自作PCユーザーがゲーム用PCの解説をします

自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド

MLD DLSS 5炎上・FSR 4.1・Xbox Project Helix・Zen 6ベンチ他

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※ 画像は記事の内容をもとにしたイメージで、必ずしも現実を反映しているわけではありませんので注意してください。

■事実

DLSS 5発表と業界を席巻した批判

NVIDIAはGTC 2026において、次世代グラフィックス技術「DLSS 5」を発表した。 DLSS(Deep Learning Super Sampling)の新バージョンとなる本技術は「3D誘導ニューラルレンダリング」を採用し、ゲームのリアルタイム映像にAIがフォトリアルな照明・素材質感をリアルタイムで付与するというものだ。

NVIDIAの公式説明によれば、DLSS 5はゲームのレンダリング済みフレームのカラー情報とモーションベクターのみを入力として使用し、3Dシーンデータやゲームエンジンの内部情報には直接アクセスしない設計となっている。

発表直後からSNSでは「AIスロップフィルター」という批判語が飛び交い、YouTuberのダニエル・オーウェンズ氏がNVIDIAの広報担当ジェイコブ・フリーマン氏に直接メールで確認したところ、DLSS 5が「3Dシーンデータの明示的な理解に依存していない」ことが文書で明確にされた。

これはつまり「ゲームの内容をAIが理解した上で処理しているのではなく、2D映像を見ながらリアルタイムで推定・書き換えを行っている」ことを意味する。

Digital Foundryのアレックス・バタリア氏は独自テストにより、DLSS 5がシャドウの欠落・点滅、さらにはキャラクターの顔面形状が変化する事例を確認したと報告した。

NVIDIAがデモに使用したCapcom製ゲームのヒロイン「グレース・アシュクロフト」の顔面は、DLSS 5適用後に肌がなめらかすぎる別人のような顔に変化しており、これが「yassification(AI美化処理)」問題として批判の焦点となった。

Capcomの開発者はNVIDIAによるデモ使用を事前に知らされておらず、公開と同時に初めて映像を確認したことが後に報じられた。

デモに使用されたシステムはGeForce RTX 5090が2枚組であり、市価に換算すると約120万円前後のGPU構成だ。

JensenファウンダーCEOはTom’s Hardwareとの質疑応答で「批判者は完全に間違っている」と述べ、「開発者はジオメトリ・テクスチャ・ジェネラティブAIの要素すべてを直接制御できる」と反論した。

その後、Lex Fridmanのポッドキャストでは「批判者の感じていることには共感する、AIスロップは自分も好きではない」と発言を軟化させ、DLSS 5はあくまで開発者が使うかどうか選択するオプションであると説明した。

NVIDIAによれば、開発者が調整できる項目は「強度」「カラーグレーディング」「特定領域のマスキング(適用除外設定)」とされている。

エラー事例はさらに拡大しており、バイオハザードのゲーム内サインの文字が変化・消失するケース、キャラクターの瞼が除去されたり眼球から別の物体がポップインするケースが視聴者から多数報告されている。

特に「文字の変化」については、文字を読んでパズルを解くタイプのゲームでは、AIが別の文字に書き換えることでパズルが解けなくなる可能性がある。

Broken SiliconのホストであるトムはBethesdaのトッド・ハワード氏がDLSS 5を支持するコメントをしたことについて「Bethesdaのすべての従業員が嫌がっているという情報がある。センスがないか、接待されているかのどちらかだ」と手厳しく批判した。

ダンは「Starfieldのように元々アートディレクションが弱いゲームはAIで多少改善するかもしれないが、そもそもアートが優れていないゲームをAIで少しマシにして何の意味があるのか」と指摘した。

現在の技術的評価として、DLSS 5は「フレームが画面外に消えた瞬間、カメラが戻った際に異なる外観になっている可能性」「視野角外のキャラクターが次のフレームでは別人になっている可能性」という根本的な不安定性を抱えている。

NVIDIAはDLSS 5を2025年秋リリース予定としているが(2026年3月現在未リリース)、業界の反発を受けて技術的な見直しが行われる可能性も否定できない。

DLSS 5は投資家向けの発表だったのか

Carbon Cry氏(番組ライター)はメールで「もしDLSS 5が素晴らしいものになれるとしても、なぜ完成前にこんな段階で公開したのか。1本のゲームで完成度を高めてから見せればよかったはずだ」と指摘した。

これに対しトムは「投資家向けの発表だと思う。NVIDIAは競合に先んじて革新的な技術を持っていることを印象付けたかった。RTX 6000シリーズの遅延の噂もあり、AMDがRDNA 5を年内に発表するかもしれないという状況を踏まえると、今この段階で大きな話題を作る必要があった」と分析した。

またトムは「DLSS 5的なアプローチはAMDを排除するための戦略でもある。AMDはゲームを対応させることができず、結果的にビジュアル品質で劣っているように見えてしまう」という構造的な問題も指摘している。

RTX 6000シリーズではダイの大半がニューラルレンダリング向けのAIアーキテクチャに割り当てられるとも考えられており、「かつてダイの80%をレイトレーシングとラスターに使うのは愚かだと気づいたように、今度はAIアーキテクチャを活用する方向に全面的にシフトした」とトムはコメントした。

AMDはNVIDIAのミスをどう活かすべきか

ダンとトムはAMDがDLSS 5騒動から取るべき教訓として以下を議論した。

AMDがやるべきことは「同じことをやや遅くやや劣化させて後追いすること」ではなく、「NVIDIAが外挿している方向を意識しつつ、顔は触らない・照明だけ改善するような節度ある実装」でDLSS 5と差別化することだ。

また、「パフォーマンスモード」のフレームレートが世代を重ねるごとに下がっている問題——たとえばFSR 3のパフォーマンスモードが130fps出るのに、FSR 4.5では同一設定で115fpsになるような事象——についても改善を求めた。

「本当のフレームで高いフレームレートを実現するパフォーマンスモードの強化」こそ、フレーム補完・AIスロップへの嫌悪感が高まるなかでAMDが差別化できるポイントだとトムは主張した。

なおフレーム補完(フレーム生成)技術において、補完されたフレームには新しいプレイヤー入力情報は含まれない。 入力応答性は元のレンダリングレートに固定されたままであり、高フレームレートの視覚的滑らかさとゲームパッドの操作応答は別の話だ。 コンペティティブなFPSプレイヤーの一部がフレーム生成をオフにしてネイティブフレームレートを重視するのは、この制約を正しく理解していることの表れだ。

AIを活用したゲーム開発コスト削減の現実

AIをゲーム開発ツールとして使う視点から、リスナーのAI Viewable Chief氏がGTA 6の開発コストへの影響と「60ドルAAAタイトル復活の可能性」を質問した。

トムはまず価格問題について回答。2006年当初の60ドルを2026年のインフレ換算すると約100ドル(98.88ドル)に相当し、「AAAゲームの価格は本来100ドルになっているべきで、開発者への怒りは政府のインフレ政策への怒りにすり替えるべき」と主張した。

AIツール活用による恩恵は大規模スタジオではなく「中規模スタジオが70ドル以下でゲームを出せるようになること」であり、AAAスタジオの場合はコスト削減分を利益率改善に充てるとみられる。

映画産業との比較として、Mission: Impossible ファイナル・レコニングが6億ドルの興行収入でも「失敗作」扱いになる現実を挙げ、エンターテインメント産業全体のコスト構造問題を示した。

CapcomがRE Engineを活用し高品質なゲームを3〜5年サイクルで安定供給していることをポジティブな対比例として挙げた。

リアルタイムレンダリングではなく「発売前に一括でAI処理して品質を底上げする」ツールとしての活用は有望だが、NVIDIAがリアルタイム処理にこだわる理由は「AMD環境では使えないようにするため」であるとトムは指摘した。

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AMD FSR 4.1 正式リリースとテスト結果

AMDは2026年3月19日、Crimson Desertの発売に合わせてFSR(FidelityFX Super Resolution)4.1を正式リリースした。

対象は引き続きRDNA4世代のRadeon RX 9000シリーズに限定されており、RDNA 2・RDNA 3への正式対応は発表されていない。

Hardware UnboxedのテストによればFSR 4.1は動体・植生・チェーンフェンス等の細部テクスチャの鮮明さがFSR 4.0.3より向上した一方で、植生の端や細い線のシマー(時間的不安定性)が増加するトレードオフが確認されている。

「解像度が一段階高いモードで動作しているような感覚」とティムは評しており、FSR 4.1はDLSS 4.5との差を縮めているが、まだ安定性の面で作業が残っているとも指摘された。

AMD公式の立場として「RDNA 2・3向けFSR 4については情報なし」と一貫して回答しており、FSR 4.1においても状況は変わっていない。

コミュニティでは非公式にFSR 4.1のDLLファイルをRDNA 3に適用するテストが行われ、FSR 4.0.3よりもRDNA 3での動作が改善するという結果が報告されている。

これについてトムは「FSR 4.1がRDNA 3での動作を改善するという結果が出たなら、AMDよ一体何をやっているんだ。Sonyとの共同開発(Project Amethyst)でPSSR 2を作りながら、同じコードをRDNA 3に提供しないというのは筋が通らない」と批判した。

Mark Cernyが「PSSR 2はPC上のRDNA 3に適用できる手法と同じだ」とSNSで述べたことは、FSR 4のRDNA 3非対応がビジネス判断であることを事実上裏付けていると番組は評価した。

Sony PSSR 2 包括的テスト

Digital Foundryが複数タイトルを使ってPSSR 2の本格的なテストを実施し、大幅な画質向上を確認した。

Alan Wake 2では2.5倍という高倍率のアップスケール比でも、60fps維持かつ画質面での大きな問題がなく、GPU余力も大量に残るという結果になった。

Alan Wake 2がPS5およびPS5 Proにおいて低ベース解像度を使用していることは従来から指摘されていた弱点であり、PSSR 2がその弱点を事実上カバーしていることが実証された。

コンソール向けアップスケーラーとPCのDLSS・FSRを単純比較する際の注意点として、コンソールゲーマーはPC環境より画面から離れて視聴するため、解像感よりも時間的安定性(ちらつきの少なさ)を優先したチューニングになっており、その結果「魔法のように」見えやすい性質があることも解説された。

Broken Siliconのトムは「PS5 Pro存在意義の大きな柱と言えるレベルの成果」と評価しており、PSSR 2がFSR 2から4への飛躍に相当する大幅な進化だと位置付けた。

PSSR 2の採用拡大状況として、システムレベルで強制的に切り替えるオプションが一部タイトルで確認されている。

Xbox Project Helix:GDC 2026での詳細発表

MicrosoftはGDC 2026において、次世代Xboxコードネーム「Project Helix」の技術的詳細を明らかにした。

Project HelixはAMDとの複数年パートナーシップのもとで開発された完全カスタムSoCを搭載し、XboxコンソールゲームとPCゲーム両方の実行を設計目標としている。

ハードウェア面では次世代DirectX・AMDの次世代FSR技術との深い統合が確認された。 具体的にはAMDの「FSR Diamond」スタック——次世代NPUによるマルチフレーム生成、ニューラルテクスチャ圧縮、RTおよびパストレーシング向けニューラルレイ再生成、ニューラルレンダリングを含む包括的な技術群——との統合が発表された。

レイトレーシング性能については「現行世代比で桁違いの向上(order of magnitude leap)」と表現されており、RDNA 5世代のGPUアーキテクチャが搭載されるとみられる。

開発者向けアルファハードウェアの出荷は2027年が予定されており、コンシューマー向け発売は早くとも2027年後半〜2028年になる見込みだ。

Xbox ModeはROG Xbox Allyで先行したコンソール風フルスクリーンインターフェースをWindows 11全デバイスに2026年4月から展開する。

MicrosoftはWindowsの品質改善計画についても異例のブログ記事を公開し、従来の「問題があっても認めない」姿勢からの転換を示した。

Steam対応については公式に言及がなく、トムは「何らかの制限が入る可能性を警戒している」と述べた。 Xboxストア経由の購入でのみFSR Diamond・DirectStorage等の最適化が有効になるような間接的な誘導があり得ると警戒している。

Valve Steam Machine RAMショーテージ問題

業界イベントにおいてValveのスピーカーが「大量のRAMを持っている業者がいれば購入したい」と発言し、Steam Machine向けのRAM確保が不十分である可能性が浮上した。

Steam Machineは2026年内の発売を目標としているが、現時点でもRAM調達が完了していないとすれば深刻な計画の遅れを示している。

Broken SiliconのトムはSteam Machineについて「2026年上半期中に発売できなければ発売しない方がいい」という強硬な立場を繰り返し、発売が遅れれば競合(Project HelixyやPS6)との差別化が困難になると主張した。

比較例として「もしSonyがPS6を発表した後にRAMを購入しようとしたら、メーカーに足元を見られた価格を提示されることは自明だ」と指摘した。

ValveはSteam Deckという成功したハードウェア製品を持ちながら、Steam Machineではサプライチェーン構築という基本的なプロセスが機能していないように見えるとダンも指摘した。

また、Valveのフラット組織構造が多くのプロジェクト失敗の原因となってきたことも改めて言及され、「Valveはゲームを作るのが得意ではなく、Steamというパッシブ収入があるため危機感がない」との評価が示された。

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AMD Zen 6「Medusa Point」初期ベンチマーク

AMDの次世代APU(Accelerated Processing Unit)「Medusa Point」のエンジニアリングサンプルがGeekbench 6のデータベースに登録された。

識別子は「AMD Eng Sample: 100-000001713-21_N」で、「AMD Plum-MDS1」プラットフォーム上でテストされている。 「Plum」は次世代モバイルプラットフォームFP10向けの開発ボードのコードネームと考えられており、「MDS1」はMedusa Point 1の略称とみられる。

スペックはZen 6コアを採用した10コア20スレッド、L2キャッシュ10MB、L3キャッシュ32MBで、現行Strix PointおよびGorgon Pointの24MBから33%増となっている。

ベースクロックは2.4GHzと表示されているが、実際のベンチマーク動作は2.0〜2.1GHz程度で推移していたとされる。

この動作クロックでのスコアはシングルコア2,300・マルチコア13,002を記録した。

比較として、現行Ryzen AI 9 365(Strix Point、同じく10コア20スレッド、ブースト5.0GHz)のGeekbench平均はシングル2,480・マルチ12,445程度であるため、約40〜50%のクロック差を埋めてほぼ同等の性能を発揮していることになる。

クロック周波数の違いが全体性能に直結するため、IPCが現行Zen 5から大幅に向上していることが示唆されているが、エンジニアリングサンプルはクロックが意図的に低く設定されており、最終製品での性能はさらに大きく向上する見込みだ。

GPUアーキテクチャについてはRDNA 4Mの搭載が噂されており、コンピュートユニット数は8基の見込みだ。 RDNA 4Mは一部機能を省略したRDNA 4であるが、FSR 4対応・レイトレーシング改善が期待される。

ポッドキャスト内でトムは「RDNA 4が3nmプロセスで8CUかつ3.5GHz動作できるとすれば、現行13CU相当の性能になる計算。しかもStrix Pointはメモリバンドワイドがボトルネックになっており、帯域改善が伴えばCU数の少なさを補える」と分析した。

Medusa Pointは2027年CES前後の発売が見込まれており、現在のベンチマークはあくまで参考値だ。

Zen 6デスクトップとX3Dのタイミング問題

リスナーのTechnoからの質問として「Zen 6はX3D版を同時発売すべきか」というテーマが取り上げられた。

Zen 6デスクトップは現時点では2027年初〜中頃に遅延する可能性が高いとトムはみており、X3DはもともとZen 6メインラインの1〜2ヶ月後を想定していた可能性がある。

トムの提言は「同時発売は必須でないが、同時発表は必須」というものだ。 Zen 2の3950Xのように、3900Xの発売後しばらくして3950Xが発売されたが、両者の価格と仕様は事前に公表されており、ユーザーは「待つ価値があるか」を判断できた。

Zen 5の9700Xが発売時に「X3D抜きだとここまで性能が低いのか」と不当に評価されたのは、9800X3Dの仕様と価格が発表されていなかったためだとトムは指摘した。 「9800X3Dが事前発表されていれば、9700Xへの評価はもっと公平だったはずだ」と述べた。

Intel Arrow Lake Refresh:Core Ultra 5 250K Plus・Core Ultra 7 270K Plus

Intelは2026年3月26日、Arrow Lake Refreshシリーズ「Core Ultra 5 250K Plus」(199ドル)および「Core Ultra 7 270K Plus」(299ドル)を発売した。

Core Ultra 5 250K Plusは旧245K(6P+8E)からEコア4基を追加して6P+12E構成に。 Core Ultra 7 270K Plusは旧265K(8P+12E)からEコア4基を追加し、Core Ultra 9 285Kと同じフル8P+16E構成を299ドルで提供する。

両製品ともダイ間のD2D(Die-to-Die)インターコネクト周波数を900MHz高速化し、Arrow Lake最大の弱点だったメモリレイテンシ問題の改善を図っている。

ネイティブ対応メモリ速度はDDR5-7200に拡張された(旧Arrow LakeはDDR5-6400)。

Intelは同時に「Binary Optimization Tool(iBOT)」を導入した。 AMDおよびArmアーキテクチャ向けに最適化されたゲームの実行バイナリをリアルタイム解析し、IntelのSIMD命令向けコードに動的置換するソフトウェアツールだ。 iBOTが有効なタイトルではShadow of the Tomb Raiderで最大39%、平均で約15%のゲーミング性能向上がIntelの内部データで確認されているが、対応タイトルは現時点で限定的だ。

価格については旧来のArrow Lakeと比較して大幅値下げとなっており、旧Core Ultra 7 265K(400ドル)に対して270K Plusは299ドルと、85Kとほぼ同等の性能を約75%の価格で提供している。

スペック比較表:

モデル Pコア Eコア L3 価格
Core Ultra 5 245K(旧) 6P 8E 24MB 〜200ドル
Core Ultra 5 250K Plus 6P 12E 30MB 199ドル
Core Ultra 7 265K(旧) 8P 12E 30MB 〜290ドル
Core Ultra 7 270K Plus 8P 16E 36MB 299ドル
Core Ultra 9 285K 8P 16E 36MB 〜400ドル

Broken SiliconのトムはiBOT普及については懐疑的で「APO(Application Performance Optimizer、前世代の同種ツール)が数タイトルに限定されたままだった教訓を忘れてはいけない。3〜6ヶ月後の普及状況を見て評価すべき」と述べた。

マルチスレッド用途ではRyzen 7 9700Xよりも270K Plusを薦め得ると評価しつつ、ゲーミング用途では「9800X3Dの壁は越えられず、AM5プラットフォームのZen 6へのアップグレードパスを考えれば9600Xの方が長期的に有利な場合がある」との見解を示した。

またDDR5-7200の採用については「そのメモリ自体の価格がいくらするのかを考えると、システム全体の費用対効果を冷静に見る必要がある」と現在のRAM価格高騰との兼ね合いにも言及した。

「299ドルで24コアを出さなければならない状況は、Intelが競争で敗北していることの証明だ。Nova Lakeが本当に必要とされている」とトムは締めくくった。

ASRockが未発売のRyzen 9 9950X3D2を誤公開

ASRockが2026年3月16日付で「AMD Ryzen 9 9950X3D2プロセッサーを全AM5マザーボードで正式サポートする」というプレスリリースを公開し、後に削除した。

プレスリリースには「過去最大のキャッシュ量により、前世代比で高いゲーミング性能を実現する」との記述があり、デュアルCCD・デュアル3D V-Cacheの仕様を強く示唆している。

既存のリーク情報と照合すると、Ryzen 9 9950X3D2のスペックは以下の通りとみられる: 16コア32スレッドのZen 5、各CCDに96MBのV-Cacheを搭載した合計192MBのL3キャッシュ(旧9950X3Dの128MBから50%増)、TDPは200W(旧9950X3Dの170Wから上昇)、最大ブーストクロックは5.6GHz(旧9950X3Dの5.7GHzから0.1GHz低下)となる。

CES 2026での発表が噂されていたが実現せず、3ヶ月が経過した現在も正式発表はされていない。

Broken Siliconのトムは「ASRockはAMDに近づこうとしていると聞いているが、もしかするとArrow Lake Refreshが発売されたこのタイミングで、AMDが意図的にASRockを通じてリークさせた可能性もゼロではない」と分析した。

また「Core Ultra 9 290K Plusのような競合フラッグシップが出るまで、9950X3D2を温存している可能性が高い。AMDとしては9850X3Dの販売で利益を出しつつ、適切なタイミングで切り札を投入したいのだろう」と述べた。

まとめ(ラップアップ)

Crimson Desertは発売時点でIntel Arcグラフィックスを完全に非サポートとしており、Arcグラフィックスを搭載したPCで起動しようとすると返金手続きのリンクが表示される状態だ。

トムは「Crimson DesertはArrow LakeやPanther Lakeの統合グラフィックス(iGPU)でも動けば中低価格ラップトップで長く遊ばれるゲームになれたのに」と惜しんだ。

Nintendo Switch 2については欧州のバッテリー交換可能化法令(修理権指令)に対応するため、EU向けに分解可能なバッテリー設計の別バリエーションを用意する可能性が浮上した。 両ホストはこれを「消費者にとって歓迎すべき方向性」と評価した。

Sony PlayStationがPSN(PlayStation Network)ブランドを段階的に廃止し、PS+中心のブランド体系に移行するとの報道があった。 詳細は不明で、「大きなサービス変更よりもブランド整理の可能性が高い」との見解を示した。

Sonyの幹部が「将来のゲームにおいてAIによるフレーム補完の活用を検討している」と発言したことについて、ダンは「実装されるとしてもオフにできる機能であることが絶対条件」と述べ、トムは「DLSS 5への反発を見た後でSonyが無神経な実装をするとは思いたくない」と語った。

解説

今回のBroken SiliconはDLSS 5だけで40分以上が費やされた。 それだけ業界全体を揺るがす話題だということだが、炎上の「第三の波」として注目すべきは「見た目がおかしい」から「エラーが多発している」への議論の深化だ。

DLSS 5の核心問題を整理すると、ゲームのアートを作ったのはゲームデベロッパーのアーティストだが、その映像をNVIDIAのAIが「より写実的に見えるように」書き換える。 アーティストに許されたコントロールはカラーグレーディングのみで、キャラクターの顔が別人になっても「なぜそうなったか」を制御する手段がない。

CapcomのアーティストがデモでNVIDIAに無断使用された事実は、この技術のガバナンス上の問題を端的に示している。 「開発者に制御権がある」というNVIDIAの主張は、カラーグレーディングを「制御」と呼ぶのであれば技術的には嘘ではないが、実質的には看板の絵柄を変える程度の制御しか与えられていない状態だ。

「事実」の方にも書いてあるが、DLSS5をなぜこんな炎上するような方法で公開したのかは理解に苦しむところだ。

x.ocmではネタにされて玩具にされている。完全にネットミームと化している。

それでもGeforceが市場の95%を占めているのが今のNVIDIAの強さだ。

フレーム補完(フレーム生成)に関して改めて触れておく。 フレーム補完で生成されたフレームには新しいプレイヤー入力情報が含まれず、入力応答性は元のレンダリングレートに固定されたままだ。 これはDLSS 5とは別の話だが、NVIDIAのグラフィックス技術群の方向性として「見かけ上の数字を増やすが実際の体験は異なる」という構造が共通している点は指摘しておきたい。

FSR 4.1については、「鮮明さが増したが安定性が低下する」というトレードオフはアップスケーリング技術では繰り返されるパターンだ。 より問題なのはRDNA 3非対応の問題で、FSR 4.1のmod版がRDNA 3でFSR 4.0.3より良い結果を出すという事実は、AMDが意図的に対応を遅らせていることを示唆している。

RX 7900 XTXオーナーが最新のアップスケーリング技術から排除されていることへの不満は、AMD RX 9000シリーズの新規購入者獲得効果を相殺するリスクがある。 これはFSR 4がRDNA 2/3に対応しないことが「技術的制約ではなくビジネス判断」であるとコミュニティが正しく判断しているからだ。

個問題はRX 9000の長所というよりもAMD製品のサポート期間の短さという欠点を浮き彫りにしている。AMDは信用と売り上げのトレードオフを良い取引だと思っているのかもしれないが、長い目で見てかなり損をする取引であることは明白で、この辺りに早く気が付いてほしいところだ。

Xbox Project Helixについて、NVIDIAがDLSS 5で「AII Xboxゲームは自社ストア経由」への誘導が懸念されるが、Microsoftが同様の手法を取らないとは言い切れない。 Steam連携の扱いが最大の焦点となり、「Helixで買えば動作最適化される」という形での間接的な囲い込みは十分あり得るシナリオだ。

一方でMicrosoftが「Windowsは批判を受けており改善する」と公言したことは過去にほとんどなかった。 Asha Sharma体制がXboxとWindowsの本当の変化の起点になるのか、注目したい。

Valve Steam Machine問題は笑えない深刻さだ。 Steam Deckという成功体験があっても、大型コンソール製品のRAM調達という基本プロセスができていないとすれば、Valveはハードウェア企業としての体質が本質的に改善されていないことを示している。

Zen 6のベンチマーク結果は、MLIDが長年主張してきた「Zen 6はIPCが大幅向上する」予測の早期の裏付けとなる数字が出てきた点で注目に値する。 ただしエンジニアリングサンプルのクロックは常に控えめであり、最終製品での性能は別物になる可能性が高い。

Nova Lakeも性能がかなり向上するといわれており、Zen6とどちらが覇権を確立するのか気になるところだ。ひと昔前で言えばIntelが勝つと判断する人が多かったのだろうが、近年、Intelは数々の失敗をやらかしているので製品が出てみるまで分からないというのが正直なところだ。

Intel Arrow Lake Refreshは「遅すぎた本来あるべき製品」という評価が正直なところだ。 299ドルで24コアというのは価格としてアグレッシブだが、Nova Lakeまでの繋ぎ製品であることは自他ともに認めており、「今買う理由」は主にマルチスレッド用途での費用対効果に限定される。 ゲーミングではRyzen 7 9850X3Dへの解答にはなっておらず、AM5プラットフォームのZen 6アップグレードパスという長期的視点ではAMDの優位が続く。

9950X3D2については、ASRockの「誤」リークのタイミングがArrow Lake Refresh発売直後という点が気になる。 AMDがIntelの発表に合わせてプレッシャーをかけるために意図的にリークさせたとしても不思議ではなく、実際の発売は「Core Ultra 9 290K Plus相当の競合製品が出た瞬間」がトリガーになる可能性が高い。

今回の一言まとめ:NVIDIAはゲームのアートをAIで上書きし、Valveはハードを売る前にRAMを買い忘れ、Intelはやっと値付けを理解した——2026年3月第四週の業界状況を端的に表している。