DDR5とDDR4の両方において、メモリ価格は制御不能な高騰を見せており、2027年になっても状況は改善しそうにありません。
DDR5とDDR4メモリの価格が制御不能に、品薄は2027年第4四半期まで続く見込み、価格は2026年にピークを迎える見込み
数日前、Micronがコンシューマー向けブランドCrucialを廃止するという残念なニュースが報じられました。DRAMとNANDのメーカーであるMicronは、AIセグメントからの需要増加を受けてこの難しい決断を下しました。
AIセグメントの需要増加はコンシューマー市場のあらゆる側面に猛烈な打撃を与え、メモリキット、SSD、GPUなど、あらゆるテクノロジー製品の価格上昇につながっています。
しかし、この嵐はまだ始まったばかりです。複数の情報筋から話を聞いたところ、事態は想像をはるかに超える悪化に向かいつつあるようです。仮想通貨ブーム、COVIDによる品不足、そしてダフ屋の時代を全て合わせたような状況です。
DDR5とDDR4メモリを含むすべての製品におけるメモリ不足は、少なくとも2027年第4四半期まで続くと聞いています。
まだ2026年に入っていないにもかかわらず、情報筋によると、この不足は今後2年間続くとのことです。
つまり、消費者は様々なテクノロジー製品の価格が正常に戻るのは2027年後半、あるいは2028年まで待たなければならないということです。
問題は、DRAMがメモリキットとGPUという2つの主要なPC製品に使用されていることです。どちらも既に価格上昇が始まっています。
さらに、デスクトップPC、ラップトップ、ミニPC、ハンドヘルド、さらにはゲーム機など、これらの技術を採用した製品もあります。これらの技術を何らかの形で活用するすべての製品は、価格が上昇するでしょう。
なぜ価格が上昇するのか、と疑問に思うかもしれません。答えは簡単です。
AIです。
AI需要の急増は、データセンターのメモリとストレージ容量の需要が高まっていることを意味します。
また、データセンターの顧客は、これらの技術を確保するために一般消費者よりも高い価格を支払う用意があります。
だからこそ、MicronはCrucialを撤退させました。
彼らは、はるかに小規模なデスクトップPCやラップトップPC市場と比較して、急成長しているAIセグメントから想像を絶する利益を得られることを知っているからです。
Micronだけではありません。
SK hynix、Samsungなどの主要なDRAM/NANDサプライヤーもAIによる収益性向上を目指しており、それを阻止するものは何もありません。
ゲーマーや消費者はボイコットをすることはできますが、それでは何も変わりません。
むしろ、需要が落ち込んだ際に消費者への供給がさらに減少し、AIセグメントへの配分が増えるため、事態は悪化するでしょう。
この件に関してTeamgroupからも声明が出ており、状況はさらに暗いものとなっています。
解説:
様々な悲哀が飛び交うメモリ狂騒曲。
今度はソースがTeam Groupからになるようです。
実際のところメモリチップを供給している企業はMicron、SK Hynix、Samsungの3社で今回話が出ているTeamやADATA、Kingstonなどのメモリモジュールを売っているメーカーはチップを3社から買ってきてモジュールを製造しているだけとなります。
だからこそ、Micronが直接販売していたCrucialは信頼性が高い業界の基準としての地位を気付いていました。
ちなみにFlashもこれに近いですが、WDやKIOXIAなどNANDを製造しているメーカーはもう少し多いです。
昔はもっとたくさんあったのですが、統廃合が進み、DRAMは3社が寡占する世界となってしまいました。
ここまでくると、特に膝を突き合わせて会合を持たなくても阿吽の呼吸でメモリの価格を維持することは十分可能なのだと思います。
これはカルテルなのか?
別に談合しているわけではないのでカルテルと認定するのは難しいのではないかと思います。
前にも書きましたが、結局、だれがリスクを負うのかということです。
メモリメーカーはAIバブルの崩壊を恐れて思い切った投資をしませんが、だれも「お前の会社が倒産しても構わないから設備投資してメモリの生産数を増やせ」とは言えないでしょう。
また、今まで生き残っているメモリメーカーは熾烈な争いを潜り抜けてきた猛者ばかりですから、過剰に投資することの危険性をいやというほどわかっています。
過剰投資がいかに自社の利益を削るかも痛いほどわかっています。
このような業界の構造で、「将来的に大損する可能性があるけど、需要がたくさんあるからバンバン工場を建てちゃおう」と考える脳内お花畑の経営者はまずいないと思います、
作りすぎて赤字になったらメモリ企業の責任ならば、足りなくて価格が上がっても頑張って設備投資しようという風にはなかなかならないと思います。
2021年の半導体不足で痛い目を見た各メーカーは組み込み向けの半導体工場を自社で抱えるようになりました。
今後メモリの安定供給を目指すならばメモリ企業以外がリスクを背負いリスク分散することも必要ではないかと思います。