AMDの次期メインストリーム向けRyzen 「Krackan Point」 APUがOpenbenchmarkingデータベースで発見された。
AMD Ryzen 「Krackan Point」 APUは、高速LPDDR5X-8000メモリと最大8個の 「Zen 5 」コアを搭載したメインストリームノートパソコンをターゲットにしている。
AMD Zen 5ラップトップ・ラインナップは、Strix Point 「Ryzen AI 300 」APUで初めて発表され、現在、同社はエンスージアスト・プラットフォームとメインストリーム・プラットフォームの両方をターゲットとした、より多くのバリエーションを発表する予定だ。
Zen 5コア・アーキテクチャを採用したメインストリーム向けのラインナップは、Ryzen「Krackan Point」シリーズとして知られ、米国で1000ドル以下の価格帯のノートPCをターゲットにする。
このAPUは以前、Ryzen AI 7とRyzen AI 5モデルを搭載すると発表されていたが、そのようなサンプルが登場したようだ。
Openbenchmarkingに掲載されたAMD 100-000000713-21_Nは、次期Ryzen「Krackan Point」ファミリーのエンジニアリングサンプルとされている。
このチップは8コア、16スレッドを備え、クロックスピードは3.95GHzだ。
このAPUはBirman Plus-KRK評価用マザーボードでテストされ、このチップがKrackan Pointシリーズの一部であることが確認された。
このプラットフォームでは、ハイニックス製「H58G66BK8BX067N」の32GB LP5X 8000 MT/sメモリが動作しており、グラフィックス部分の詳細については言及されていないが、このチップは最大2500MHzのグラフィックスクロックが確認できる。
性能面では、Phoenixファミリーに属するAMD Ryzen 7 7840HS APUと比較できる。このAPUは、RDNA 3グラフィックスチップとともに、Zen 4アーキテクチャに基づく8コアを搭載している。
ESの性質上、性能は前世代チップより若干低いが、発売が近づくにつれて大幅に改善されることが期待できる。
AMD Ryzen AI HX Krackan Point 期待される機能:
- Zen 5モノリシック設計
- 最大8コア(4x Zen 5 + 4x Zen 5C)
- 16 MBの共有L3キャッシュ
- 8 RDNA 3.5コンピュートユニット
- LPDDR5X-8000 + DDR5サポート
- 統合されたXDNA 2エンジン
- 最大50AI TOPS
- 2025年上半期発売
- FP8プラットフォーム(15W-45W)
これらのKrackan Point APUがメインストリーム向けであることを考慮すると、RDNA 3.5アーキテクチャに基づく同様のコア数と8コアを持つCore Ultra 200Vシリーズなど、インテルのLunar Lake SOCと競合することになる。
Lunar Lakeの価格はStrix Point APUとほぼ同じかそれ以上なので、Krackanは価格面で優位に立つだろう。
— Everest (@Olrak29_) October 25, 2024
今回のリークに加え、Krackan Pointの 「Ryzen 」APUはNBD.LTDで2つの構成で目撃されており、どちらも定格28WでFP8プラットフォーム向けに設計されている。
これらにはRyzen 5 PRO「100-000001600-40」とRyzen 7 PRO「100-000000713-40」ノートブックAPUが含まれる。
最初のRyzen 「Krackan Point」 APUは、2025年初頭までにノートPCに搭載され、CES 2025で発表される予定である。
AMD Ryzen モバイルシリーズ:
CPU ファミリー名 |
AMD Sound Wave? |
AMD Bald Eagle Point |
AMD Krackan Point |
AMD Fire Range |
AMD Strix Halo |
AMD Strix Point |
AMD Hawk Point |
AMD Dragon Range |
AMD Phoenix |
ファミリー ブランディング |
未定 | Ryzen AI 400 | 未定 | 未定 | Ryzen AI 300 | Ryzen AI 300 | AMD Ryzen 8040 (H/U-シリーズ) |
AMD Ryzen 7045 (HX-シリーズ) |
AMD Ryzen 7040 (H/U-シリーズ) |
製造プロセス | 未定 | 4nm | 4nm | 5nm | 4nm | 4nm | 4nm | 5nm | 4nm |
CPUコア アーキテクチャー |
Zen 6? | Zen 5 + Zen 5C |
Zen 5 + Zen 5C |
Zen 5 | Zen 5 | Zen 5 + Zen 5C |
Zen 4 + Zen 4C |
Zen 4 | Zen 4 |
CPUコア数/ スレッド数(最大) |
未定 | 12/24 | 8/16 | 16/32 | 16/32 | 12/24 | 8/16 | 16/32 | 8/16 |
L2 キャッシュ 容量 (最大) |
未定 | 12 MB | 未定 | 未定 | 24 MB | 12 MB | 4 MB | 16 MB | 4 MB |
L3 キャッシュ 容量 (最大) |
未定 | 24 MB + SLC 16 MB |
32 MB | 未定 | 64 MB + SLC 32 MB |
24 MB | 16 MB | 32 MB | 16 MB |
最大CPU クロック |
未定 | 未定 | 未定 | 未定 | 未定 | 5.1 GHz | 未定 | 5.4 GHz | 5.2 GHz |
GPUコア アーキテクチャー |
RDNA 3+ iGPU |
RDNA 3.5 4nm iGPU |
RDNA 3.5+ 4nm iGPU |
RDNA 3+ 4nm iGPU |
RDNA 3.5 4nm iGPU |
RDNA 3.5 4nm iGPU |
RDNA 3 4nm iGPU |
RDNA 2 6nm iGPU |
RDNA 3 4nm iGPU |
最大GPU コア数 |
未定 | 16 CU (1024 コア) |
12 CU (786 コア) |
2 CU (128 コア) |
40 CU (2560 コア) |
16 CU (1024 コア) |
12 CU (786 コア) |
2 CU (128 コア) |
12 CU (786 コア) |
最大GPU クロック |
未定 | 2900 MHz | 未定 | 未定 | 未定 | 2900 MHz | 2800 MHz | 2200 MHz | 2800 MHz |
TDP (cTDP Down/Up) |
未定 | 15W-45W (65W cTDP) |
15W-45W (65W cTDP) |
55W-75W (65W cTDP) |
55W-125W | 15W-45W (65W cTDP) |
15W-45W (65W cTDP) |
55W-75W (65W cTDP) |
15W-45W (65W cTDP) |
発売時期 | 2026? | 2025? | 2025? | 2024H2? | 2024H2? | 2024H2 | 2024Q1 | 2023Q1 | 2023Q2 |
解説:
メインストリーム向けAPUの大本命、Krackan PointのステータスがOpenbenchmarkingデータベースで確認される
Strix Pointよりダイサイズが小さく、性能もそこそこ良いKrackan Pointが発見されたようです。
12コアのStrix Poitnt対してこちらは8コアで、GPUコア数も12コアとまさしくPhonix Pointの後継といった感じです。
その割にはRyzen Z2には採用されておらず、Hawk Pointがその役割を担っています。
ゲーム用としてはやはりNPUは不要ということなのでしょうね。
Copilot+に対応した普及価格帯のAPUという位置づけになろうかと思いますが、携帯ゲーミングPC向けとしてはすでにHawk Pointが存在しているわけで、なかなか難しい立ち位置のように見えます。
Strix PointはRyzen Z1 Extremeとしてラインナップされており、上級志向の多いゲーミングPCユーザーにとってはこちらを選ぶ方が結構多いのではないかと考えさせられてしまいます。
それも、つけられる価格によるのでしょうが・・・・。
ダイサイズは
- Phoenix Point/Hawk Pointが178mm2
- Strix Pointは232mm2
- Krackan Pointは不明
です。
Krackan Pointは今のところリークの段階ですから、ダイサイズは不明ですが、200mm2以下にはなるのでしょう。