■事実
2026年5月版のSteam Hardware Surveyで、AMD Radeon RX 9070 XTが単独項目として初めて登場し、シェア1.33%を記録しました。
発売は2025年3月6日で、MSRPは599ドル。登場までに約1年2ヶ月かかっています。
同じ調査でRX 9060 XTも初めて単独項目として登場し、シェア0.72%を記録した。RX 9060 XTは2025年5月末のCOMPUTEX 2025発表モデルです。
比較対象のNVIDIA RTX 5080のシェアは1.47%前後(一部メディアの集計では1.52%)で、RX 9070 XTとの差はわずか0.1〜0.2ポイント程度です。
Steam全体のGPU人気順位では、RX 9070 XTは25位につけており、RTX 5080とRTX 3080の間、GTX 1050 Tiより上に位置します。
2025年12月時点では、RX 9070(無印)が一時的に0.22%で登場し、RX 9070 XTも同様に0.22%で一瞬だけ姿を見せたが、その後すぐに集計の最低閾値(0.15%程度とされる)を下回って消えていた経緯があります。
Steamの集計には「AMD Radeon Graphics」「AMD Radeon(TM) Graphics」という汎用カテゴリが存在し、これらのシェアは2025年後半にかけて増加が続いていた。Valveは集計手法・閾値を公開していません。
価格動向:RX 9070 XTはMSRP 599ドルに対し、品薄が深刻だった2025年5月には最高975ドルまで価格が上昇。2026年6月時点では新品で約649ドル、中古は約660ドル前後で取引されています。
AMDは2026年6月2日、それまで中国限定だったRX 9070 GRE(Navi 48ダイ・48CU構成)を549ドルでグローバル展開開始。RX 9060 XTとRX 9070の価格帯の間を埋めるポジションのモデルとなります。
Navi 48ダイは現在、48CU(RX 9070 GRE)・56CU(RX 9070)・64CU(RX 9070 XT)という3段階のCU数違いでラインナップ展開されています。
| モデル | CU数 | MSRP(発売時) | 2026年6月時点の実勢価格 | Steam Survey シェア(2026年5月) | 発売 |
|---|---|---|---|---|---|
| RX 9070 XT | 64 | $599 | 約$649 | 1.33% | 2025年3月 |
| RX 9070 | 56 | $549 | – | 集計表に未掲載 | 2025年3月 |
| RX 9070 GRE | 48 | $549 | – | – | 2026年6月(グローバル) |
| RX 9060 XT | – | – | – | 0.72% | 2025年5月(COMPUTEX) |
| RTX 5080(比較) | – | – | – | 約1.47% | – |
解説
ピーク時にMSRPの1.6倍(975ドル)まで値上がりしていた時期があったことを踏まえると、現時点で1.33%まで来ているのは、むしろ健闘していると言える数字だ。
RTX 5080とのシェア差が縮まったのは、RX 9070 XT側の伸びだけでなく、RTX 5080自体の供給・需要バランスの変化が影響している可能性も考えられ、一方的に「AMDが追い上げた」と言い切るのは早計だ。
「AMD Radeon Graphics」系の謎の汎用カテゴリが長期間伸び続けていた件について、実は新型Radeonの統計がここに埋め込まれていた可能性があり、Steam調査の集計方法そのものに不透明さが残る点は指摘しておきたい。
RX 9070 GREのグローバル展開は、Navi 48という同一ダイをCU数で48/56/64に切り分けて売るという、歩留まりを最大限活用するための典型的な半導体ビジネスの判断。性能差というより「採れたチップをどう売るか」という供給側の論理が先にある。
1年以上「出席簿に載っていなかった転校生」が、ある日突然「出席率1.33%」として正式にクラス名簿に記載される、というような状況に近い。地味だが地道に教室の隅に座っていた、という感じ。
「ついに名前で呼ばれるようになった」というだけの話だが、裏を返せば、それだけ長く品薄と価格の壁に苦しんでいたモデルだったということでもある。
以前からSteam調査は「調査方法にバグがある」などといわれていたがねここにきてようやくRX9070XTがリストに登場した。
Steamハードウェア調査は母集団が公開されているわけではないので、あくまでも参考程度、おそらくネットカフェなども調査に参加しているケースがあり、個人のユーザーの動向に限った話ではない。