AMDは次世代GPU 「UDNA 5 」に大きな計画を持っているようだ。
過去2年間に提出された一連の特許から、Team Redが 「レイトレーシング 」ゲームの規模を拡大する計画であることがわかる。
AMD、特許活動と雇用の拡大によりRTへの取り組みを加速;NVIDIAとの競争を平準化する計画
AMDがコンシューマー向けGPUへのアプローチを急速に変えたことを見れば、同社がメインストリーム市場で「獅子奮迅の活躍」を望んでいることは明らかだ。
私たちはすでに、同社のRDNA 4 GPUアーキテクチャ、特にRX 9070シリーズが主にその性能/ドル比によって消費者の大きな関心を集めたことに、その片鱗を見た。
Redditorの@MrMPFRが過去2年間のAMDのRTに焦点を当てた特許出願を要約したように、他のすべての要素のうち、AMDは次世代「UDNA 5」アーキテクチャでRT能力に特に焦点を当てるようだ。
チーム・レッドがレイトレーシングに注力しているのは、PC市場だけを想定したものではないことに注意することが重要だ。
AMDはソニーのPlayStationコンソールの十分な性能に対応しなければならず、RTはハードウェアの性能に大きな負担をかけることなくFPSの向上を実現する上で不可欠な役割を担っている。
このRedditorは、特許出願で開示された内容から、AMDはNVIDIAのBlackwell GPUラインアップと同等のRT性能を達成できると主張し、それをチーム・レッドにとっての「Maxwellの瞬間」と呼んでいる。
特許の中で明らかにされた情報のうち、より説得力のあるもののひとつは、BVH(バウンディング・ボリューム・ヒエラルキー)管理に対するAMDのアプローチで、まずデルタ・インスタンスの圧縮が行われる。
これは、シーン上のグラフィカル・オブジェクト間でBVHの類似性を見つけ、使用量とCPUオーバーヘッドを削減するためにそれらを圧縮することで行われる。
これとは別に、どのグラフィカルオブジェクトがレンダリングされるかを検出するターボチャージド・レイ・トラバーサルとインターセクションについても言及されている。
Redditの投稿は、RT性能に寄与する複数のパラメータとアップデートを掘り下げているため、個別にすべてを掘り下げるとこの投稿がかなり長くなりそうだが、レイトレーシングがお好きな方はチェックされることをお勧めする。
しかし、この記事のTL;DRは、NVIDIAがコンシューマー向けGPU市場での優位性を維持するためには、アーキテクチャ上の大きな飛躍を導入する必要があるかもしれないという点で、AMDがネイティブRT技術の高級化への取り組みを強化しているということです。
同様に、ソニーの「Project Amethyst」とともに、AMDは高度なパストレーシングのソリューションを開発する計画であり、NVIDIAのリソース集約的なReSTIR技術に対抗するためにニューラルレンダリング(AI)を活用する可能性がある。
最終的に、この「RT競争」は、次世代GPUにより優れた性能と機能を見出すであろう最終消費者に利益をもたらすだろう。
解説:
AMDがUDNA5?でレイトレーシングを強化。
UDNA1ではないのですかね。
それは良いとして、レイトレーシングでもAI性能でも大きく後れを取っているAMDですが、過去二年間の特許の出願数、内容からみて、UDNA世代でNVIDIAのレイトレーシング性能に追いつくつもりではないかという話です。
GTXがRTXになったのが2018年のTuringからですから、そこから7年経ってAMDもようやくNVIDIAに追いつき、追い越すための技術に力を入れ始めたということになります。
重要なのはそこではない。
AMDが進歩すればNVIDIAも同様の期間努力して進歩します。
次の世代ではどうなるのでしょうか?
残念ながら今世代のBlackwellを見ると、NVIDIAの努力と技術は止まってしまったのではないかと疑わざるを得ません。
サーバーのAIアクセラレーターの更新が2年に一度から1年に一度に変わり、必要になった人手は倍以上になっているはずですが、ゲーム部門の開発を大幅に縮小したのではないかと疑わざるを得ません。
ドライバの不具合はまだ続いてるようですから、RTX5090発売から4か月経ってもまだバグが潰しきれてないということになります。
NVIDIAのCEOによると、「レンダリングではなく、ゲームの描画はAIによる生成によって行われるようになる」ということなので、それがどの方向に向かの課は気になるところです
その行き着く先がマルチフレーム生成であるならばがっかりですが、そうでない新しいAI技術を投入し、レンダリングのための回路を縮小(もしくはこれ以上増やさない)ということであるならば、数年後AMDが努力した先にあるのは今のNVIDIAであり、未来のNVIDIAはさらに先を進んでいるということになります。
さて、NVIDIAは莫大な利益を生むサーバー向けにシフトしゲーム用製品の進化を止めてしまうのか、それとももっとAIを利用して性能を爆発させるためにBlackwellで小休止しているのか?それは2026年のRTX6000シリーズで明らかになることになります。
Blackwellは最悪なGeforceだと思いますし、ボロクソにけなされている理由も正当なものだと思います。
それでもAIとレイトレーシングという2つの未来技術を引っ提げて時代の先頭を突っ走るNVIDIAを私は高く評価しています。
ここで、サーバー向けに全力をシフトしてゲームはおざなりになるという残念な結果にならないことを願ってやみません。
個人的にはRDNA3まではAMDはレイトレーシングとAI性能の強化についてどこか迷いがあったように感じますが、RDNA4からはかなり吹っ切れたように見えます。
NVIDIAがRTXを出してから5-7年たってようやく、AIやレイトレーシングがもたらすゲームの未来についてうっすらと見えてきたという感じではないでしょうか。