今後のZenアーキテクチャに関する最初のリーク情報が出て以来、テクノロジー愛好家はAMDに目を向けてきました。–多くの人が真実であることを感じていた推測を証明します。
Mindfactory.deは、ドイツ最大の小売業者の1つであり、分析の対象となる重要なサンプルサイズを表しています。
ドイツの小売業者Mindfactory.deの販売データは、2018年下半期以降、AMD CPUの販売が常にIntelの販売を上回っていることを示しています
データは、AMD復活の要因がZenアーキテクチャのみによるものであることを明確に示しています。
実際、チャートを見ると、Summit Ridge(Zen 1)が発売されるとすぐにAMDの売り上げが急激に増加することがわかります。
実際、AMDは2018年までに非常に短期間に市場シェアでIntelを追い越しました。
本当におもしろかったのは、2017年に発表されたAMDのZenアーキテクチャですが、ドイツの小売業者の顧客は2018年下半期までIntelのCPUの販売数での先行を許していました–これは明らかなポイントです。
過去5年間のAMD VS Intel CPUの販売個数
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上のグラフは販売されたCPUの数を示しており、Zenの各世代(Summit Ridge, Pinnacle Ridge, Matisse)ごとにAMDがMindafactory.deの販売でますます多くの顧客を獲得していることがはっきりわかります。
しかし、MatisseはAMDのHEDTラインナップであり、従来は多くの収益を生み出してきましたが、主流の製品と同じ量を出荷することはありません。
※ おそらくはSocketAM4のハイエンド-ミドルレンジモデル(6-8コア製品及びRyzen3000シリーズは12コアも含む。)のことを指しているものと思われる。Zenでは4コアのモデルも存在した。非常にわかりにくい書き方だと思います。
しかし、ここでは、Matisseが実際に第一世代のZen以上の量を売っていることが確認できます。
これは、常識的に言えばありえませんが、AMDがかつての市場の流動的なシェアを獲得しただけでなく、顧客が現在欲しがっている製品を製造することでマーケット全体を広げるたことを示しています。(Intelはこれまで大きなプレミアム価格つけ、ここに市場はないと考えていました)。
※ 非常にわかりにくい文章なので補足します。Intelがデスクトップ向けはずっと4コア8スレッドまでの製品を発売し、第一世代のZenが出るまで6コア以上の製品はLGA2066などのプラットフォームでプレミアム価格で販売していたことを指しているものと思われます。
Matisseのパフォーマンスは、PC業界がまた死んでいないという証拠であり、業界を新しい高みへと昇らせるためには時折革新となる推進力が必要なだけであるということがわかるでしょう。
過去5年間のAMD VS Intel CPUの販売金額(単位:ユーロ)
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Matisseの平均販売価格は非常に高いため、最新のデータポイントによると、AMDプロセッサの収益増加は、実際にはIntelの収益の2倍以上です。– Intelのメインストリーム製品のみがAMDの対応製品と真の競争を提供することを考えると、驚くことではありません(HEDTは価格が高すぎてまともな価値提案ができません)。
私が本当に興味を持っているのは、Amazonの同様のデータです。これは、はるかに大きい(およびグローバルな)サンプルサイズにアクセスでき、最も統計的に重要なデータセットであるためです。
解説:
ドイツの小売業者Mindfacory.deの過去五年間のAMD VS Intelの分析データが出ました。
これを見ると第一世代のZenの発売を機にAMDの売り上げが上がり、Intelの売上が下がっていることが見て取れます。
Ryzen3000シリーズのデビューが鮮烈過ぎましたので、Ryzen3000シリーズでIntelを抜いたかの印象がありますが、実際に抜いたのはRyzen2000シリーズです。
2018年の後半には販売数、金額で抜いています。
経済合理性を優先し、ユーザーの意思を読み誤ったIntel
永らくIntelは最も売れるプラットフォームで4コア8スレッドを最高の製品として販売しており、6コア以上のモデルは現実的ではない価格帯の製品としてきました。
そこにAMDが最高8コア16スレッドのRyzen1000シリーズで風穴を開けました。
これにIntelも6コア12スレッドのCoffeeLakeや8コア16スレッドのCoffeeLake Refleshで対抗し、AMDを抑えてきましたが、もともと4コア8スレッドの生産設備で1.5倍や2倍のダイサイズになる製品を生産し続けるには限界があったのか製品がショートし始めました。
AMDの売上が伸びたのはIntel製品がショートし始めた時期と重なっており、ほしくても買えない、転売屋が買い占めて高い価格で販売するなどIntel製品を取り巻く販売環境が急速に悪化した様が見て取れます。
じゃあAMDでいいやというユーザーが一定数以上いたということになります。
AMDのプラットフォームは世代をまたぐ互換性がありますので、Intelの元にユーザーが戻るには相当の魅力が無いと難しいでしょう。
結論から見るとAMDのマルチコア戦略がIntelの製品ショートを引き起こしたわけです。
10nmへの移行があまりにも遅れてしまったのも原因の一つだと思います。
しかし、Intelは生産上の合理性を優先し、長らく4コア8スレッドまでの製品のみを販売し続けたのは驕りがあったからではないかと私は思います。
市場はIntelだけが作っているのではなく、あくまでもユーザーが存在して初めて成立するものです。
ユーザーが何を望んでいるのか?そこに少しでもフォーカスしていればこのような結果にはならなかったのではないかと思います。
Intelはこれからは追いかける側となります。
10nm製品でクロックが上げられるのか?
7nm製品をスムーズに販売できるのか?
今後はこういったところが争点になると思います。
14nm++の成熟したプロセスで作られた製品の方が高クロックで回り、10nmの製品よりも性能が高くなる状態(ネットではこれをウロボロス現象と名付けているユーザーがいるようです。)も起きており、今後の新プロセスには14nm++以上の性能が出せるかどうかという点が加味されるのも苦しいところです。
もしもプロセスの立ち上げが上手くいかなければ、今後、AMDにかなりの差をつけられるかもしれません。