Moores Law is Deadの分析(via HardwareTimes)によると、AMDの次世代RTX 7000シリーズ(MCM方式であることが確認されている)は、NVIDIAのRTX 4000シリーズGPUを上回る性能になる可能性があるという。
もちろん、これは大きな噂であり、さらなる検証を受けるまでは、かなり割り引いて考えるべきであることは言うまでもありません。
とはいえ、これはMLiDが情報源から提供された情報(および以下に示す少なくとも1つの独立したリークによって裏付けられた)に基づく推論であり、もしこれらが十分に信頼できると考えられるなら、この推論も同様に真実となる可能性が非常に高いです。
噂:AMDのRDNA3ベースのMCM-GPUは、電力効率でNVIDIA RTX 4000シリーズGPUを吹き飛ばし、パフォーマンスの王座を奪う可能性さえある。
これを掘り下げる前に、読者のために簡単におさらいしておこう。AMDの技術スタッフの主要メンバーのLinkedInのリークされた説明で、次期RX 7000シリーズはRDNA3ベースで、2つの異なるプロセス(TSMC 5nmと6nm)が関与する少なくとも1つのSKUを持つことが多かれ少なかれ確認された。
これが事実となる唯一の理由は、もちろん、AMDがGPUに関してMCMのアプローチを取っている場合だ。
AMDは、MCMベースのRyzenプロセッサのおかげで、すでにCPU市場の流れを変えたが、GPU側でもそのトリックを繰り返したいようである。
これは、RX 6900 XTの5120SPからかなりのステップアップとなります。
…. Lovelaceの性能、また勘違いしないでください、LovelaceはTuringよりもAmpereよりも大きな性能アップになります、しかし同時に、最初のターゲットの連中は、これを言わないわけにはいきませんが、Ampereに対して66%から80%程度のアップでした。
-Moores Law is Dead
AMDとNVIDIAの両社の次世代GPUのリークサイクルはかなり早いですが、我々が持っているデータからすると、MLiDの発言はそれほど突飛なものではないように思えます。
それは、AMDがGPUのMCMアプローチに取り組んでいるという事実にかかっている。
もし、この部分が本当に実現し(LinkedInの記述は、計画されたロードマップであった可能性があり、ご存知のようにロードマップは常に変化する)、
AMDがMCMアプローチを採用すれば、電力効率の点で、非常に簡単にNVIDIAのランチを食べることができるはずである。
絶対的な性能でNVIDIAに勝てるかどうかは、まったく別の問題だ。
Lisaが就任して以来、AMDは、ハイエンドゲームセグメントよりもメインストリームセグメントに焦点を当てたGPUサイドのニッチを切り開くことに注力してきましたが、RDNA3ですべてが変わるかもしれません。
RDNA2アーキテクチャのいくつかの重要な制限がなくなり、ノードが縮小し、GPUでMCM設計哲学がついに解放され、それはAMDからNVIDIAへの最初のチェックとなる可能性を秘めているのです。
AMD RDNA3 / RX 7000シリーズGPUの噂のSKUの仕様[未確定]
Radeon ラインナップ |
Radeon RX 5000 |
Radeon RX 6000 |
Radeon RX 7000 |
GPU アーキテクチャー |
RDNA 1 | RDNA 2 | RDNA 3 / RDNA 2 |
製造プロセス | 7nm | 7nm | 5nm/6nm? |
GPUファミリ | Navi 1X | Navi 2X | Navi 3X |
フラッグシップ | N/A | Navi 21 (5120 SPs) |
Navi 31 (15360 SPs) |
ハイエンド | Navi 10 (2560 SPs) |
Navi 22 (2560 SPs) |
Navi 32 (10240 SPs) |
ミドルレンジ | Navi 12 (2560 SPs) |
Navi 23 (2048 SPs) |
Navi 33 (5120 SPs) |
エントリー | Navi 14 (1536 SPs) |
Navi 24 (1024 SPs) |
Navi 34 (2560 SPs) |
解説:
次世代は基本的にLovelaceよりRDNA3のほうが高性能
少なくともリーク情報ではそのようになっています。
MCMを採用したことによって性能が上がっていると言われているからです。
現行のRDNA2もインフィニティキャッシュ+TSMC7nm製造によるハイクロックでAmpereを凌ぐ性能を引きずりだしています。
AmpereはSamsung8nmですから、ここで差が付いています。
TuringまではAMDはゲーム機に力を注いでいたので、ミドルレンジより上は空白地帯になっていました。
しかし、RDNA2からフルラインナップに戻った格好です。
※ 正確にはPolaris世代はVegaとのハイローミックスでしたが、Vegaは誰がどう見てもゲームには向いてませんでしたので、ここでは考慮しません。
RDNA3はそこにさらにMCMを採用して性能を引っ張り上げる形となります。
現時点でのRadeonの有利な点は
- Tensorコアを搭載しないことによってシリコンをほぼすべてラスタライズ性能に使える。
- MCMを採用するとによって性能を底上げすることが出来る
と言うことでしょう。
逆にGaforceに対してイーブンか差を付けられる要因としては
- Lovelaceからインフィニティキャッシュに類似した大容量キャッシュを搭載
- 製造プロセスがTSMC5nm
- Tensorコア相当の演算器を搭載しないことによる陳腐化リスク
製造プロセスをTSMC5nmにすることによって、OCマージンにはあまり差がつかないことが予想されます。
また、AMDが将来的にTensorコア相当の演算器にシリコンを割く場合、効率が落ちる可能性があります。
ただし、FSR2.0はアルゴリズムに決定していますのでTensorコア相当の演算器は搭載しないでしょう。
nVidiaが将来的にMCMを採用した場合、アドバンテージが消えるということになります。
Geforceは設計以外の部分で性能が高くなる余地が残っていますが、AMD知られている技術はほとんど投入しているということになります。
周辺ソフトも含めて新しい技術の投入に積極的なnVidiaと、設計で新しい技術の導入に積極的なAMD。
プロプライエタリのnVidiaとオープンソースのAMD。
非共有化戦略で旧製品もどんどん切り捨てていくnVidia、共有化戦略で他社・他社旧製品まで含めて対応を増やしていくAMD。
なかなか対照的な戦略で面白いです。
私としてはFSR2.0にAI技術、Tensorコア相当のものを採用しなかったことによって、Radeonが取り残されてしまうリスクと言うのはあるのではないかと思っています。
nVidiaもTuringがRTコアとTensorコアを搭載した時、トランジスタ当たりの性能が低下しましたが、今後AMDが戦略上、どのタイミングでTensorコアを搭載していくのか?このまま搭載しないで行くのかに関しては興味深いところです。
最後にLovelaceが爆熱と言われているのはやはりRDNA3を意識してギリギリまでクロックを上げているからではないと思います。