AMDの6コアAPU「Krackan Point」がGeekbench AIベンチマークで発見され、かなりユニークな3+3構成であることが明らかになった。
AMD Krackan Point:「Ryzen AI 5 」APUがGeekbenchで発見される。
AMDの次期「Krackan Point」は、メインストリームユーザー向けのZen 5ベースのラインアップの1つだが、ターゲットとなるのはバジェットセグメントだ。
このラインナップについてはすでに何度かお伝えしているが、今日に至るまで、SKUとその仕様に関する情報はあまり得られていない。
幸いなことに、最近X上でリーク情報が流れ(via @Olrak29_ )、Krackan Pointチップの1つがGeekbenchでベンチマークされたことが明らかになった。
CPUベンチマーク用の通常のGeekbench 6ではなく、NPU専用のGeekbench AIテストだった。
これらのプロセッサが達成したスコアは、単精度で2019点、半精度で1276点、量子化で3773点だった。
テストされたチップは初期のエンジニアリング・サンプルだったため、スコアはベストではない。
それでも重要なのは、ベンチマークされたCPUのスペックだ。
システム情報にあるように、これはASUSのノートパソコンの一部で、AMDエンジニアリング・サンプル:100-000001600-40_Yである。構成を見ると、2つのコアクラスタを持つ6コア/12スレッド CPUであることがわかる。
各コアクラスタは3コア(3x Zen 5、3x Zen 5c)だが、両方のクラスタが同じCCD上にあるかどうかは明らかにされていない。
どちらのケースも考えられるが、AMDのRyzen 5 8500Gが2+4(2x Zen 5 + 4x Zen 5c)構成で6コアすべてを同じクラスタに搭載していることを考えると、ベンチマーク対象のKrackan Point CPUはこれらのコアをデュアルCCDに搭載しているのかもしれない。
これはあくまで推測であり、すべてのコアが同じCCDに搭載される可能性もある。
一部の報道では、これはKrackan Pointファミリーの最下位チップである6コアのRyzen AI 5 340/330 APUに他ならないと言われている。
次に、8コアのRyzen AI 7 350があり、これはラインナップの中でミッドレンジの製品となる。
8コアのRyzen AI 7 300はKrackan Point固有の命名規則であり、8コアのStrix Point CPUにはRyzen AI Proの命名規則があることに留意してほしい。
AMDは、手頃な価格のプラットフォーム向けに2025年初頭にKrackan Pointをデビューさせると予想されており、より良いパフォーマンスと顕著に高いバッテリー駆動時間を実現するためにZ1 Extremeを置き換え、次世代コンソールのRyzen Z2 Extremeチップとして終わるかもしれない。
Strix Pointはゲーム携帯機ではあまり人気がなく、現在、Strix Pointチップを搭載するとされる携帯機は1つか2つしかない。
AMD Ryzen AI 「HX」 APU:
CPU 名 | アーキテクチャー | コア数/ スレッド数 |
クロック (最大) | キャッシュ (合計) | AI 性能 | iGPU | TDP |
Ryzen AI 9 HX 375 |
Zen 5 / Zen 5C | 12/24 | 2.0 / 5.1 GHz | 36 MB / 24 MB L3 |
85 AI TOPs (55 TOPS NPU) |
Radeon 890M (16 CU @ 2.9 GHz) |
28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen AI 9 HX 370 |
Zen 5 / Zen 5C | 12/24 | 2.0 / 5.1 GHz | 36 MB / 24 MB L3 |
80 AI TOPs (50 TOPS NPU) |
Radeon 890M (16 CU @ 2.9 GHz) |
28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen AI 9 HX PRO 370 |
Zen 5 / Zen 5C | 12/24 | 2.0 / 5.1 GHz | 36 MB / 24 MB L3 |
80 AI TOPs (50 TOPS NPU) |
Radeon 890M (16 CU @ 2.9 GHz) |
28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen AI 7 365 |
Zen 5 / Zen 5C | 10/20 | 2.0 / 5.0 GHz | 30 MB / 20 MB L3 |
80 AI TOPs (50 TOPS NPU) |
Radeon 880M (12 CU @ 2.9 GHz) |
28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen AI 7 PRO 360 |
Zen 5 / Zen 5C | 8/16 | 2.0 / 5.0 GHz | 24 MB / 16 MB L3 |
未定 | Radeon 880M (12 CU @ 未定 GHz) |
28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen AI 7 HX 350? |
Zen 5 / Zen 5C | 8/16 | 未定 | 24 MB / 16 MB L3 |
未定 | 未定 | 28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen A 5 HX 330? |
Zen 5 / Zen 5C | 6/12 | 未定 | 20 MB / 12 MB L3 |
未定 | 未定 | 28W (cTDP 15-54W) |
ソース:wccftech – AMD 6-Core Krackan Point CPU Spotted, Will Adopt 3+3 Core Configuration
解説:
Krackan Point6コア版のベンチマークが発見されたようです。
GeekbenchのAIベンチマークなので総合的なCPUの実力は不明なのですが、CPUのコア構成は3+3で確定のようですね。
今のところStrix Pointのみが発売されて高いコスパを誇るといわれるモバイル本命のKrackan Pointはまだ発売されていません。
おそらく、ノートPCへの採用はKrackan Pointが発売されてからが本番だと思います。
Krackan Pointのフルシリコンモデルは12CU768SPでPhoenix Pointと同数といわれていますが、残念ながら今回のリークでははっきりしなかったようです。
私はZen5世代はAPUの方を購入予定です。
APUはゲーム性能が低いですし、dGPUを購入する場合、iGPUの分の価格が無駄になりますが、それでもNPUを使ったアプリを体験してみたいという強い欲求があります。
よらば大樹の陰思考で、WindowsのOSとしてNPUを使ったAI機能が売りになっている以上、極端に対応ソフトが少なくなったりすることはないと考えています。
ゲーム性能はデスクトップ版には遠く及ばないでしょうがその他のアプリで機能に差が付く可能性が高いので、NPUのサポートというのはある程度保障されているのではないでしょうか。
ノートPCとデスクトップの出荷数は7:3の割合でノートPCの方が多いですから、この辺りはいち早くCopilot+対応していた方がお得感があるかなあと思います。