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ARMがIntel に事業提携を打診との報道、チーム・ブルーは「買収計画なし」と拒否される

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ARMがIntelと事業提携の可能性について接触したと報じられているが、Team BlueはチップIP設計者を拒否し、金銭的買収の計画はないと述べている。

Qaulcomm、Intel との事業提携の可能性でARMに追随、両社の進展はまだなし

Intelが経営難に陥って以来、同社の買収をめぐるニュースは、当初はQualcomm、そして現在はARMと、新たな盛り上がりを見せている。

Intel が現在、同社史上最悪の財務状況にあることを考えれば、このような報道はまったく予期していなかったわけではない。

Bloombergによると、ARMはIntel に事業提携を持ちかけたが、Intel が関心を示さなかったため、実現しなかったという。

同レポートはさらに、ARMはIntel の製造部門には興味がなく、Qaulcommが狙っていたのと同様に、Intel の製品部門で実地経験を積むことに重点を置いていたと述べている。

しかし、買い手候補が現在拒否されていることを考えると、Intel は買収案件をリストから外した可能性があり、Intel 陣営の状況は見た目ほど悪くないかもしれないことを示しているようだ。

これとは別に、Intel はバイデン政権がCHIPS法に基づく助成金を発表したことで、財政的な生命線が近づいているのを目撃している。

これに加え、アポロ・インベストメント・グループが50億ドルの出資を表明し、事業を立ち上げようとしている。

Intel はまた、従業員の解雇、大規模ファウンドリー・プロジェクトの中止、製造とチップ事業の2つの事業体への分割など、リストラの段階に入っている。

ARMに関しては、従来の「チップIP」ビジネスからの脱却を大きく進めており、新たな領域を模索している。

以前、コンシューマー向けGPUビジネスに参入するかもしれないという報道があった。

その後の進展はなかったため、このプロジェクトは推測されているほど深刻ではないかもしれない。

しかし、ARMがQaulcommのSnapdragon X Eliteチップに統合されたことで、ARMのアーキテクチャーが市場で採用されるようになったことが証明され、Intel との取引の可能性があれば、ARMが自社でコンシューマー向けチップを開発できるようになったかもしれない。

ソース:wccftech – ARM Reportedly Approached Intel For a Business Deal; Gets Rejected As Team Blue Has “No Plans” For Acquisitions

 

 

 

 

解説:

IntelはARM陣営の買収提案や事業提携には応じないようです。

x86はIntelの利益の源泉ですから、そのライセンスプラットフォームを手放すつもりはないようですね。

 

しかし・・・

このような提案が出る自体、すでに垂直統合型でライセンスで囲い込むプロセッサビジネスは終わりを迎えているという証拠でもあります。

私は最近の報道をや情報を見て、IntelのFabは復活するかもしれないと考えています。

IntelのFabビジネスが傾いたのはEUV化の波に乗らなかったからです。

さらにOpenAIからの提案を蹴ってAIの波に乗れなかったのも理由の一つだと思います。

IntelのFab事業は2027年までは赤字ですが、それ以降は回復する可能性は十分にあると思います。

では、Intelは今まで通り、x86をはじめとしたクローズドなプラットフォームでビジネスを展開できるのでしょうか?

私は、これには「ノー」とはっきり回答を上げておきます。

ただし、これをもってイコールx86が滅びるという意味ではありませんので早合点しないでください。

以下に理由を説明します。

IntleがEUVに乗らなかったのはIntel一社では投資を回収できないとわかりきっていたからです。

Fabのコストを増大させるということは世界中から受注を集めてくるということでもあります。

TSMC7nm/6nm/5nm世代でIntelがAMDにボロ負けしたのはFabの差が大きかったからです。

つまりFabに差がなければ大差はつきません。

「そんなことはない」と考えている方もいると思いますが、わたくしはそうは思いません。

まず、半導体の性能の8割方を決めるのは製造プロセスです。

第11世代のDypressCoveはIntel10nmで作ればおそらくはとても良い製品になったと思います。

しかし、Intel14nmにバックポートした製品はパッとしませんでした。

端的に言えばどれほど設計が優れていても一世代製造プロセスに差が付いたらまったくかなわないということです。

無敵を誇ったIntelのCPU製品は自社の世界一進んだFabで独占生産をしていたからです。

今後Fabビジネスが成功しても失敗しても自社のFabを独占することはできなくなります。

なぜならば、最先端の半導体は投資額が大きすぎてすでに自社の売り上げだけでは賄えないからです。

相手がNVIDIAだろうが、AppleだろうがAMDだろうがとにかく注文を集めてこなくてはいけません。

そうなると結局最後にはすべてが横並びになるということになります。

同じTSMCの3nmで作った最先端のAppleシリコンとIntelの製品がほとんど互角であるように、今後は製造プロセスによる差はつかなくなるということです。

各社がシリコンを設計するARMとたったの2社のみが設計を続けるx86はたとえIntelのFabが生き残ったとしても大きな差はつかなくなり、最終的にはエコシステムの規模の差でARMが逆転すると私は感じます。

 

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