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MLD AMD Zen 7「Grimlock」の外観がついに判明——TSMC 14Åで製造される32コアの怪物と、次世代APUの全体像

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■事実

半導体業界の著名リーカーであるMoore’s Law is Dead(MLID)チャンネルが、AMD次々世代CPUアーキテクチャ「Zen 7」ファミリーのレンダリング画像を公開した。

公開されたのはデスクトップ向け「Grimlock Ridge」、ラップトップ向けメインストリーム「Grimlock Point」、そしてラップトップ向けハイエンド「Grimlock Halo」の3モデルの外観レンダリングだ。

これらはMLIDが複数のソースから収集した情報、AMD内部の設計図面・モックアップ・設計ドキュメントを組み合わせ、チームのレンダラーが制作したものである。

実物の写真ではなくレンダリングである理由として、MLIDは情報提供者の保護、および現時点でZen 7の実物写真が存在しない(設計図面・モックアップ段階であるため)という2点を挙げている。

Zen 7ファミリーのデスクトップ版はAM5ソケットに対応することが確認されており、2028年末までにリリースされる見込みだ。

なお、先行世代であるZen 6「Olympic Ridge」デスクトップ版は2027年以降の投入が見込まれており、AM5は最短でZen 4(2022年)からZen 7まで、4世代にわたって同一プラットフォームをサポートする可能性がある。

■Grimlock Ridge(デスクトップ向け)

Grimlock Ridgeの最上位モデルは2基の16コアCCDを搭載した32コア構成を採用する。

MLIDによれば、16コアCCDのコードネームは「Silverton(シルバートン)」で、製造プロセスはTSMCの最先端ノードであるA14(1.4nm)を採用する。

SilvertonはCCDあたりL2キャッシュ32MB・L3キャッシュ64MBを搭載し、さらに160MBの3D V-Cacheダイを積層する設計に対応する。

V-Cache搭載モデルでは1基あたり合計224MB、デュアルCCD構成の場合は最大448MBという膨大なL3キャッシュを実現する。

ダイサイズはMLIDが把握しているZen 6のIODダイのサイズを基準に計算されており、各数値はミリ平方単位で正確であるとMLIDは説明している。

Zen 7はZen 6と同じIODダイを共有するため、AM5での互換性が維持される。

MLIDはZen 7のクロック速度について「7GHz超えを目指している」という情報を入手しているとも述べているが、確定情報ではないとしている。

■Silverking——8コアの廉価チップレット

16コアSilvertonに対し、AMDは8コアの廉価チップレット「Silverking(シルバーキング)」も用意する。

Silverkingの特徴は、Silverntonの約半分というダイサイズ(約56mm²)にあり、製造コストを大幅に削減できる点だ。

ただしSilverkingはV-Cacheに非対応で、メモリ帯域幅の接続幅もSilvertonの半分に制限されている。

MLIDの予測では、SilverkingはラップトップやエントリーデスクトップGPU向けに低電圧・低クロック方向にビニング(選別)される一方、デスクトップ向けには歩留まりの悪い(リーキーな)ダイが転用される見込みだという。

ダイサイズが小さいため歩留まりがほぼ100%に近づく見込みで、AMDにとって低コストの製品ラインナップ拡充が可能になると指摘している。

デスクトップのラインナップ構成としては、最上位が2基のSilverton(32コア)、次いで1基Silverton(16コア)、そこからコアを無効化した12コアなどのSKUが設定され、それ以下がSilverkingベースの8コアになると予想している。

■Grimlock Point(ラップトップ向けメインストリーム)

Grimlock Pointは、IOダイ上にZen 7コアとZen 7Cコアを混在させた12コア構成(2〜4基の低電力コアを含む)のAPUだ。

このIOダイのサイズはMLIDによれば不明だが、Zen 6「Medusa Point」の約200mm²前後になると推測している。

必要に応じて外部に8コアのチップレットを追加することで20コア構成にも対応できるとされており、Zen 6のMedusa Pointから始まるこのモジュラー設計はそのままZen 7に引き継がれる。

■Grimlock Halo(ラップトップ向けフラッグシップ)

Grimlock HaloはIOダイ上に8基のZen 7クラシックコアと12基のZen 7Cコア、合計20コアを統合したモノリシックAPUだ。

MLIDによれば、低電力コアについてはドキュメントに明確な記載がないため現時点では不明だとしている。

単体でもモノリシックAPUとして20コア以上の構成を実現でき、さらに2基のチップレットを追加することで最大36コアまで拡張可能だ。

外観についてはZen 5世代の「Strix Halo」に類似しているとMLIDは述べており、Zen 6「Medusa Halo」よりもむしろZen 5世代に近い見た目になっていると指摘している。

■AM5プラットフォームの長期化という大局観

Zen 7がAM5に対応することが確認された場合、AM5は2022年のZen 4ローンチから数えて2028年まで少なくとも6年間にわたり現役であり続けることになる。

MLIDは「Zen 4フラッグシップを6年前に購入したユーザーが、同じマザーボードのまま32コア・14Åプロセッサにアップグレードできる。これはモダンデスクトップ史上最大規模のシングルプラットフォーム性能向上になりうる」と評している。

■解説

このリーク、内容自体の信頼性については一定の根拠があると見ています。

MLIDは以前に複数のソースをもとにZen 6「Venice」の外観をリークしており、その後AMDのリサ・スーCEOが実際にZen 6 Veniceを持ち上げた際に「MLIDのレンダリングそのままだった」という実績があります。

今回のZen 7も同じチームが同様の手法でまとめたと説明しており、Zen 6で信頼性が証明されているという点は一定の担保になります。

ただし対象はまだ2028年ローンチ予定のチップであり、設計は今後大きく変わる可能性も十分あります。あくまでも現時点の計画を示すリークとして読む必要があります。

技術的に面白いのは「Silverton vs Silverking」という2チップレット戦略です。

AMDはこれまで、デスクトップのCCDをほぼ単一ラインナップで展開してきましたが、今回は高性能・高コスト版のSilvertonと、廉価・コンパクト版のSilverkingという明確な2ライン体制を取ることになります。

Silverkingのダイサイズが約56mm²というのはかなり小さく、TSMCのA14プロセスでこのサイズであれば歩留まりがほぼ100%近くになるというMLIDの見立ては理にかなっています。

製造コストを下げながら廉価なエントリーデスクトップ向けにも対応できる柔軟性は、Intel製品が高コスト化している中でAMDにとって有利に働くはずです。

個人的に最も注目したいのは「AM5の長寿命化」という点です。

Zen 4(2022年)→ Zen 5(2024年)→ Zen 6(2026〜2027年予定)→ Zen 7(2028年予定)と4世代にわたる互換性が実現すれば、これはIntelが過去に何度もプラットフォームを変えてきたことと対照的な戦略になります。

Zen 4のマザーボードを2022年に購入したユーザーが6年後も同じマザーで最先端CPUを使えるというのは、PC自作市場にとって非常に魅力的なメッセージです。

ただし実際にアップグレードする際はBIOS対応の問題が出てくる可能性も高く、すべてのAM5マザーボードがZen 7に対応するとは限らない点には注意が必要です。

将来の数字という観点で見ると、V-Cache搭載時の448MBというキャッシュ容量は圧倒的です。

現行のRyzen 7 9800X3Dが96MBのL3キャッシュを持ち、ゲーム性能で大きな差を生んでいることを考えると、その約4.7倍というのはゲーム用途における性能向上の大きな余地を示しています。

2028年に出てくるゲームタイトルがどれほどキャッシュを活用できるかは未知数ですが、少なくともAMDがゲーマー向けの「X3Dアーキテクチャ」を継続強化していく意思が明確に示されています。