※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージです。必ずしも現実を反映しているわけではありませんのでご注意ください。
■事実
GDC 2026:F1 25のパストレーシングデモ
最適化なしの素のPC実装をPS5 Proに移植した場合、フレームレートは約20fps(フレーム時間約42.32ms)でした。
EAのR&D部門「SEED」が開発した独自最適化技術「ORCA」を適用することで、フレーム時間を23.36ms(約43fps)まで短縮、30fps提示に十分なヘッドルームを確保しています。
ORCAによる最大の性能向上は間接光(indirect lighting)の最適化から得られました。
EAはこのデモが正式なゲームアップデートとして実装されるかどうかを明らかにしておらず、現時点では技術的な実現可能性の証明(PoC)という位置づけです。
Digital Foundryのリチャード・リードベターは、ベース解像度をさらに下げてPSSRで補完する余地があると指摘しています。
GDC 2026において、EAとCodemastersのエンジニア、トム・ハマーズリーが「F1 25 Path Tracing at 200MPH」と題した講演を実施しました。
F1 25のPC向けパストレーシング実装を解説した技術セッションで、ゲームエンジン「EGO」への実装をわずか12ヶ月で完成させたことを紹介しました。
同講演において、PlayStation 5 Proでフルパストレーシングを動作させたデモを披露しました。
デモはデイライトのサーキットを内部解像度1080pで描画し、PS5 Pro搭載のPSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)で4Kにアップスケールしました。
PlayStation 6のスペック(リーク情報)
発売時期はPS5 Pro比3〜6倍のレイトレーシング性能とも言われ、コンソールでのパストレーシング60fps動作が視野に入っています。
PS5 Proのパストレーシングが30fps達成なら、レイトレーシング性能が3〜6倍のPS6では、単純計算で同等画質のパストレーシングが90〜180fps相当になります。
Digital FoundryはRDNA 5がパストレーシングのために設計されたアーキテクチャである点を強調しています。
発売時期は2027年秋以降が有力との見方が多いが、メモリ価格高騰を原因とする2028〜2029年への遅延説も浮上中です。
PlayStation 6のGPUはAMD RDNA 5アーキテクチャを採用したセミカスタムAPU(コードネーム:Orion)を搭載予定(いずれも未公式のリーク情報)です。
レイトレーシング性能はPS5比で6〜12倍の向上が見込まれると複数のリーカーが報告(Moore’s Law is Dead、KeplerL2)しています。
ラスタライズ性能はPS5比で約2.5〜3倍となります。
CU数は52〜54基のRDNA 5、クロック最大2.6〜3.0GHz、推定演算性能34〜40TFLOPSです。
メモリはGDDR7・30GBが有力(最大40GB対応設計だが、メモリ価格動向により変動の可能性)です。
製造プロセスはTSMC 3nm、チップ面積は約280mm²となります。
PlayStation携帯機(Canis)のCPUボトルネック懸念
KeplerL2はNeoGAFにて「GPU負荷はリニアに解像度スケールするわけではないのでGPUは問題ではない。潜在的な問題はCPUで、携帯機サポートが必須であれば、物理演算やNPC群衆密度などのCPU依存ワークロードを開発者が十分に突き詰められなくなる可能性がある」とコメントしています。
Sonyが携帯機サポートを開発者に義務付けるかどうかは未確定です。
CanisのAPUは低消費電力設計専用のライブラリで実装されており、高クロック動作への転用は困難と説明されています。
SonyはPS6本体(Orion)と並行して、携帯ゲーム機(コードネーム:Canis)を開発中とリーカーが報告しています。
CanisのスペックはCPUはZen 6c×4コア+Zen 6 LP×2コア、GPUはRDNA 5 16CU、LPDDR5x 24GB、192ビットバスとなります。
Canisのラスタライズ性能はPS5の0.55〜0.75倍程度だが、RT性能はRDNA 5の効率化によりPS5比1.3〜2.6倍です。
Xbox Series Sよりもラスタライズ性能でわずかに上回り、レイトレーシングでは大幅に優位です。
解説
パストレーシングがコンソールで動いた意義
「PS5 Proでは不可能」という長年の定説を、最適化技術ORCAが覆した。開発者の工夫次第でハードウェアの限界は変わる、という好例だ。
ただし、このデモはF1 25の正式機能ではなくPoC。実際の製品に降りてくるかどうかは別の話だ。
パストレーシングはレイトレーシング(RT)のさらに上位に位置する手法で、光の物理的挙動をほぼ完全にシミュレートする。従来はハイエンドPC専用技術とされていた。
Cyberpunk 2077のPC版パストレーシングが「RTX 4090でやっと動く」という水準であることを考えると、PS5 Proで30fpsを実現したことは、技術的インパクトとして素直に評価できる。
PS6でのパストレーシング60fpsは現実的か
RDNA 5はパストレーシングのためのアーキテクチャ改善を複数含んでいると言われており、同じCU数でもRDNA 4比の効率向上が期待される。
PSSRをはじめとするAIアップスケーリングとの組み合わせは不可欠。ネイティブ解像度でのパストレーシングではなく、「低解像度でパストレーシング+アップスケール」という構成が現実解だ。
問題はRDNA 5の実力がまだ完全に明らかではないこと。リーク数値は楽観的すぎる可能性もゼロではない。
PS5 Proが最適化ありで30fpsを達成しているなら、PS6のRT性能がPS5 Pro比3〜6倍という数値を素直に当てはめれば、パストレーシング60fpsは射程圏内だ。
ただし「10倍」という数値はPS5基準。PS5 Proはすでにそこからある程度引き上げられた位置にある点に注意が必要だ。
携帯機サポートが「お荷物」になる可能性
携帯機サポートが「推奨」にとどまれば問題は小さい。しかし過去のPS4→PS5移行期のように、アクティブユーザーの多い旧世代を無視できない構造が再現されると、CPUの使い方が保守的になる。
「60fpsのパストレーシングで描かれるのが、人口密度の薄いゴーストタウン」では元も子もない、というオチになりかねない。
結局のところ、Sonyが携帯機サポートをどう位置づけるかがPS6ソフトウェア全体のCPU予算を左右する。この点は正式発表まで判断しようがない。
CPUのスループット依存ワークロード(物理演算、NPC群衆、AIふるまい)はGPUのように解像度で逃げることができない。これがKeplerL2が指摘したポイントだ。
仮に携帯機サポートを義務化した場合、CanisのCPUはPS5と同等かやや下回る水準で、次世代ゲームのCPU要求を本体が引き受けるシナリオでは上限になってくる。
市場的な意味
次世代コンソールの本当の戦場は「何TFLOPSか」ではなく「どの解像度×何fpsでパストレを動かせるか」にシフトしつつある。
コンソールがパストレーシングを60fpsで動かせるなら、PC側の「RTX5090でやっと60fps」という現状を逆照射することになる。PC向けゲーム開発のパストレーシング普及加速材料になりうる。
ただし高品質なビジュアルと高フレームレートのどちらを優先するかは開発者とプレイヤーの判断に委ねられる。
コンシュマーだとAMDのライバルであるNVIDIAのもたらすAI技術に否定的な人もいると思うが、市場は結局AI技術を取り入れる方に動いている。
AMDもNVIDIAに1世代遅れ程度のサイクルで取り入れている。
特にゲーム機はメーカーが囲い込んでおり、メーカーがAI技術を取り入れると決めたら避けようがないので、結局AI技術を受け入れざるを得なくなる。
次世代のゲーム機ではもはや誰も何TFLOPSなのかなど誰も気にしなくなるだろう。もう誰もどのくらいレンダリング性能が高いなのかなど気にすることはないだろう。
(レイ再構成のような)AI技術に支援されて、パストレーシングの性能がどのくらいなのか?注目されるのはそこだ。
私もMFGはあまり意義を感じない技術だが、AMDがFSR4で取り入れた以上、PS6にはほとんど標準搭載される技術になるといっていい。
NVIDIAのAI技術に否定的な人は今のうちに訂正しておかないと次世代機で赤っ恥をかくことになるかもしれない。
ソース: https://www.youtube.com/watch?v=5uNxLnL8Jcg&t=800s