AMDは、AMD 300シリーズおよび400シリーズチップセットを搭載したマザーボード上の第3世代Ryzenプロセッサに対する下位互換性の約束を実現することに成功しました。
この約束は脱線したことに非常に近いものであり、MSIフォーラムのコミュニティスレッドを示唆しています。
フォーラムで活発なMSIの代表によると、マザーボードUEFIファームウェアを格納するSPIフラッシュEEPROMチップの容量は非常に多くのマザーボードのAGESA ComboAM4 1.0.0.3aマイクロコードを詰め込まれて制限されています。
AGESA ComboAM4 1.0.0.3aと一緒に第3世代のRyzenプロセッサをサポートするために、同社は現在「ベータ版」として流通しているUEFI BIOSパッケージにいくつかの変更を加えなければならなかった。
まず、28nmの “Bristol Ridge”シリコンをベースとしたAシリーズとAthlonプロセッサのサポートを開始する必要がありました。
第二に、RAIDモジュールをキックして、そのマザーボードの多くでSATA RAIDを壊す必要がありました。
3つ目は、機能豊富なClick BIOS 5セットアッププログラムを、元のプログラムの多くの機能を欠いた鈍い低解像度のUIが付属した「GSE Lite」Click BIOSプログラムに置き換える必要があったことです。
このプログラムには、A-XMP(Intel XMPプロファイルをAMD互換の設定に変換する)、Smart Fan、およびM-Flashなど、いくつかの重要なMSI専用機能がまだ含まれています。
どのようなことが危惧されるでしょうか?
他の多くのマザーボードブランドは、古いソケットのAM4マザーボードで16メガバイトのEEPROMを使用しているようです。
これらの企業は、UEFIセットアッププログラムを軽量にしない限り、同様のROM容量の問題にぶつかることになります。
最新のX570チップセットを搭載したマザーボードは32メガバイトのEEPROMを搭載しています。
AMD X570チップセットは、 “Bristol Ridge”だけでなく、第一世代のRyzen “Summit Ridge”と “Raven Ridge”プロセッサもサポートしていません。
あなたが文字通り第三世代Ryzenプロセッサを持っていない限り、私たちはあなたの古いソケットAM4マザーボードのBIOSを更新しないことを勧めます。
あなたは機能を失う危険を冒してRAIDボリュームを壊すかもしれません。古典的なAGESA PinnaclePI 1.0.0.6マイクロコードを持つBIOSの最新バージョンを見つけて、代わりにそれを使用してください。
ソース:techpowerup – BIOS ROM Size Limitations Almost Derail AMD’s Zen2 Backwards Compatibility Promise
解説:
AMD300/400シリーズのマザーはRyzen3000シリーズの互換性が保証されています。
しかし、どうも話はそう単純ではないようです。
16MB EEPROMを採用しているマザーは容量不足でRyzen3000シリーズに対応すると、SATA RIADなどが使えなくなる恐れがあるとのことです。
また、機能が維持できる場合でもBIOSの表示やUIなどが簡素なものに変わってしまう可能性があります。
X570のBIOS EEPROMは32MB(256Mbit)だそうですが、16MB(128Mbit)のEEPROMを採用しているマザーAMD300/400のマザーでRyzen1000/2000しリーズを使う場合は、BIOSをアップデートしない方が良いということです。
またBIOSアップデートを行う場合、SATA RIADは解除した方が良いということのようです。
容量的な問題なのである意味解決策はありません。
BIOSのUIを簡素なものにして、それでも容量が足りない場合は機能を殺していくというような形になるようです。
旧マザーでRyzen3000シリーズを使おうと思っている方はこのようなリスクもあることは覚えておいてください。
SATAのRAIDを組んでいる方はそれほど多いとは思いませんが、BIOSをアップデートすることによってマザーのBIOSの使い勝手が大きく下がるのはもんだいと言ってもよいでしょう。
まとめると
AMD X370/B350/X470/B450をお持ちの場合
・Ryzen3000シリーズ対応BIOSにした場合、SATAのRIADが使えなくなる可能性がある。現在RAIDを組んでいた場合、RAIDボリュームが読めなくなる可能性がある。
・Ryzen3000シリーズ対応BIOSにした場合、UIが簡素なものに変更され、使い勝手が落ちることがある。
このような問題が発生する可能性がありますので、Ryzen 1000/2000シリーズを使い続ける予定の方はRyzen3000シリーズ対応BIOSには変更しないようにしておきましょう。
※ 2019年7月17日追記 原文に特に但し書きがありませんでしたが、続報を見ると、どうもこの話はMSIのみのようです。
参考記事:256Mb BIOSチップを搭載した新しいAMD 400シリーズマザーボードを発売するMSI Scampers