもしれない。

今回の噂の信頼度は低いが、それは「AT0が出ない」理由にはならない——AMDのアーキテクチャ戦略そのものは、以前より明らかに上位市場を狙える土台に近づいている、ということだ。