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LenovoのクアルコムSnapdragon X Elite CPU搭載ノートPCの写真が公開、4月20日にデビュー予定

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クアルコムの「Snapdragon X Elite」CPUがついに「非リファレンス」ノートパソコンでデビューした。

LenovoのYoga Slim 7 14 2024とThinkPad T14sの「Snapdragon Edition」は、Snapdragon X Elite CPUを搭載し、Windows AI PCのパフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。

Snapdragon “X Elite “CPUの正式な発売スケジュールに入ったようで、このCPUラインナップを搭載したノートパソコンが間もなく出荷されると予想されている。

これまでクアルコムのCPUは、主にテスト用と消費者向けの展示用のリファレンス・モデルに限られていた。

しかし、XユーザーのWalkingCat氏(@_h0x0d_)が、Snapdragon X Elite CPUを搭載したLenovoのラップトップを初めて公式に公開した。

Snapdragon X Elite CPUは、レノボのYoga Slim 7 14とThinkPad T14S “Snapdragon Edition” 2024に搭載されると報じられている。

この2つのハイエンド・ノートPCは、「フレキシブル」なデザインはもちろんのこと、搭載された機能によって生産性を高めることに特化して設計されている。

残念なことに、WalkingCatはノートパソコンの名前以外のスペックを明らかにしていないため、搭載されるCPUの種類を確認することはできないが、レノボのマザーボードで実行された最近のGeekbenchのリストによると、Snapdragon X Elite-X1E78100の存在が確認されている。

このCPUは、最大周波数3.42GHzの12コア数を特徴としている。

そのため、もしかしたらこのような開発が関連しているのかもしれないが、正式な詳細が発表されるまでは確証はない。

クアルコムは、X EliteのSKUとそれぞれの詳細について明らかにしていない。ベンチマークが公開され、性能の見当がつくようになりましたが、クアルコムがどのような命名法を採用するかはまだわかっていません。

X EliteとX Plusのラインナップのいくつかのモデルがリークされている。

それはさておき、Snapdragon X Elite CPUはラップトップ・セグメントを全く新しいレベルに引き上げることは間違いない。

特にAI性能の点では、クアルコムはオンボードのNPUに関して大きくリードしており、メインストリーム企業よりもはるかに高速だ。

クアルコムの公式フィード(Weibo)によると、最初のノートPCは4月20日のLenovo Tech World ’24の基調講演で発表される見込みのようだ。

2024 AI PCプラットフォーム

ブランド名 Intel AMD Intel AMD Qualcomm Apple
CPU名 Lunar Lake
“Core Ultra 200”
Ryzen 9050
“Strix Point”
Meteor Lake
“Core Ultra 100”
Ryzen 8040
“Hawk Point”
Snapdragon
X Elite
M3
CPU
アーキテクチャー
x86 x86 x86 x86 ARM ARM
CPU Process Intel 20A 4nm 7nm (Intel 4) 4nm 4nm 3nm
最大CPU
コア数
8 コア 12 コア 16 コア 8 コア 12 コア 16 コア
(最大)
NPU
アーキテクチャー
NPU XDNA 2 NPU NPU XDNA 1 NPU Hexagon NPU 内製
合計AI
TOPS
~100 TOPs
(45 TOPS NPU)
~100 TOPS
(45 TOPS NPU)
34 TOPS
(11 TOPS NPU)
38 TOPS
(16 TOPS NPU)
75 TOPS
(Peak)
18 TOPS
GPU
アーキテクチャー
Battlemage
Arc Xe2-LPG
RDNA 3+ Alchemist
Arc Xe-LPG
RDNA 3 Adreno GPU 内製
最大GPU
コア数
8 Xeコア 12 コンピュート
ユニット
8 Xeコア 12 コンピュート
ユニット
未定 40 コア
GPU TFLOPs 未定 未定 ~4.5 TFLOPS 8.9 TFLOPS 4.6 TFLOPS 未定
サポートメモリ
(最大)
LPDDR5X LPDDR5X-7500 LPDDR5X-7467 LPDDR5X-7500 LPDDR5X-8533 LPDDR5-6400
発売年 2024H2 2024H2 2023Q4 2024Q1 2024中頃 2024Q4

ソース:wccftech – Lenovo’s Qualcomm Snapdragon X Elite CPU-Powered Laptops Pictured, Debut Expected on 20th April

 

 

 

 

 

解説:

Snapdragon X Elite搭載機種がLenovoから発表される

Apple M1の登場以来、モバイルではx86ではなく、Armというトレンドができつつあります。

米調査会社ガートナーの北川美佳子調査ディレクターによると、21年の世界パソコン市場におけるアップルのシェアは7.9%で、Windowsパソコンは81.8%だった。しかし26年にはアップルのシェアが10.7%に上昇し、Windowsは80.5%に低下すると同社はみている。

上はネットから引用してきたものですが、この急速なシェア拡大がWindowsにもArmを取り入れる理由です。

 

なんでArmと違ってx86はほかの会社が作ってないの?

上のような疑問は当然出てくると思います。

1980年代までは半導体の工場が不足していたため、セカンドソースと呼ばれるIntel公認の互換CPUの生産が盛んでした。

しかし、1990年代に入ると半導体の供給が潤沢になり、Intelが策定したソケットを利用した(Intelの望まない)互換CPUが多く出るようになりました。

そして、Intelはバスの電気的仕様やプロトコルに特許を取得して互換CPUを締め出す政策をとるようになりました。

これ以降、Wintelと呼ばれるWindowsとIntel CPUを使ったパソコンが圧倒的なシェアを取り、覇権となって猛威を振るいます。

AMDやVIAなど一部のメーカーはIntelがライセンス戦略をとる前の既得権を持っているためx86CPUを販売できます。

しかし、今では独自のチップセット、独自のソケットを使用する形になっています。

このような経緯から、x86はIntelがほぼ独占する形で繁栄してきました。

しかし、Appleが独自OS、Arm CPUでM1を発売すると、圧倒的な売り上げをたたき出します。

Armとx86の大きな差はバッテリーの持ち時間の差で、効率の面においてx86はArmにはかなわなかったのです。

ここまでならば我々自作erにはあまり関係のない話となります。

 

しかし・・・・

Appleのシェアの急激な上昇に焦ったのはマイクロソフトで省電力に振った製品を出してこないIntelに業を煮やしたのかスマホCPUのもう一つの雄であるQualcommと組んでArmを搭載したSurfaceを発売するようになりました。

QualcommのWindows向けCPUの独占供給期間は2025年で切れるといわれており、それ以降、多数の企業がArm Windowsに進出するのではないかと言われています。

一方ではIntelもLunarLakeという省電力に振った新アーキテクチャーを開発して省電力と高性能と2つのアーキテクチャーを同時展開することになっています。

 

x86転落の原因は・・・・

x86転落の原因はもっと本質的なところで、アーキテクチャーをオーブンにしてきたArmと違い、Intelは他社のシリコンを絶対に受け入れない方針を貫いてきました。

CPUは高度に複雑化し、CPUの部分だけではなく、昔ではチップセットが担っていた部分まで中に取り込んでいきました。

x86はダークシリコンという、消費電力の制約から、シリコンチップ上で電力を供給してオンにできないエリアが製造技術の進歩とともにどんどん増えてきています。

この問題を解決するにはArmのように様々な優れた技術を持った企業の回路を受け入れる必要があると思います。

Lunarlakeは消費電力の問題を解決できるでしょうか?

まだ出ていないので断言はもちろんできませんが、わたくしには難しいように見えます。

 

Arm Windowsには未来があるか?

これはわかりません。

しかし、Armとx86でバッテリーの持ちが違えば、売り上げにも影響が出てくるでしょう。

ノートPCはPC出荷の7割を占めており、ゲーミングPCのようなニッチ市場を除けばPCといえば圧倒的にモバイルであり、ノートPCということになります。

Macが苦手なのはゲーミングの分野であり、同時にArmが苦手なのもゲーミングの分野でしょう。

しかし、Arm Wincdowsが売れて、数が出回れば量産効果で非常に安価になると思われますし、売れ行きによってはx86を圧倒する低価格を実現できるかもしれません。

※ このような循環を最近ではエコシステムと呼ぶようです。

ここまでくるとわたくしがなぜ「x86滅亡論」を唱えているのか分かったと思います。

クローズドなアーキテクチャーを志向し、他社の回路を一切受け付けないIntelと様々な企業の回路を受け入れて急速に発展してきたArm、プラットフォームとしてどちらが強力なのかは言わずもがなです。

最近のIntelの冴えない話はこのような背景も関係している手のではないかと思います。

Fabが赤字なのもやはり自社の技術にこだわっているからだとわたくしは思います。

 

  • B!