Intel Socket V (LGA1700)
次世代の冷却に関する興味深い記事がIgor’sLABに掲載されています。
Socket V (LGA1700)は、Intel Alder Lake-Sと、おそらくその後継機であるRaptor Lake-Sデスクトッププロセッサ用の次期ソケットのコードネームです。
この新しいソケットは、CometとRocket Lake-Sシリーズ用のLGA1200よりも長方形の形をとることになります。
新しい情報によると、CPUパッケージとソケットはより薄くなります。いわゆるZハイトは、少なくとも1ミリは低くなるでしょう。
Igor Wallossek氏が公開したスライドには、Socket V用の新しい冷却装置の回路図と図面が掲載されており、それによるとSocket VのZハイトはSocket H(LGA1200)に比べて低くなります。
しかし、Socket V用の冷却装置は穴のパターンも変更されるため、新しいブラケットがないと既存の冷却装置と互換性がありません。
インテル Alder Lake-S LGA1700 (Socket V), ソース:Igor’sLAB
Igorは、高性能な熱電冷却の予備回路図にもアクセスしました。LGA1200のCPUシリーズでは、IntelがCooler Masterと提携してMasterLiquid ML360 Sub-Zero coolingを発売しました。
この冷却装置は、ペルチェ効果を利用して2種類の物質の間に熱流束を発生させるものです。
このクーラーは、特定のシナリオでは確かに素晴らしい効果を発揮しますが、CPU自体と同じくらいの電力を必要とするため、電力効率はあまりよくありません。
今回のリーク情報から判断すると、Alder Lakeの「Sub-Zero」クーラーの設計図もすでに存在しているようです。
Intel Alder Lake-S LGA1700リファレンスクーラー、ソース:Igor’sLAB
標準的なリファレンスクーラーは、Alder Lake世代になってもファンシーにはならない。
それらはもちろん、通常65W以下のミッドレンジやエントリーレベルのプロセッサー用だ。
このクーラーは既存のモデルと互換性がないので、交換して使うことはできません。
図面では、アルミニウム製ヒートシンクに銅製のコアが取り付けられているかどうかは確認できません。
LGA1700ソケットは、正方形の37.5mmパッケージから、より長方形の35.5×45.0mmサイズに変更されます。
このサイズは、前世代のHEDT(ハイエンドデスクトップ)プロセッサーほど大きくはないため、既存の多くのクーラーがAlder Lakeに対応する可能性は高いが、必要なブラケットがメーカーから提供される場合に限られる。
Intel Alder Lake-S LGA1700パッケージ、ソース:VideoCardz
ソース:Videocardz.com – Intel Socket V (LGA1700) for Alder Lake-S has a lower height and new hole pattern
解説:
LGA1700の名称はSocket V
なぜVなのか?IVとかIIIとかはどこに行ったのか?と感じる方も多いと思いますが、このVはVictoryのVだと思います。
Intelは製造プロセスがAMDに追いついたことによってAlderLakeで巻き返しが図れると思っているようですね。
AlderLake-Sが市場に受け入れられるかどうかはシングルスレッド性能がどの程度RocketLakeより上がるかによると思います。
言われている通り、TigerLakeに搭載されるWillowCoveより20%以上上がるのであれば、かなりの優位を保てると思います。
過去の記事でも何度も触れていますが、ハイブリッドテクノロジーがどのくらい市場に受け入れられるかによると思います。
本当にWillowCoveの+20%を5GHzで動かす事が出来れば、かなりシングルスレッド性能が上がることになりますので、巻き返しは十分可能でしょう。
Gracemontの8コアも私はあまり意義を感じませんが、マーケティング上は有効でしょう。
私もその昔Atomは長い間使っていたので良いイメージはありません。
はっきり言って遅いですからね。
しかし、数字の上ではRyzen9 5950Xとコア数で並ぶことになりますので、イメージを作るうえではかなり効果があるでしょう。
今回はSocketVの物理的なサイズについてですが、それまでの正方形から細長くなるようで、長い辺はAM4より長くなるようです。
サードパーティー製のクーラーは新しいリテンションがあれば使用可能なレベルの変更にとどまるようです。
元々、Intelはコスト重視でダイのサイズはかなり小さい方でしたが、MCM時代に備えてか微細化を進める前提があってもソケットそのもののサイズを大きくするようです。
ピン数も増えていますので当然なのかもしれませんが。