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MLD 次世代CPU・GPU・ゲーム機を徹底討論:最新エピソード全解説

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■事実

ゲームハードウェアポッドキャスト「Broken Silicon」の最新エピソードで、ホストのトムとYouTubeチャンネル「High Yield」のマックスが、半導体・GPU・ゲーム機にまたがる広範なトピックについて2時間以上にわたって議論した。 (出典:https://www.youtube.com/watch?v=hP6N4IIca70)

半導体業界の語られ方に関する問題提起

リスナーからの質問「コンピュータハードウェアの議論において、その美しい複雑さが適切に伝わっていない部分はどこか?」に対し、トムとマックスは口を揃えて「語られる企業が偏りすぎている」と指摘した。

一般的な議論はNvidia・AMD・IntelとTSMC・ASMLに集中しがちだが、Broadcom・Mediatek・GlobalFoundries・ASE・UMC・Lam Research・TEL(東京エレクトロン)・Applied Materialsといった巨大プレイヤーが存在する。

パッケージング分野ではTSMCが代名詞のように語られるが、実際にはTSMCはすべてのチップをパッケージできるわけではなく、ASEやSpilなど同等の先進パッケージング技術を持つOSAT(外部半導体組立・テスト企業)が市場の多くを担っている。

マックスは「Strix HaloのパッケージにはCKという刻印があり、これはTSMCではなくASEまたはSpilによるものと考えられる」と具体例を挙げた。

「IntelがなくなったらAMDが独占になる」という議論に対し、トムは「AMDはAppleやArm系企業、Qualcommとも競合しており、競合他社はIntelだけではない」と反論した。

マックスはパッケージング産業全体を取り上げる動画の制作を計画していることを明かした。

先進パッケージングとブリッジダイ:なぜ今すべての製品に使われるのか

リスナーから「Zen 6サーバー向けにブリッジダイが使用されるとのことだが、この先進パッケージングがコンピューティングをどう変えるか」という質問が寄せられた。

マックスは従来のチップ間接続の問題を説明した。

従来方式では、チップ内のパラレル信号を一度シリアル信号に変換し、基板上の高速インターコネクト経由で別チップへ送り、そこで再びパラレルに戻す必要がある。

この変換処理は時間・電力・シリコン面積を消費するという三重のコストが生じる。

シリコンブリッジやRDL(再配線層)を使った直接接続では、パラレル信号のまま数百本の配線で2つのチップを接続できるため、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)が不要になる。

これにより「レイテンシ低下・消費電力削減・帯域幅向上」という性能上のメリットが得られ、トレードオフは製造コストの増加のみとされる。

トムは「RDA5(RDNA 5)はメモリコントローラー部とGPUコア・CPU部の接続にブリッジダイを使用する」と説明した。

Navi 31(RDNA 3のフラッグシップ)ではすでに簡易的なファンアウトパッケージングが採用されており、Strix Haloのシリコン直接接続への伏線となっていたとマックスは指摘した。

Zen 2からZen 5に至るAMDの歴代デスクトップ・サーバーCPUはInfinity Fabricによるチップ間接続を採用してきたが、Zen 6以降はほぼ全製品でこのブリッジダイ接続に移行する見通しだ。

マックスは「技術的には明らかに優れており、コストも下がり続けている。使わない理由がない」と総括した。

パッケージングの歩留まりは過去数年で急速に改善しており、先進パッケージングを採用してもチップの無駄が大幅に増えるようなことはなくなっているという。

Intelも同様にすべてのチップで先進パッケージングを採用しており、Panther Lakeではこれまで提唱してきたタイルベース設計が初めて実用的な形で完成に近づいている。

ただし、Panther Lakeではプラットフォームコントローラータイルが2種類存在しており、一方はもう一方と比べてPCIe 5.0レーンが4〜8本多いだけの違いしかないことをマックスが確認した。

この非効率な設計はIntelが多数のチームを抱え、それぞれが独自設計を進めていることが原因の一つとトムは分析した。

Clearwater Forest(Intelの288コアEコアサーバーCPU)については、E-MIPとForest 3D Directというハイブリッドボンディング技術を用いた576MBのL3キャッシュを搭載するパッケージング技術は高く評価されつつも、288コアに対するメモリ帯域幅(4コアクラスターあたり35GB/sのL3アクセス帯域)が課題として指摘されている。

マックスは「Darkmon(Eコア)は2世代前と比べて格段に強力になっているが、顧客がいるかどうかが問題だ」とビジネス面の課題も指摘した。

AMDはZen 2の頃から必要に迫られて先進パッケージングを採用した「弱者の戦略」だったのに対し、Intelは豊富な資金を持ちながら複数チームが乱立した結果、チップレット設計の一貫性が出てくるまでに時間を要したとマックスは対比した。

Zen 6・Zen 7のコア戦略:8コアはまだまだ現役

トムはZen 7の画像をリークとして公開したと述べ、「Silver King」と呼ばれる8コアのCCDがIO ダイに接続されている様子が非常に小さく見える点が印象的だったと語った。

一部リスナーから「32コアが最大になるなら、16コアが新たなエントリー水準になるべきでは?」という意見も出ているが、トムはAMDが意図的に小型・低コストの8コアダイを維持していることを評価した。

マックスはコア数に関して「クアッドコアが標準だった時代を考えると、今や6コアのCPUでも16コアCPUの80%以上の性能が出る」と述べた。

一般消費者・動画編集者・ゲーマーの多くにとって、今後5年間は8〜12コアが十分であり、CPUよりもIPCとクロック速度の向上が現実的な体感差につながると両者は分析した。

マックス自身は現在Ryzen 5800 X3Dを使用しており、GPU依存の編集作業では8コアで十分だと述べた。

Zen 6・Zen 7のIO ダイには低消費電力コアが統合される可能性があり、「Silver King」の8コアCCDにIO ダイの低消費電力コアを加えると、実質10コア構成になる可能性もあるとトムは示唆した。

AMDはZen 1が32コア、Zen 2が64コア、Zen 4が128コア(Bergamo)、Zen 5が192コアとほぼ倍増ペースでコア数を増やしてきたが、Zen 6は256コア、Zen 7は最大264コアにとどまる見通しで、コア数よりも単体性能の向上にシフトしている。

IntelはArrow Lake世代でもAMDに対抗するためにEコアを大量に追加し続けているが、それでも市場シェアは回復していないとトムは指摘した。

AM5プラットフォームについては、Zen 4・Zen 5に続いてZen 6・おそらくZen 7まで対応するロングタームサポートが見込まれており、AM4が複数世代の乗り換えを可能にした実績の再現が期待されている。

Intel Nova Lake vs AMD Zen 6:次世代デスクトップCPU対決の全貌

AMD Zen 6デスクトップ版(Olympic Ridge)は当初2026年中の投入が計画されていたが、TSMCのN2Xプロセスノードが2026年から2027年〜2028年初頭にずれ込んだことで、2027年以降への延期が濃厚になっている。

Intelの次世代デスクトップCPU「Nova Lake-S」も同様に、CES 2027でのデビューが有力との情報がリーカーのGolden Pig Upgradeから出ている。

Intel CEO リップ・ブー・タン氏は「2026年末」の投入を公式に言明しているが、デスクトップ版とモバイル版の発売時期を明確に区別しておらず、デスクトップ版はCES 2027に合わせた発表・発売になる可能性がある。

Zen 6では7GHz超のクロック速度が目標とされており、これはZen 4の最高5.7GHz・Zen 5の6GHz台から大きな跳躍となる。

Nova Lake-Sは最大52コアのデュアルコンピュートタイル構成が計画されており、AMD Zen 6の最大24コアを大きく上回るコア数を持つことになる。

ただし、IntelはHyper-Threadingを廃止したため、52コアCPUのスレッド数は52スレッドとなり、AMD Zen 6の24コア/48スレッドと大きな差にはならない可能性もある。

Nova Lake-Sの電力消費は700Wを超えるとの情報があり、AMD Zen 5のRyzen 9 9950X(TDP 170W)と比較すると異次元の消費電力となる。

マックスはNova Lakeについて「Intelの担当者たちが珍しく興奮している」という情報を持っており、Panther Lake(モバイル)での18Aプロセスの成功がその根拠になっていると語った。

トムは「Nova Lakeが最低でもZen 5 X3D並みの30〜45%高いゲーミング性能を持つ可能性がある」と述べつつも、これはあくまで楽観的なシナリオの一つだと前置きした。

Zen 6がVキャッシュなしで7GHzを達成した場合、Vcashなしでもゲーミング性能でNova Lakeに対抗できる可能性があるという点も両者は議論した。

AMDのZen 6は6nmのIO ダイと2nmのCCDという組み合わせが基本構成になる可能性があり、Intelが144平方mm超のコンピュートタイルを2枚使用するのに対し、AMDは75平方mm程度のCCDを2枚使用するというシリコン量の差がある。

トムは「Intel が50%以上のシリコンを使いながら同等性能であれば、コスト競争力でAMDが勝る」という分析を示した。

Zen 6のデスクトップ版延期についてトムは「N2Xなしでデスクトップを先行発売するよりも、Nova Lakeに対して確実に勝てる状態まで待つ戦略をAMDが採った可能性がある」と指摘した。

マザーボードプラットフォームについては、Intelが少なくとも3世代の継続サポートを明示的に約束することが、エンスージアスト層を取り込む上で重要だとマックスは述べた。

AMDのAM5は最大4〜5世代の継続サポートが期待されており、AM4の成功体験がユーザーの購買判断に影響し続けているという。

AMD APUのGPUアーキテクチャ混在問題:なぜRDNA 4が使われないのか

Ryzen AI 300シリーズ後継のGorgon PointがRDNA 4ではなく「RDNA 3.7」(RDNA 4M)を搭載するとの情報に対し、トムは「なぜRDNA 4を最新APUに使わないのか」という疑問を投げかけた。

マックスは「モバイル向けGPUは性能よりも面積効率が最優先であり、古いアーキテクチャほど長年の最適化で小型化が進んでいる」と説明した。

AMDがVegaをAPUのiGPUとして長年使い続けたのも同じ理由であり、RDNA 1・2・3と代替わりしてもモバイル向けは保守的な選択が続いた。

ただし、トムは「RDNA 4はRDNA 3比でメモリ帯域幅効率が劇的に向上しており、少ないCU数でStrix Pointに匹敵する性能を発揮できる可能性がある」と指摘した。

Strix Point(RDNA 3.5搭載、12 CU)よりKraken(RDNA 3.5搭載、8 CU)の方が一部のベンチマークで優れるケースがある点を挙げ、新世代アーキテクチャの効率向上の実態を示した。

FSR4がRDNA 3.5非対応であることを踏まえると、RDNA 4が採用されないGorgon Pointのユーザーは最新のアップスケーリング技術を使えない状態で販売されることになる。

Panther Lake(Intel)がXeSS(Xe Super Sampling)の最新世代を搭載し、AMDのAPUがFSR4非対応という状況は競合比較でのイメージダウンになりうるとトムは強調した。

一方でZen 6フラッグシップAPU「Medusa Halo」にはRDNA 5が搭載される見通しであり、廉価版の「Gorgon Point後継」にRDNA 3.7を使うのは面積・コスト上の理由で一定の合理性があるとの見方もある。

トムはFSR4のRDNA 3対応の遅れとGorgon PointへのRDNA 4非採用を合わせて「AMDが競合の強さを過小評価していた可能性がある」と結論付けた。

マックスは「以前はAMDをリソースが限られたアンダードッグとして見ていたが、今やIntelをファウンドリー顧客にし、NvidiaのAI GPU市場に唯一競合できる企業になっている。もうアンダードッグではない」と述べた。

FSR4のRDNA 3未対応問題:業界最大の不満の声

現時点でFSR4はRDNA 4専用の機能として提供されており、RDNA 3・3.5搭載のGPUおよびAPUは公式非対応となっている。

RDNA 3はWMMAと呼ばれる行列演算命令を持っており、RDNA 4の専用テンソルコアとは異なるものの、理論上FSR4のFP8演算を実行できる。

LinuxのDevelopperコミュニティがRDNA 3上でのFSR4動作確認に成功しており、パフォーマンスオーバーヘッドはあるもののFSR 3.1よりも画質が向上することが示されている。

マックス自身がRDNA 4搭載のRadeon RX 9070 XTを使用しており、FSR4はVulkanゲームへの対応が現状では不十分であるとして改善を求めた。

Radeon Software(AMDドライバーチーム)が4.7GHzクロック達成を告知した際、YouTubeコメント欄に「RDNA 3へのFSR4対応はいつ?」という批判が殺到したという。

PS5 ProはRDNA 4の専用テンソルコアを持たない「プロ版RDNA 3」的なGPUを搭載しているが、ソニーのマーク・サーニー氏はPS5 Proに「FSR4と実質同等のフルスペック版アップスケーラー」を2026年タイトルに向けて提供すると明言した。

SteamがLinux(SteamOS)向けにFSR4をRDNA 3対応で先行実装するような事態になれば、WindowsユーザーへのAMD公式対応の遅れが際立つことになる。

DLSS(Deep Learning Super Sampling)はNvidiaのRTX 2070 Superのような旧世代GPUにまで対応し、バージョンアップを続けているとマックスは対比して指摘した。

両者の結論は「AMDは即刻RDNA 3向けFSR4をベータ版でも提供すべきだ」という点で一致した。

トムは「これは技術的に不可能な問題ではなく、社内で誰かが判断を下さなかった結果だ」と述べた。

RDNA 5の性能と次世代の方向性

RDNA 4は前世代比でRX 9070 XTとRX 7600 XTを同じメモリバス・同量のVRAMで比較した場合、30〜40%のIPC向上を達成している。

RDNA 5については、漏洩した内部資料によれば通常のラスタライゼーション性能はRDNA 4比で約10%の向上にとどまる見込みだが、レイトレーシング性能はRDNA 4比で2〜3倍という大幅な向上が見込まれているとトムは説明した。

RDNA 4自体がRDNA 3比でレイトレーシング性能を約2倍にしていることから、RDNA 5ではRDNA 3比で4〜6倍のレイトレーシング性能になる計算になる。

RDNA 5のデスクトップGPUで150 CU以上の構成が実現すれば、フルパストレーシングでの動作が現実的になるとトムは述べた。

次世代Nvidia GPU(RTX 6000シリーズ)については、RDNA 5が2026年中〜後半に登場することを考えると、RTX 6000シリーズは2027年以降の発売となり、GPU世代サイクルは実質2.5〜3年に延びているとの見方が示された。

NvidiaはAI向けGPUの売上がゲーミングGPUを圧倒的に上回っており、ゲーミング向けを急ぐ理由がないというのが主な延期理由だ。

RTX 5000シリーズ(Blackwell世代)でGDDR7が採用されているが、このGDDR7が高価でありAI向け優先で割り当てられているため、RTX 5000シリーズのスーパーリフレッシュが出ていない理由の一つにもなっているとマックスは分析した。

マックスは2022年に4090を購入していれば「6年間、最速または2番目に速いGPUを持ち続けられた最高の投資になっていた」と述べた。

PlayStation 6とRDNA 5が切り開くコンシューマーゲーミングの到達点

漏洩した内部資料(MLID提供)によれば、PS6は「Orion」という開発コード名のRDNA 5搭載APUを搭載し、52〜54コンピュートユニットで34〜40TFLOPSの性能を実現する見通しだ。

メモリは160bit GDDR7(32GT/s)で最大40GB、帯域幅は640GB/sとなる見込みだ。

PS6のラスタライゼーション性能はPS5比で約2.5〜3倍、レイトレーシング性能は6〜12倍と、レイトレーシングが今回の世代交代の主役になるとの見方が示された。

FSR4やPSSR 2(PlayStation Spectral Super Resolution 2)との組み合わせでは、総合的なゲーミング性能向上はPS5比で4〜8倍に達する見込みだ。

バイオハザード RE:クイエムはPS5 Proで4K/60fps・レイトレーシングを実現しており、リリース直後からその映像クオリティが高く評価されている。

トムはPSSR 2を実際に見ていない段階だが「Digital Foundryのスクリーンショットを見る限り、圧巻の映像だ」とコメントした。

両者は「PS6の主眼は4K/120fpsを完全に飽和させることであり、8K対応や超高フレームレート競争に向かう必要はない」という見解で一致した。

製造開始は2027年中頃の予定とされていたが、Bloomberg報道によれば、メモリ価格の高騰を理由に2028〜2029年への延期をSonyが検討しているとの情報も出ている。

MST Financial上級アナリストのデービッド・ギブソン氏も「メモリコストの上昇がPS6の想定以上の発売遅延につながる可能性が高い」との見解を示している。

次世代Xbox「Magnus」との比較では、Magnusは性能面でPS6を約25%上回る見込みとされているが、PS6は4K/120fpsを飽和させるには十分な性能を持つため、ゲーマーにとって実感できる差は限定的になる可能性が高い。

トムは「PS6はPS4に似ている。PS4が1080pを飽和させたように、PS6は4K/120fpsを飽和させる設計思想だ」と分析した。

Xboxとの差別化としてトムが提案したのは「過去のPS3・Killzone・Resistance等の旧作ゲームにRTXリミックス相当のパストレーシングを施してPS6向けにリマスターする」というアイデアで、PS6の高いレイトレーシング性能があれば4K/120fpsでの動作が現実的だと述べた。

ディスプレイの解像度競争については「4K/240Hzが1080p/144Hzに相当するPC標準になる可能性が高く、それ以上(8K/480Hzなど)は人間の視覚限界に近づくため、市場が形成されにくい」との見方を両者が示した。

次世代XboxとMicrosoftのゲーム戦略

Xbox新リーダーとして元AI担当幹部のアーシャ・シャーマが就任したことに対し、トムは「今度こそ大丈夫か?」と問い、マックスは「無理だと思う(No)」と即答した。

マックスは「Xbox 360は当時PS3の出遅れを利用して成功したが、その後Sonyはゲームに集中し続けた。今ではPlayStationが普通の選択肢であり、XboxはPC派の人が選ぶか選ばないかというポジションになっている」と分析した。

トムはXbox One発表時の「TV・TV・TV・ESPN・DVR」という失敗と同じ構造が繰り返されるリスクを指摘した。

AIバブルがピークを過ぎた頃に「Copilot搭載AI箱」として売り出せば、DVRが時代遅れになった瞬間に「DVR箱」を出したXbox Oneの失敗の完全な繰り返しになるというのが両者の懸念だ。

トムがXboxの成功シナリオとして挙げた条件は以下の通りだ。

Magnus本体を1,000〜1,200ドル(PS6比でプレミアム感のある価格)で投入すること、後方互換を完璧に維持しSeries X世代のゲームが4K/240fpsで動くようにすること、そして次世代以降も対応するプラットフォームの継続性を明示することだ。

一方でSeries XのソフトウェアサポートをMagnus発売年中に打ち切るような動きが出れば「消費者への侮辱と受け取られ、そこで終わる」とトムは述べた。

マックスは「Microsoftはクラウド・AI・ソフトウェア・データセンターで莫大な利益を上げているのだから、Xboxのマージンを薄くしても全体の利益への影響は小さい。それができないなら、戦略の根本から見直す必要がある」と述べた。

Series Xの現在の販売価格(800〜900ドル前後)に対し、マックスは「せめて999ドルに抑えるべき」との見解を示した。

AIバブルとゲーミングPC市場の未来

マックスは「AI技術の有用性は実感しており、特にGemini 2.0 Pro(現在はGemini 2.5 Pro相当)のようなモデルは2022年のChatGPT初登場時以上の「感動」を覚えた」と語った。

マックスは「AGI(汎用人工知能)が実現するかどうかはわからないが、平均的な人間より賢くて世界中の情報にアクセスできる存在は、企業・国家単位で見ても非常に価値が高い。バブルであっても長続きすると思う」と述べた。

一方でトムは「AI関連企業への反感は高まっており、エネルギー消費・プライバシー・監視に対する一般市民の怒りは『列車が来ている』状態だ」と警告した。

トムの分析では「AIバブルが崩壊した時、Enron破綻後に健全な緑のエネルギー企業まで巻き込まれて株価が暴落したように、AI全体が連鎖的に下落する可能性がある」という。

その結果として「今後大量建設されているメモリ・半導体工場の供給過剰が、ゲーミングPC部品の大幅値下がりをもたらすかもしれない」という楽観的シナリオも提示した。

現在のDRAM価格の急騰について、トムは「Bitcoin採掘ブームでのGPU価格高騰よりはまだマシだ」としつつも、DIY PCのシステムインテグレーターや中小PCショップが2026年中に多数廃業する可能性があるとの情報も明かした。

Intel×NvidiaのTitan Lake連携:2029年の”最強APU”構想

リスナーから「PantherLakeのXE3 GPU実績を踏まえると、2029年投入予定のTitan LakeにNvidiaのGPUタイルを組み込む必要があるのか?」という質問が寄せられた。

トムは「IntelがTitan LakeでNvidiaのGPUタイルを採用することで、Intel自身のGPU開発リソースをCPU設計に集中できる。PantherLakeの成功もARC(Intel GPU)を外したことが一因だ」と評価した。

マックスはNvidiaのGPUタイルをIntelのファウンドリーで製造することで「Intelのファブ稼働率問題・NvidiaのTSMC依存分散・両社の利益増大」という三方良しの構造になると分析した。

ただしトムは「Panther Lakeが一世代うまくいっただけで、IntelのXEアーキテクチャがNvidiaに追いつけるという保証はない。1世代目のAlchemistはRTX 3070より大きなダイで半分の性能しか出なかった」と冷静に指摘した。

2029年にLPDDR6やForEros(Intel独自先進パッケージング)の次世代版が普及すれば、メモリ帯域幅問題が解決されてNvidiaのGPUタイルが本来の性能を発揮できるようになるとマックスは補足した。

また「Titan LakeでDLSS(Deep Learning Super Sampling)最新世代が動くなら、XeSSとの比較で見劣りしにくい」という実用的なメリットもある。

マックスは「IntelのGPUブランド『ARC』は認知度・信頼性ともに低く、小売店でもARC搭載ラップトップは売れにくいという声がある。一方でNvidiaブランドは無条件で訴求力がある」とも指摘した。

Intelはすでにマーケティング資料からARCのロゴを目立たせることを避けており、「XE」という名称でブランドをリセットする動きが見られるという。

■解説

今回、いくつかの「大きな流れ」が浮かび上がってきます。

一言でまとめると「AI優先でコンシューマーは後回し、でも技術的には面白いことが起きている」ですね。

Zen 6とNova Lakeが揃って2027年延期というのは、単独企業の問題ではなく業界全体のシフトを表しています。

DDR5メモリが今や3倍近い価格になっている状況で、いくら高性能なCPUを出しても「買えない人続出」になるのは目に見えています。

AMDがZen 6をあえて遅らせてN2X対応の完全版で出そうとしているのは、個人的には正解だと思います。

「Nova Lakeに負けるかもしれないバージョン」で早く出すより、「確実に戦える版」で出した方がブランド的に安全ですよね。

FSR4のRDNA 3未対応問題は、正直AMDが一番叩かれるべき点です。

技術的に不可能ではないことはLinuxコミュニティが証明してしまいました。

PS5 ProがFSR4相当を2026年タイトルから使えるようになるのに、同じAMDのGPUを使っているPC向けのRDNA 3ユーザーが対応外というのは、どう考えても説明がつきません。

しかも高額の7900 XTXユーザーも同じ状況で、これは怒る人が出て当然です。

「ベータでいいから出せ、問題があればFSR 3.1を使えばいい」というトムとマックスの結論は至極真っ当だと思います。

PS6のレイトレーシング性能については、RE:クイエムのPS5 Proでの4K/60fps実現を見ると「コンシューマー向けとして十分すぎる」段階に近づいていると感じます。

レイトレーシングが6〜12倍になって、FSR4やPSSR 2との組み合わせで総合4〜8倍になるなら、4K/120fpsは余裕で届く計算です。

「PS5 Pro+パストレーシング」を超えるものを4K120で動かせるとしたら、PS6時代のゲームのビジュアルは現在の感覚とは別次元になる可能性があります。

「脳が一瞬実写と錯覚する瞬間」が増えるという表現は実感としてわかります。Death Stranding 2の山の遠景とか、Robocop Rogue Cityの一部シーンがまさにそれでした。

Xboxについては、マックスの「No(無理)」が全てを表していますね。

「AI箱」として発売してAIバブルが崩壊していたら、DVR箱の失敗の完全再現になります。

唯一の勝ち筋はトムが言った通り「ゲーム機として真剣に取り組み、後方互換とプラットフォーム継続性を明示する」ことだけですが、現在のMicrosoftの体制を見るとそれが期待できるかどうか……。

個人的に一番面白いと思ったのは「AIバブル崩壊→メモリ価格暴落→ゲーミングPCが安くなる」というシナリオです。

楽観的すぎる予測に見えますが、過去のBitcoinバブル崩壊後のGPU価格急落を経験した人なら「あり得ない話ではない」と感じるはずです。

大量投資されているメモリ工場の供給過剰が数年後に来るとしたら、その時のゲーミングPC市場は今とは全く違う様相になっているかもしれません。

半導体業界の「需給サイクル」の怖さと面白さが、今まさに現れている局面だと思います。