AMDのStrix Halo 「Ryzen AI Max」 APUがGeekbenchで目撃され、ワークステーション・ノートPCで3.2GHzのベースクロックで動作する最大12コアを搭載していることが明らかになった。
AMD Strix Halo 「Ryzen AI Max」 APUがGeekbenchに登場、ベース周波数3.20GHzで動作する12コアを搭載
AMD Strix Haloをめぐる報道は、ほとんどが小さなリークや噂で、次期Zen 5ベースAPUの仕様に光を当てている。
様々な報道から、Strix HaloがAMDの最もパワフルなAPUとなり、現在よりも数倍高速な統合グラフィックスをもたらすことは分かっている。
我々は最近、Strix Haloの命名規則とそのSKUの可能な仕様について聞いたが、このファミリーのチップの1つがベンチマークされたのは今回が初めてだ。
Olrak2_氏のおかげで、AMDのエンジニアリング・サンプルがGeekbenchで発見された。
最近リークされた情報から、これはRyzen AI Max 390 SKUであり、12コア/24スレッド構成とRDNA 3.5アーキテクチャに基づく40 CU iGPUを搭載するようだ。
Geekbenchの結果ページには、CPUの識別子が「AuthenticAMD Family 26 Model 112 Stepping 0」であることと、それが搭載されているデバイスが表示されている。
HP ZBook Ultra 14-inch G1a Mobile Workstation PCは、AIテストでベンチマークを実施したノートブックで、Single Precisionで4733ポイント、Half Precisionで4944ポイント、Quantizedテストで13944ポイントを記録した。
結果はデバイスによって異なるため、これらの数値はAPUの正確な実力を示すものではない。
このスコアは、50 TOPSのNPUと80 TOPSのプラットフォームを搭載するRyzen AI 9 HX 370をわずかに上回っているようだ。これは、Strix Halo APUが60 TOPSのNPUを提供すると言われていることから予想されることだ。
AMD Ryzen AI HX Strix Haloに期待される機能:
- Zen 5チップレットデザイン
- 最大16コア
- 64MBの共有L3キャッシュ
- 40 RDNA 3+コンピュートユニット
- 32 MB MALLキャッシュ(iGPU用)
- 256ビットLPDDR5X-8000メモリコントローラ
- 統合XDNA 2エンジン
- 最大60AI TOPS
- 16 PCIe Gen4レーン
- 2024年後半発売予定
- FP11プラットフォーム(55W-130W)
AMD Ryzen AI MAX 300 「Strix Halo」 APUラインナップ:
SKU 名 | アーキテクチャー | CPU コア | GPU コア | TDP |
Ryzen AI Max+ 395 |
Zen 5 / RDNA 3.5 |
16 / 32 | 40 CU | 55-130W |
Ryzen AI Max 390 |
Zen 5 / RDNA 3.5 |
12 / 24 | 40 CU | 55-130W |
Ryzen AI Max 385 |
Zen 5 / RDNA 3.5 |
8 / 16 | 32 CU | 55-130W |
Strix Haloは、ディスクリートGPUを搭載しないインテンシブなワークロードやゲーム向けの強力なソリューションになるだろう。
良い点は、Ryzen AI Max 390はラインナップの中で最も強力なAPUではないが、16コア/32スレッド構成と40個のiGPU用Compute Unitを提供するRyzen AI Max+ 395が存在することだ。
これらのチップのほとんどがラップトップやワークステーションなどのエンスージアストPCに搭載されることを考えると、メモリの搭載と強力な構成が期待できる。
Strix Haloは、Fire RangeやKrackan PointなどのCPUファミリーとともに、2025年の早い時期に発売されると予想されている。
ソース:wccftech – AMD Strix Halo “Ryzen AI Max” 12-Core APU Spotted In HP ZBook Ultra Mobile Workstation PC
解説:
ゲーミングPCのゲームチェンジャーになるか? Strix Halo=Ryzen AI MAX始動
Strix Haloのベンチマークが発見されました。
どちらかというと、CPUベンチマークよりGPUベンチマークの方が気になるところです。
今回はCPUベンチマークだけということになります。
Strix Haloは現在のリーク情報では、デスクトップ版Ryzenのように2CCD+1IODでデスクトップ版Ryzenと違うのはIODがNPU+40CU RDNA3.5+32MB GPUキャッシュとなっているところです。
メモリがDDR5ではどんなに内臓GPUのコア数を増やしてもメモリの帯域が頭打ちになってその実力を発揮できないところですが、Strix Haloは32MBのGPU用のキャッシュを搭載することによって見かけ上のメモリ帯域を広げています。
今のところ、内臓GPU性能は未知数ですが、40CU=2560SPに見合った性能を持っていることが期待されます。
RX7600が2048SPですから、ほぼ同等かちょっと速いくらいの性能があると思われます。
どの程度の性能になるのかはキャッシュのヒット率とiGPUのクロックによると思います。
RX7600に比べて有利な点はコア数が多いこと、不利な点はクロック・発熱・DDR5メモリの帯域です。
ですから、RX7600とほとんど変わらないくらいの速度になるのではないかと思います。
十分とは言えませんけど、今までのAPU製品と比較するとミドルレンジの単体GPU製品と同等以上の次元を超えた晴雨になると思います。