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画像生成AI各プラットフォームの勢力図 2026年3月版

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2026年3月、画像生成AIのエコシステムは大きな変革期を迎えています。本調査では CivitAI に投稿された LoRA・Lycoris・DoRA の件数をもとに、各モデルベースの普及状況と勢力図を分析しました。

調査方法

画像生成AIのエコシステム成熟度を測る指標として、本調査では CivitAI に投稿された LoRA・Lycoris・DoRA の件数を用いた。LoRA系アドオンの数はそのモデルベースに対するコミュニティの「実際の投資量」を直接反映しており、ダウンロード数や評価点よりも生態系の規模を客観的に示す指標として機能する。

調査プロセス

  • CivitAI のモデル検索フィルターで LoRA / Lycoris / DoRA を対象に絞り込み
  • 各モデルベースに関連性の高い 1文字の検索ワード を入力(空白検索では件数が表示されないため)
  • 検索ワードは各モデルの頭文字または代表的な略称を使用(s, f, z, q, a など)
  • 調査日時:2026年3月25日
  • Illustrious は 100,000 件の 表示上限 に到達しており、実際の件数はこれを上回る可能性がある

⚠️ 注意事項
1文字検索という性質上、対象モデル以外の無関係なアドオンが一定数含まれる可能性がある。また検索ワードの選定によって件数が変動するため、本データはあくまで相対的な規模感の比較として参照されたい。

LoRA採用数データ一覧

2026年3月25日時点のCivitAIにおける各モデルベースのLoRA・Lycoris・DoRAの合計件数。

モデルベース 系統 検索ワード LoRA数(件) 備考
Illustrious SDXL派生 / NovelAI系 s 100,000+ 表示上限到達・実数はこれ以上
Pony Diffusion SDXL派生 / anime向け s 80,075 成熟期
Stable Diffusion 1.5 SD1系 / Runway・CompVis s 54,145 レガシー・縮小傾向
SDXL 1.0 SDXL系 / Stability AI s 18,578 縮小傾向
FLUX.1 [dev] FLUX系 / Black Forest Labs f 18,051 リアル系で急成長中
Z Image Turbo Z Image系 / 高速蒸留 z(base はf) 3,075 新興モデルとして最注目
Qwen(画像生成) Qwen系 / Alibaba q 681 参入初期
Anima Anime特化 / 2B軽量モデル a 517 低VRAM向けニッチ狙い
Z Image Base Z Image系 / ベースモデル f 359 初期段階
FLUX.1 [schnell] FLUX系 / 高速版 f 249 低調
FLUX.2 [dev] FLUX系 / 32B大型モデル f 52 参入初期
FLUX.2 [klein] FLUX系 / 軽量版(9B・NC) f(base 25件) 27 参入初期・NC Licenseあり

※ Z Image Base の検索ワードは f。FLUX.2 Klein の base 件数は 25件(Turbo含む合計 27件)。

上位10モデル比較グラフ

Illustrious を 100% として正規化した横棒グラフ。CivitAI 表示上限(100,000件)に達している Illustrious の実数はさらに多い可能性がある。

モデル LoRA数(件) 相対規模
Illustrious 100,000+
Pony Diffusion 80,075
SD 1.5 54,145
SDXL 1.0 18,578
FLUX.1 [dev] 18,051
Z Image Turbo 3,075

3%

Qwen(画像) 681

<1%

Anima 517

<1%

Z Image Base 359

<1%

FLUX.1 [schnell] 249

<1%

急成長中の生成AIテクノロジーと概要

現在のCivitAIエコシステムにおいては、トップ3(Illustrious・Pony・SD1.5)が圧倒的なシェアを占める一方、新世代モデルが 10,000件の壁 を超えられるかどうかがポジティブフィードバックループ発動のカギとなっている。

Illustrious(100,000+ LoRA)

SDXL をベースにした anime特化の派生モデル。NovelAI系の技術的蓄積を引き継ぎ、2025年後半から爆発的にLoRAが蓄積。現在CivitAIの表示上限に到達しており、デファクトスタンダードとして確立している。LoRA数が増えれば増えるほど新規ユーザーが集まり、さらにLoRAが増えるというポジティブフィードバックループがすでに完成している状態だ。

Z Image Turbo(3,075 LoRA)

FLUXをベースにした高速蒸留モデル。Turbo版は3,075件と新興モデルとしては異例の伸びを見せており、現時点で 「次の10,000件突破候補」として最も可能性が高いモデル と評価できる。FLUX系のリアル路線を引き継ぎながら高速推論を実現しており、LoRA制作コミュニティへの浸透が今後の鍵となる。

注目ポイント
10,000 LoRAが「ポジティブフィードバックループの発動ライン」と見られる。2026年前半にZ Image Turboがこのラインを超えられるかどうかが、エコシステム版図の最大の観察ポイントとなる。

Anima(517 LoRA)

わずか2BパラメータのAnime特化軽量モデル。テキストエンコーダーにQwen系を採用することで、大規模LLMの意味空間検索能力を蒸留的に取り込む独自設計が特徴。低VRAMデバイス(8GB以下)での実用的なanime生成を可能にし、Illustrious を動かせないユーザー層をターゲットにする。

ただしIllustriousとの品質差は大きく、直接競合ではなくニッチ棲み分け戦略が現実的な成長パスと見られる。また非商用ライセンス(NC)制限があり、商用パイプラインへの組み込みには障壁がある。

モデル パラメータ数 テキストエンコーダー ライセンス 主なターゲット
Illustrious SDXL相当 CLIP系 商用可 全ユーザー(VRAM 8GB+)
Anima 2B Qwen系 NC(非商用) 低VRAM(4〜6GB)ユーザー

FLUX.1 [dev](18,051 LoRA)

Black Forest Labs(Stability AI創業メンバーが設立)による12Bパラメータの拡散モデル。フォトリアリスティックな表現力でSD1.5/SDXL世代を大きく上回り、SDXL(18,578件)をほぼ追い抜く水準まで成長している。リアル系・実写系LoRAにおいてデファクト化が急速に進んでいる。

FLUX.2 [dev] / [klein](dev: 57 / klein: 27 LoRA)

FLUX.1の後継として登場した次世代FLUX。[dev] は32Bの大型モデル、[klein] はその軽量版(9B)。どちらも現時点ではLoRA数が非常に少なく参入初期段階。特に [klein] は 非商用ライセンス(NC) 制限があり、実用的なパイプラインへの組み込みに障壁がある。[dev] 32B はVRAM要件が高く、ローカル環境での普及には時間を要する見通し。

Qwen 画像生成(681 LoRA)

Alibabaが展開するQwenファミリーの画像生成系列。テキスト理解に優れたQwenのLLMコンポーネントを活かした精密な指示追従が特徴。ただし最新のQwen-Image-2.0はAPI限定リリースとなっており、ローカル実行ができない制約がある。AlibabaのQwen開発チームにおける主要メンバー離脱の報道もあり、オープンウェイト路線の継続性に不透明感が漂う。

⚠️ Alibaba / Qwenの動向に注意
Qwen-Image-2.0のAPI限定化と開発チームの体制変化は、今後のLoRA数推移を左右する重大な変数。オープンウェイト継続可否の動向を引き続き注視する必要がある。

まとめ

今回の調査で最も明確に示されたのは、Illustrious の一強体制だ。表示上限100,000件に到達しているという事実は単なる人気の高さではなく、LoRAが「通貨」として機能するCivitAIエコシステムにおける覇権の確立を意味する。

モデル 現状評価 今後の注目ポイント
Illustrious 一強・ループ完成済み 実数把握が困難なほどの規模に到達
Z Image Turbo 最有力な次世代候補 10,000件突破でループ発動なるか
Anima 低VRAMニッチ狙い NCライセンスが普及の天井となる可能性
FLUX.2 / Qwen 参入初期・様子見 ライセンス整備とオープンウェイト継続が鍵

※ 本記事のデータは2026年3月25日時点の調査に基づいています。