コロラド州アスペンで開催されたFortuneのBrainstorm Techカンファレンスで、Intelの最高経営責任者(CEO)であるBob Swanがステージに上がり、Intelについて話しました。
彼はインテルが現在どこにいるのか、そして将来どこに向かうのか、そして同社がどのように関わっていく予定かについて話しました。
Intelがどのように「PC中心」の会社から「データ中心」になったのか、そして続いてきた競争について、特別な注意が払われました。
しかし、ムーアの法則の終焉について尋ねられたとき、ボブは彼らが挑戦に近づいた積極性について話し始めました。
Bobは、2年間で2倍のトランジスタ密度の向上が見られるのではなく、Intelが常により優れた密度を目標にして、ビジネスのリーダーであり続けると述べています。
10nmで、Intelは14nmトランジスタの前の世代と比較して2.7倍も改善された密度を目標とします。
彼は、10nmノードを納入するのに5年遅れてたが、積極的すぎたことを取り上げ、「…ますます難しくなるにつれて、より積極的な目標を設定しています…」とノードの納入が遅れる主な理由であると付け加えました。
さらに彼は、今回はIntelが7nmノードを2年間で2.0倍の密度で維持することを発表しました。
これは2年間で発売される予定で、すでに開発中です。
Intelの将来について語るとき、BobはIntelが現在所有している「シリコン市場」の30%の市場シェアに注目し、Intelは現在のオファリングを市場の残りを捉えるために、主にCPUとFPGAから大きな計算性能を必要とするものすべてに多様化しようとしている。
同氏は、人工知能が現在そのような性能に対する大きな需要を牽引していることに注目した。
そこでは、自律走行車が将来的にインテルにとって大きな収入源になると思われる。
Mobileyeのような買収を通じて、インテルはその市場にサービスを提供し、それに会社の価値をもたらすことを計画しています。
あなたはここでその話を聞くことができます。
ソース:techpowerup – Intel’s CEO Blames Delay in Inovation to Being “Too Aggressive”
解説:
今回はintelのCEOの話です。
AMDが快進撃を続ける現在においては、いわゆる「敗者の弁」と取られても仕方ないところだと思います。
intelはこの敗者の弁を「あまりにも10nmにおいて攻め過ぎたためだったとしています。
どういうことかというと、より安価に製造できる方式を追求し過ぎて、難航し、出来上がったプロセスもモバイル用としてしか使えないものになってしまったということです。
今後改良を続けて、デスクトップ用にも使えるようにするのでしょう。
「PC中心」から「データ中心」移行するのは正しいアプローチ
intelは「個人向けのコンピューター」から「データセンター」中心に事業を切り替えています。
GAFAによって、すべてのものがクラウド化され、ビッグデータを制する者が次世代の覇者になるはずですので、この考え方は基本的には正しいです。
ただし、ビッグデータを活用するこれらの企業にとって、intelの持つ強力なブランド力と提供するハードウェアに付加されるプレミアは邪魔だったというのが正直なところではないかと思います。
この動きを指揮していたのは、人権というものに比較的緩い中央集権的な国家である中国ですが、米中貿易戦争によって、どうなるのかわからなくなってきました。
しかし、基本的にはこの動きはずっと続いていくものだと思います。
中国と組んでいたAMDも同様に躍進しました。
intelはAMDから人材を引き抜いていますが、今後どうなるのかは微妙だと思います。
スマホ勢の豊富な資金力によってプロセスをどんどん進めるTSMCは5nmまで量産化を果たし、現在、3nmの研究を続けています。
intelは7nm(TSMCの5nm相当)にも手をかけているようですが、TSMCにかなり先を越されている状態と言っても差し支えないでしょう。
この差を縮めることが出来るのかどうかというのは注目だと思います。
全体的には脱x86の動きを強める個人向けパーソナルコンピューター
現在amazonも力を入れて売っていますが、近い将来のどこかの時点でChromebookが再び大きく個人向けPC市場で大規模なマーケティングがなされると思います。
MSもすでにOfficeをオンライン化し、PCの主な用途に一つであるOfficeですらも、どうしてもWindowsが必要という状況ではなくなってきています。
ChromebookはGooglePlayストアが使えますので、android用のゲームも豊富にあり、個人向けの用途として「無理にWindowsにしなくてもいいかな」と思わせる状況です。
また、これからSTADIAが出てくれば、ゲーム用としても「Chromebookでいいか」と思わせる状況になるかもしれません。
そうなればノートPCへの参入が容易になりますので、近い未来、Razorのような企業がゲーミング用のChromebookの販売に乗り出すかもしれません。
Razorのようにゲーム用ブランドとしての価値を高めることが次のeSportsやゲーミング向けブランドを制するカギになるかもしれません。
実売2-3万円の安価なChromebookでアサシンクリードオデッセイなどのAAAタイトルが動くようになれば、爆発的に普及してもおかしくはありません。
Chromebookが売れればそのうちPlayStore経由でオフライン版のMS Officeが提供されるようになるかもしれませんね。
技術的なことや難しい設定などはデータセンターの向こう側ですべてやってくれるようになり、ユーザーは如何にコミュニティを作るか?言い換えれば、どのくらいの影響力を他人に行使できるようになるかが生き残りのカギになると思います。
intelが製造プロセスにおいて後れを取っているのはこうした状況を象徴していると思います。