目次
他社製品のとの比較記事はこちらです。(準備中)
概要
※ この記事を書いている現在256GBは終売してしまいましたので上は512GBです。
今回はAcclamaterと言うメーカーのSSDを検証します。
Acclamaterは中国のメーカーです。
2015年に設立されたとのことなのでまだ10年経ってないかなり若い会社と言うことになります。
DRAMメモリモジュール製品とフラッシュメモリ製品を製造販売している所謂メモリ企業です。
aamzonを中心に販売しているようで、他に一切情報がありません。
製品の箱の裏に公式サイトのURLがあります。
念のためにamazonの公式ストアページも貼っておきます。
公式サイトよりもamazonの販売ページの方が情報量が多いです。
amazon公式ストアの特商法表記を見ると
上のようになっており、特に日本に代理店が入ってるということは無いようです。
Fikwotやfanxiangと同じようにトラブルが起きたときのことを考えると、安価でないとちょっと買う気が起きないメーカーと言えます。
ネットでは新しもの好きのアーリーアダプターの方が突撃しており、初期不良に当たっていたため、初期不良率が高いというイメージがありましたが今回のレビュー品は特に問題がありませんでした。
初期不良のその他の有名メーカーでも当たることはありますのである程度仕方ないのかなと思います。
レビュー品の紹介
びっくりすることに箱は全製品共通です。
裏は小窓が付いており、製品が直接確認できるようになっています。
箱の中身は説明書と製品だけです。説明書は多国語対応で、日本語もあります。
製品、普通のNVMeSSDです。
裏面です。
それでは実際の製品を見てみましょう。
モデル | Acclamator N30 | |||
物理仕様 | M.2 2280 | |||
容量 | 256GB(終売) | 512GB | 1TB | 2TB |
最大シーケンシャル 読込速度 |
未確認 | 3000MB/s | 3300MB/s | 3300MB/s |
最大シーケンシャル 書込速度 |
未確認 | 3000MB/s | ||
消費電力 | 未確認 | |||
TBW | 150TB? | 300TB | 600TB | 1200TB |
MTBF | 1,000,000時間 | |||
記憶素子 | 3D TLC NAND | |||
インターフェイス | PCIe 3.0×4 | |||
動作温度 | 0℃~70℃ | |||
非動作時温度 | -40℃~85℃ | |||
機能 | APST/ASPM/L1.2 SMART/TRIM ONFi 2.3/ONFi 3.0/ONFi 3.2/ONFi 4.0 |
|||
保証 | 3年 | |||
重量 | 約6g(256GB版の実測値) |
※ 製品型番をクリックすると販売ページが別Window・タブで開きます。
残念ながら、記事を書いている時点での256GB版は販売終了となっており、スペックが一部確認できませんでした。
箱や説明書にもほとんど記載がありません。
公式HPがあるにも関わらず、スペックの記載がなく、amazonの販売ページが一番詳しく乗っているという中華製品らしい状況になっています。
そのため、終売になると過去にラインナップされていたとしてもスペックが確認できなくなってしまいました。
HPで確認できる情報はここまでだと思いますので、いつも通りFlash_idをかけてみました。
コントローラー:MAXIO MAP1202
フラッシュセル:Hynix 3dv7-176L TLC
フラッシュはSK Hynixの176層でした。
MAXIOはYMTC専用のようなイメージがありましたがYMTC以外でも使われることがあるのですねえ。
ちょっと驚きです。
ログはいつも通りこの記事の一番後ろに張り付けておきます。
フォーマット後の容量は 238GBでした。
検証環境
- CPU:Intel Core i7-13700K
- CPUクーラー:Thermalight SI-100 Black
- マザーボード:Asrock Z690M-ITX/ax
- SSD:M2_2(チップセット側) Acclamator N30 256GB SSD (今回レビューするSSD)
- M2_1(CPU側) Moment MT34 NVMe Gen3 SSD 256GB(システムドライブ)
- 電源:Corsair SFX 750W電源 SF-750
- メモリ:G Skill DDR4-3600 OCメモリ16GB*2=32GB
- ケース:QDIY 0040-*PCJMK6-ITX(テストベンチ)
- OS:Windows11 (最新Windows Update適用済)
今回から付けたままでもSSDの取り外しができるThermalightのSI-100 BlackにCPUクーラーを変更しました。
付属のファンは4Pと謳いつつPWM対応ではなかったのでずっと全開で回っています。
この点も冷却にはかなり有利になってしまったので、注意してください。
注意してほしいのはテストベンチなので、当然オープンエアと言うことになります。
普通のケース(特にMini-ITX)よりはかなり冷却に関する条件が良いのでそれを差し引いてみてください。
SSDのヒートシンクはマザーボード付属のものではなく、単体売りしている製品を使っています。
理由はツイートでも報告しましたが、マザーボードに付属のものは2枚をいっぺんに冷やす一体型になっており、一方が爆熱だとシステムドライブの調子がおかしくなるからです。
使ったのは上の製品です。色は赤と黒があります。
Crystal Disk Info9
箱にはNVMeのバージョン記載が1.3になっていましたが、ここではNVMe Expressのバージョンが1.4になっていた。
ここから私は購入前にMAXIOだとは思わなかったのですが、実際にはMAXIOだった。
馴れるとNVMeのバージョン記載だけでどんなコントローラーなのか想像がつくようになるのだが、この辺の記載はもう少し正確にお願いしたい。
箱はコストを抑えるためなのか、共通になっているようだ。
しかし、個別のモデルで違う部分まで記載されており、何か作りがこなれていないなという印象を受けた。
※ 上はCPU側ソケットに取り付けた際の表示
また、最初にレビューを掲載したとき、PCIe3.0×2となっており、それが全体の速度に影響を与えていた。
コメントでご指摘をいただき、気が付いた。ご指摘をくださった方ありがとうございます。
接点復活剤などで端子部分を清掃して取り付けなおしてみたが、PCIe3.0×2から変更はなかった。
しかし、OSをインストールしているSSDと取り付けソケットを交換してみたところ、PCIe3.0×4となった。
OS側のドライブはどちらのソケットでもPCIe3.0×4で動作した。
実はほかの製品でも同様の症状が出ており、SSDの問題なのかその他の要因があるのかははっきりしなかった。
今回のレビューではCPU側のソケットではなく、チップセット側でテストした。
Crystal Disk Mark 8
ストレージの速度を計測する定番のベンチマークソフトCrystal Disk Mark8で速度を計測してみた。
Crystal Disk Mark8はデフォルトでは1GiBのテストデータで5回速度を計測して一番数字が良かったものを表示する。
ストレージの一番良い状態での速度を表示するソフトだ。
シーケンシャル性能
シーケンシャル性能のメーカー公称値は現在確認できなかった。
YMTCセルの他社製品よりもシーケンシャルリードは若干遅く、ライトはかなり早くなっている。
MAXIO MAP 1202の欠点を解消するような値でちょっと驚きだ。
ランダム性能
ランダム性能はリード477K IOPS、リードは385K IOPSとなっている。
こちらは特に公称値などはない。
他社のMAP1202製品と比べるとちょっとびっくりするくらい速い。
- Super TalentのFPI256MWR7が119K IOPS、リードは259K IOPS
- SUNEAST SE900NVG3-256Gがリード119K IOPS、ライト244K IOPS
ランダムライト・リードは大幅に速くなっている。
特にリードは東芝LETの2TB Gen3 SSDのTLD-M2B02T3の
- リード281K IOPS、ライト416K IOPS
よりも高速で、スケールメリットが大きい2TBより256GBのランダムリードが速いのはちょっと驚くべき結果だ。
もう売ってないので別の個体で追試することができないのが残念だ。
512GB/1TB/2TBなどはリードは最大3300MB/sと普通のMAP1202らしいスペックだ。
機会があれば、2TBを追試してみたいと思うが、自腹でやってることもあり、ちょっと難しい。
8GiBと64GiBの結果と併せて以下にグラフとしてまとめた。
ATTO ベンチマーク
ATTOベンチマークはSSDのブロックサイズの速度を測定するベンチマークだ。
QD1
QD4
AS SSD ベンチマーク
AS SSDベンチマークはSSD専用のベンチマークテストだ。
空き容量が少なくなってきたら、どのように速度が変化するか?
最近のSSDはフラッシュセルをSLC化してキャッシュにしているが、残り容量が少なくった時の速度の変化を見るちょっと意地悪なテストだ。
USB接続の2.5’HDDから174GBのデータをコピー
4.4GB/sから一度大きく速度が落ち込み、2.0~2.5GB/sの間でコピーが進む。
巨大なファイルのコピーに強いMAXIOらしい挙動だ。
残り64GBになったところでUSB接続の2.5’HDDから32GBのデータをコピー
こちらも4.4GB/sから一度大きく速度を落としたが、以降2.0~2.5GB/sの間でコピーが進む。
95-100%の間でSSをとることにしているが、早すぎてSSをとるタイミングをはかるのが大変なほどだった。
温度の変化
Crystal Disk Mark8を回数9、テストデータ8GiBで実行し、前後5秒の温度を監視
スタート42℃
最高44℃
終了42℃
大手メディアのテストではGen4コントローラーのMAP1602は実際の温度より低い温度を表示しているそうだが、MAP1202もそうなのかもしれない。
しかし、テスト実行中にヒートシンクを触っても特に熱くなっておらず、低発熱なコントローラーであることに間違いは無いだろう。
サーマルセンサーが購入出来れば追試してみたいところだ。
総評
中華新興メーカーAcclamatorのPCIe Gen3 SSDを見てきたが、他社の同コントローラー搭載製品とかなり味付けが違っていた。
SK Hynixのフラッシュセルの特性なのか、ファームウェアの出来なのかリードがやや遅くなっているが、ランダム性能とライト性能がかなり改善されており、MAXIO MAP1202で弱かった点が改善されたかなり性能の高いSSDといえる。
しかし、残念ながら、ソケットの取り付け位置によっては転送モードが×4ではなく、×2になってしまう症状が出た。
こちらはSSDが原因とは言い切れないものの、一抹の不安を覚えることは確かだ。
箱にプリントされている表記と実際のスペックが違っているなど、作りの粗さが目に付く点と合わせて、粗削りなところと非常に高い性能を併せ持つ面白い製品といえるだろう。
中華製品の魅力の一つはこなれていないところだと個人的に思うが、粗削りなところを好むユーザーなら、こうした点に目をつむって使うのもありだと思う。
他社製品のとの比較記事はこちらです。(準備中)
今回検証した製品
256GB(終売)
512GB版
1TB版
2TB
おまけ
maxio_nvme_fid.exeのログ
maxio_nvme_fid.txt
v0.34a
OS: 10.0 build 22621
Drive : 0(NVME)
Scsi : 1
Driver : W10
Model : ACCLAMATOR SSD 256GB
Fw : H221124a
HMB : 16384 - 16384 KB (Enabled, 16 M)
Size : 244198 MB [256.1 GB]
LBA Size: 512
AdminCmd: 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x06 0x08 0x09 0x0A 0x0C 0x10 0x11 0x14 0x80 0x81 0x82 0x84 0xC1 0xC2
I/O Cmd : 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x08 0x09
Firmware id string[1C0] : MKSSD_501003000103800000,Nov 14 2022,16:30:33,MAP1202,YIQZCADC
Project id string[180] : r:/DVT/skv7_10380
Controller : MAP1202
NAND string : H25G9TC18488
NAND MaxPE cycles : 1500
NAND Freq : 1200
Channel number : 4
CE number : 1
Total bank : 4
Flash type : TLC
Blocks/CE : 1084
Pages/Block : 4224
Page size : 16
Planes(?) : 4
Die/CE : 1
Ch0CE0: 0xad,0x7e,0x28,0xb,0x0,0xc0,0x0 - Hynix 3dv7-176L TLC 16k 512Gb/CE 512Gb/die
Ch1CE0: 0xad,0x7e,0x28,0xb,0x0,0xc0,0x0 - Hynix 3dv7-176L TLC 16k 512Gb/CE 512Gb/die
Ch2CE0: 0xad,0x7e,0x28,0xb,0x0,0xc0,0x0 - Hynix 3dv7-176L TLC 16k 512Gb/CE 512Gb/die
Ch3CE0: 0xad,0x7e,0x28,0xb,0x0,0xc0,0x0 - Hynix 3dv7-176L TLC 16k 512Gb/CE 512Gb/die
maxio_nvme_id_smart.txt
-------- NVME SMART --------
0 Critical Warning : 0
1 Composite Temperature : 40
2 Available Spare : 100
3 Available Spare Threshold : 1
4 Percentage Used : 0
5 Data Units Read,MB : 152853
6 Data Units Written,MB : 142729
7 Host Read Commands : 13488351
8 Host Write Commands : 11783574
9 Controller Busy Time : 3
10 Power Cycles : 2
11 Power On Hours : 0
12 Unsafe Shutdowns : 2
13 Media and Data Integrity Errors : 0
14 Number of Error Information Log Entries : 0
15 Warning Composite Temperature Time : 0
16 Critical Composite Temperature Time : 0
17 Temperature Sensor 0 : 40
18 Temperature Sensor 1 : 37
25 Thermal Management Temp 1 Transition Count : 0
26 Thermal Management Temp 2 Transition Count : 0
27 Total Time For Thermal Management Temp 1 : 0
28 Total Time For Thermal Management Temp 2 : 0
-------- ATA-style ExtSMART --------
id Description val raw
009 Power-on Hours Count 0 0 (000000000000)
012 Power Cycle Count 0 2 (000000000002)
167 SSD Protect Mode 0 0 (000000000000)
168 PHY Error Count 0 23130 (000000005A5A)
169 Bad Block Count 97 0/ 25/ 1 (000000190001)
171 Program Fail Count 0 0 (000000000000)
172 Erase Fail Count 0 0 (000000000000)
173 Erase Count 0 1/ 3/ 2 (000100030002)
175 Bad Cluster Table Count 100 0 (000000000000)
192 Unexpected Power Loss Count 0 2 (000000000002)
194 Controller Temperature,C 1 40 (000000000139)
231 SSD Life Left 100 0 (000000000000)
241 Total LBA written,MB 0 142728556 (0000116C4473)
242 Total LBA read,MB 0 152852986 (000012A8A7E4)
243 Nand Temperature,C 0 37 (000000000025)
-------- ExtSMART --------
Write? : 3700224
Read? : 13288
Unk1 : 0
Unk2 : 0
Unk3 : 0
AvePE : 2
MaxPE : 3
MinPE : 1
AvePE SLC : 2
MaxPE SLC : 3
MinPE SLC : 2
Unk7 : 0
Bad Block Count?: 1
Bad Block Count?: 25
Bad Block Count?: 0
SSD Life Left? : 100