サムスンはまた、ASMLから高NAのEUVツールを入手することに合意した。
TrendForceのレポートによると、インテルは今年、ASMLから0.55開口数(high-NA)の極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置を入手する最初の企業となり、また2024年には同社の装置の大半を入手する予定である。
これらのツール調達戦術は、インテルが今後、TwinScan EXEマシンを広範囲に使用する構えであることを示している。
インテルは、ASMLから最初のTwinScan EXE:5000パイロットスキャナーを入手しようとしており、これを使用して、チップの商業生産に高NA EUVリソグラフィーをより良く使用する方法を学ぶ計画である。
同社は当初、インテル18A(18オングストローム、1.8nmクラス)の生産ノードにこのリソ技術を使用して、可能な限り小さなフィーチャーを印刷することを計画していたが、高NAツールの登場が予想よりも遅れたため、代わりにEUVマルチパターニングを選択した。
同社が来年手に入れる予定の追加6台の高NA EUVリソツール(Twinscan EXE:5200スキャナー)は、2025年以降にインテルの18Aまたは他のプロセス技術を使用するチップの量産に使用される予定である。
Twinscan EXEの使用は、同社の生産サイクルにプラスの影響を与える可能性があるが、これらのマシンはASMLのTwinscan NXE:3600DやNXE:3800E(すでに2億ドルを超えている)よりもかなり高価(3億ドルから4億ドルの間という説もある)であるため、これがインテルのコストにプラスの影響を与えるかどうかは何とも言えない。
さらに、高NAリソ装置はレチクルサイズが半分になるため、一般的なEUV装置とは使用方法が異なる。
インテルは、高NAの学習に関してはライバルに先んじることになり、いくつかの利点を得ることになる。
具体的には、インテルは高NAツールによる大量生産を最初に開始する企業である可能性が高いため、ファブツールのエコシステムは必然的にその要件に従うことになる。
この要件は業界標準になる可能性が高く、インテルはTSMCやサムスン・ファウンドリーのライバルに対して戦略的に優位に立てるだろう。
しかし、インテルのライバル企業も高NAツールの入手を目指している。
サムスン電子のキョン・ゲヒョン副会長兼デバイス・ソリューション部門長は今週、同社がASMLと高NAツールの調達に関して合意に達したと述べた。
サムモバイルによると、「サムスンは高NA装置技術の優先権を確保した。DRAMメモリー・チップとロジック・チップの生産において、長期的に高NA技術の使用を最適化する機会を作れたと思う。」
解説:
Intelが18Aに向けて製造装置を確保したとのこと。
Intelのプロセス名称はTSMCを基準にしており、18Aは18オングストロームを意味しますが、実際には2nm以下の配線を使うわけではなく、TSMCで言えば4nmや3nm相当で、配線技術や素材によってTSMCに直すと18A相当になるという意味だと思われます。
当のTSMCは2nm後は暫く配線技術や素材の進化によって性能や密度を上げていくとしています。
Intelの最新ノードはIntel4ですが、こちらも実際には7nmと言うことになっています。
Intelがこれらの高NAツールを手配、入手できれば、また聖戦端をに突っ走ることが出来るようになるのかもしれません。
ただし、安定性や量産性に関してはやはりTSMCが一歩先んじているのではないかと思います。
IntelもMeteorLakeもほとんどのタイルがTSMC製であり、このあたり、製造技術で躓いてきた副作用が残っているともいえます。
いずれにしても、Intelが世界ナンバーワンのFabに返り咲くにはもうしばらくは実績を積み重ねる必要があるのではないかと思います。
業界の中ではある程度先行して評価されるのでしょうが、我々一般人の評価に影響を与えるには製品が投入されてからと言うことになります。