Valve、SteamOS 3.7.0プレビューのメジャーアップデートを配信: アップグレードされたLinux Kernel、KDE Plasma、Mesa Graphics Driverなどが含まれています。
SteamOS 3.7.0プレビューはLinuxカーネル6.11、新しいArch Linuxベース、Plasma 6.2.5、入力と接続のための多くのアップデートをもたらす
SteamOS3.7.0プレビューがリリースされ、ValveによるSteam Deckのメジャーアップデートの1つです。
Previewはコードネーム 「Pi Day 」で、いくつかの新機能、改善、ユーザー体験を全く新しいレベルに引き上げるアップデートを提供し、アップデートされたKDE Plasmaのおかげで、コンソール上でデスクトップのような体験を提供します。
Valve はリリースノートに全てのアップデートを記載し、Steam Deck ユーザーにとって何が変わったかを示している。
一般的なアップデートは、ソフトウェアとセキュリティのアップデートにアクセスしやすくするために更新されたArc Linuxベースを含む主要なもので、Linuxカーネルも6.11にアップグレードされ、パフォーマンス、セキュリティ、ハードウェアの互換性が強化されている。
最も注目すべきアップグレードのひとつは、Plasma 5.7からPlasma 6.2.5へのアップグレードで、これによりDeckユーザーは機能豊富なデスクトップ・インターフェースに切り替えることができるようになる。
Plasma 6は昨年2月に発表され、Qt 6、KDE Frameworks 6、KDE Gear 24.02をベースに構築され、LinuxベースのOS向けに大量の新機能を提供している。
これにより、Deckユーザーはデスクトップ・デバイスと同様のハンドヘルド機を使用できるようになります。
一般的なアップデート
- より新しい Arch Linux ベースに更新
- Linux カーネルを 6.11 に更新しました。
- Mesa グラフィックドライバを更新
- デスクトップモードは Plasma 6.2.5 と共に出荷されます。
Steam Deck以外の ハンドヘルドのサポート開始
とはいえ、他のハンドヘルド機でSteamOSをローンチするというValveの約束は果たされた。
まだ始まったばかりだが、Valve は SteamOS を強化し、Steam Deck 以外のハンドヘルド機との互換性を高めていく予定だ。
現時点では、SteamOSをサポートする非ValveハンドヘルドはLegion Go Sのみだが、近い将来、さらに多くのハンドヘルドが登場するだろう。
解説:
Valveの野望
SteamDeckのSteamOSがKDE Plasma6.2.5を提供し、デスクトップと似たような使い勝手を提供するとのことです。
私はこのニュースを見て、衝撃を受けました。
つまり・・・・。
ついにLinuxがWindowsを駆逐する時代がやってくるのか?
ということです。
LinuxというかSteamOSですが・・・・。
SteamOSは中身はまんまLinuxでValveが開発したProtonというWindowsの互換機能を使ってWindowsのゲームをそのままプレイできます。
互換性100%ではもちろんありませんが、互換性表記がないゲームなどでも結構動くといわれています。
このProtonはWindowsに昔からあった、WineというソフトからValveがいくつか改良を加えたものです。
SteamDeckにはSteamOS(Linux+Proton)がデフォルトで採用されていますが、中には知らないで使っている方もいるのではないでしょうか?
知識のないエンドユーザーはOSなんて気にしない。
ゲームができれば問題ない。
自分でOSを一からインストールするような自作erは「OSはWindowsじゃないとダメだ」と思い込んでいると思いますが、何の知識もないメーカーに与えられ、デフォルト以外では使おうとしない(面倒、覚えたくないなど)ユーザーはそれなりにいて、特にゲーマーに多いです。
そういった人たちとってはゲームができれば別にOSなど気にしません。
SteamOSがSteamDeck以外の携帯ゲーミングPCに開放されれば、MSに払っているWindowsライセンス料を払う必要がなくなります。
何円単位でコストを削っているPC製品の世界にあってWindowsのライセンス料の負担はかなり重たくのしかかっているでしょう。
ValveはSteamが実行できるセットトップボックス(SteamDeckのデスクトップ版・・・もちろん液晶テレビにつなぐ)を予定しているといわれています。
将来、こうした「安価なSteam再生機」が家庭に普及した場合、「別にWindowsじゃなくていいよね」という合意がメーカー、ゲーマーの間で共通認識になるかもしれません。
Linuxは組み込みに強いですが、Androidがスマホの覇権を握ったように組み込みのゲームOSとしてLinux(SteamOS)がWindowsを超える時代が来るかもしれませんね。
もともとSteamがSteamOSを出したのは「MS Store」が脅威だったからだと思います。
「MS Store」が出た時、PCゲームのプラットフォームが「MS Store」に奪われて、Steamが市場から締め出されるという未来が簡単に想像できたはずです。
ですから、普及しなくても自社でOSを開発するという選択をしたはずだと思います。
現実、SteamOSは鳴かず飛ばずのままSteamDeck発売まで来ました。
しかし、SteamDeckは大成功し、他社も次々と携帯機を出してきました。
これらの成功を受けて、Valveは市場で一大勢力を占めるという野心を抱いたと思います。
数年というスパンではないかもしれませんが、据え置きのSteamdeckが大成功すれば、Windowsの代わりSteamOSが使われる未来というのもあるかもしれません。