Streamlineはアップスケーリング(DLSS、FSRなど)の実装を簡素化するツールで、最新バージョン(2.4.0)にはDLSS 3.7.0が含まれている。
RedditのDLSSTweaksの作成者によると、NvidiaはStreamline SDK 2.4.0とDLSS 3.7.0をリリースした。Streamlineを聞いたことがない人のために説明しておくと、実は2年前にリリースされたもので、(多かれ少なかれ)Microsoftの次期DirectSRのNvidia版として機能している。
DirectSRはまだリリースされていないが、Nvidiaが独自のマルチ・アップスケーラー・ソリューションを維持することは理にかなっている。
DLSSTweaksは、ユーザーがDLSSのプリセットを切り替えることができるツールであるため、DLSSの新しい “プリセットE “の追加は、DLSSTweaksユーザーのエクスペリエンスをさらに向上させるものである。
プリセットEはDLSSの新しい標準となったが、その中に「アルファ・アップスケーリング」機能が追加されたため、既存のゲームは現在実験的な機能のサポートを手動で追加する必要があるようだ。
元スレッドのユーザーによると、新しいプリセットEは、以前の最高のDLSSプリセットCよりもさらに優れた動きの鮮明さを提供するようで、DLSS 3.7.0アップデートはNvidiaのアップスケーリングソリューションをさらに改善することに成功したようだ。
もちろん、Nvidia ICATのようなツールとライブ録画を使用して、新しいプリセットをさらに徹底的にテストする必要がある。
Nvidia Streamline Developerのページによると、StreamlineはDLSS、DLAA、Nvidia Image Scaling、Nvidia Reflex、さらにはレイトレーシングを改善するためのクロスプラットフォームのReal-Time DenoisersといったNvidiaプラグインも実装している。
これは、過去のゲームに様々なNvidiaハードウェア機能をバンドルするために使用されたNvidia Gameworksを彷彿とさせるが、Streamlineは少なくとも他のベンダーのアップスケーリングソリューションと(潜在的な)RTハードウェアのサポートを改善するようだ。
最近、AMDが 最新のFSR 3アップデートで、自社のFrame Generationを自社のFSR 3アップスケーリングから切り離し、画質も向上させたことを考えると、Nvidiaもまた、Microsoftのより広範なDirectSR実装に先駆けて、他のグラフィックス・ソリューションとより友好的になることを望んでいるようだ。
いずれにせよ、DLSSTweaksは、現在のNvidia GPUユーザー、特に特定のゲームでのDLSSの見え方が気に入らないユーザーにとって、必要不可欠なツールになるかもしれない。
この記事の有益な情報は、主にそのツールの作者から提供されたものであることがそれを物語っている。
とにかく、ほとんどのゲームでDLSSプリセットE(またはC)を自分で試してみるには最高の方法だ。
ソース:wccftech – Nvidia’s new ‘Streamline’ SDK and DLSS 3.7.0 feel one step closer to DirectSR
解説:
nVIDIAの「Streamline」SDKとDLSS 3.7.0はマイクロソフトのDirectSRとの親和性を高めているようです。
DirectSRはFSRやDLSS、XeSSといった乱立しているアップスケーラーのゲーム内への実装を一本化するための規格です。
当初はわたくしもマイクロソフトも独自のアップスケーラーを発表したのかと思いましたが、ゲーム開発者のために、簡単に実装できるようにするための規格でした。
こうした動きが速いのはソフトウェア環境の整備が充実しているnVIDIAならではといったところです。
1年前はわたくしはアップスケーラーやフレームジェネレーションはまやかしだと思っていました。
GPUを高く売るために性能を水増ししていると思っていましたが、2023年の1年間で様々なゲームにDLSS3が実装され、すでにフレームジェネレーションはあることが前提になってしまいました。
そのため、DLSSやフレームジェネレーションにまつわる記事にも敏感になりました。
今後はこうした統一の実装法が用意され、ますます生産性が高くなるのでしょう。
レイトレーシングが登場した時にはレイトレーシングが標準になれば、3Dモデルの制作が飛躍的に楽なるという話を聞いたことがあります。
DLSSと合わせて、AIを活用したゲーム技術の進展は今後も加速していくものと思います。
ラスタライズは半導体の性能に依存していましたが、DLSSなどのAI技術を基盤とするものは半導体の性能を超えて向上する可能性があるため、目が離せません。
RTX5000シリーズの発表と合わせてDLSS4が出るのだとしたら、また大きく性能が伸びるのでしょう。
今度はどのような方法で性能を伸ばすのかわかりませんが、AMDとIntelがキャッチアップできるのかどうかも次世代GPU戦争の焦点の一つになると思います。
この分野ではやはりnVIDIAが頭一つ以上抜けているなと思います。
AMDはゲーム用のGPUとAI/ML用のGPUを分けることとROCmによってかろうじてnVIDIAに対する競争力を得ていますが、Intelに関してはしばらくかかるのではないかと思います。
OneAPIを使って複数の企業と連合を組んでいますが、nVIDIA製品に対して競争力を発揮するには最低あと2-3年はかかりそうな感じです。
総じて、あと最低あと数年はAI/MLでnVIIDIAの無双状態が続くのでしょう。
イラストAIのセットアップスクリプトを書いているとやはりnVIDIAの圧倒的な強さを感じます。