以前のVR関連の記事でも触れていますが、このようなことはすでに実験段階で行われているようです。
普及さえすれば、(音楽の)ライブをVRで参加するなどゲーム以外で活用するという話も出てくると思います。
サッカーのW杯でマイクロソフトのホロレンズという高価格なVR機器を使って公園に実寸大の選手を表示させるところまで行っているようです。
YouTubeのサッカーを3D化したあれ。
リアルスケールにして選手を公園に呼んでみた。素晴らしいなこれ。
試合はピッチで見る時代来てた。#HoloLens pic.twitter.com/bSy8Nh2m9T— 龍 lilea (@lileaLab) 2018年6月28日
実践にあたってはGithubからプログラムをダウンロードして実行しなくてはいけませんので、一般のユーザーが簡単に行えるというレベルではまだありませんが、私が以前書いたように、音楽のライブやスポーツ観戦をVR機器を使って自宅で楽しめる時代というのかすぐそこまで来ているようですね。
VR機器の場合、今回のソース元の様にスケールを自在に変更することも可能ですので、サッカーの観戦の場合、ゴール前のキーパーの視点やボールを持っている選手の視点、ボールを奪おうとする相手選手の視点などでも観戦が自在にできるでしょう。
当然、全体の位置がわかるように、俯瞰した視点でもできるでしょう。
VRですので、物理的な制約を受けませんので、音楽のライブのVR視聴の場合、ライブ会場の1m上空を自在に飛び回るというような体験もできると思います。
こういった視聴方法が一般的になれば、ライブ自体も休憩時間などをVR視聴ユーザーに合わせて行うように調整されると思います。
今年に入ってから売り上げにかなりブレーキのかかったVRデバイスですが、可能性という点に関しては、やはり大きいものがあると言ってよいでしょう。
理想を言えば、今のVRデバイスのクオリティを確保しながら、OculusGoの様に単体で動作するのが理想です。
しかし、未来においては一般的なノートPCに接続してVR視聴できるようになれば合格点なのかな思います。
スポーツ観戦においては、現地までいけない熱狂的なファンというのはいくらでもいるでしょうから、こうしたシステムには多少高額であったとしても 大きな需要があることと思います。
現在の宅配ピザなどのフードサービスも現地で実際に売っているような特産品的なメニューを現地の試合時間やVRコンテンツの試合時間に合わせて届くようにするなどの付加価値サービスなんかも組み合わせ出来るかもしれません。
また、その場にいなかったとしても、コンテンツとして販売すればその時の様子(試合)を体験できますので、たとえ負け試合だったとしてもプロスポーツ選手の凄さというのが実感出来たり、先ほども言った通り、選手の視点から見ることで、脚光の当たっていない意外な選手の人気が出るなんてこともあるかもしれません。
こうしたサービスが実際に始まったとしても、リアルタイム中継の場合、視点をどのタイミングでどの選手に切り替えるのが良いのかという配信のノウハウが充実するまでに多少の時間がかかるかもしれませんが、実際に現地にいるかのような体験というコンテンツには大きな価値があると思います。
サッカーの試合などは実際にピッチに立っているような感覚の他、南極の氷の上で選手が試合をしているように背景を変えるようなことも可能でしょう。
ここまで行くのにはあと20-30年くらいはかかるかもしれませんが、投資ファンドなどが売り上げが落ちているVRデバイスに否定的な見解を出さないのは、こうした応用分野において潜在的に大きな需要があると見込んでいるからでしょうね。
私はゲームというよりは、このようなコンテンツの再生の方がVR機器の本領を発揮できる分野だと思います。
今、VR機器でゲームを楽しんでいる方はこうした世界の最先端を走っている方と言ってもよいかもしれません。
今のところ商業的には高級車の販売や住宅の販売などのサンプルを用意するよりははるかにコストがかからない分野での利用のみとなっていますが、VRデバイスがコモディティになった時、こんな風に使われるような時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
今のところ、風を感じたり、においが嗅げたり、触感などの視覚・聴覚以外の感覚を再生することはできませんが、この辺に関しても需要が大きくなれば研究・開発が進んでいくものと思います。
視覚・聴覚以外の感覚の再生がある程度できるようになればスポーツをはじめとして様々な分野のトレーニングにおいても今とは全く別のメソッドが開発されるかもしれません。
こうしたVRデバイスは応用範囲が広く、明るい未来が待っていると思いますが、有益なコンテンツを装ったスパムコンテンツや強力な暗示をかけるコンテンツなども作成可能でしょうから、スパマーなどがそういったコンテンツを作成して、「暗示を解除したかったら、匿名の仮想通貨でいくら払え」というような犯罪に使われる可能性もあるかもしれません
VRゲームの開発者は現時点でも「再生したら視聴者にゲロを吐かせるようなコンテンツも十分作成可能」と言ってます。
どのようなものにでもよい面・悪い面がありますが、最初の内は無法地帯になるのはある程度仕方ないのかなとは思います。
ともかく、現在VRデバイスを所有している、または興味を持っている方は、莫大な投資が期待できるスポーツ観戦の技術開発には今後も注目しておいた方がよいでしょう。
ソース:Mogra VR – W杯の観戦方法が変わる?ARを使い選手が実寸大で駆け回る動画が話題
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