インテルのLunar Lake “Core Ultra 200V “CPUラインナップが発売に先駆けてリークされ、少なくとも9種類のSKUが搭載される見込みだ。
インテルのLunar Lake “Core Ultra 200V “ラインナップがリーク、フラッグシップCPU “Core Ultra 9 288V “を含む9種類のSKUを搭載
Videocardzは、9種類のIntel Lunar Lake “Core Ultra 200V “CPUのスペックシートを入手した。
これらのCPUは、ラップトップ、ミニPC、ゲーミングハンドヘルドなどの薄型軽量プラットフォーム向けに設計されている。
Computex 2024の会場では、ラップトップからハンドヘルド機まで、さまざまなLunar Lake搭載デバイスを見かけた。
MSIは、Lunar Lakeノートパソコンと次世代Claw 8 AI+”A2VM “ゲーミングハンドヘルドの両方をブースに展示していた主要PCメーカーの1つだ。
我々は今月初め、インテルのLunar Lake CPUとそのXe2グラフィックス・アーキテクチャを大々的に深掘りした。
基本的に、インテルLunar Lake CPUは、TSMC N3BおよびTSMC N6プロセスノードをベースとしたタイルベースのモノリシック設計となる。このチップには、最大4基のLion Cove Pコア、4基のSkymont Eコア、そして最大48TOPSを実現する全く新しいNPU4 AIエンジンが搭載されている。
Lunar Lakeはまた、今後のトレンドとなるであろうハイパースレッディング機能をインテルCPUから削除しており、フラッグシップ構成では8コア8スレッドとなっている。
グラフィックスに関しては、インテルLunar Lake「Core Ultra 200V」CPUは、最大8個のXe2コアを提供し、TDP17~30WのチップでArc-tierグラフィックス機能を提供する。
これらのチップのCPUクロックは最大5.1GHz、GPUクロックは最大2.05GHzで、GPUは最大67TOPSのAI性能を提供する。
プラットフォーム全体のTOPSは120TOPSとなる。さらに、インテルのLunar Lake CPUは、16GBと32GBの容量オプションのオンパッケージLPDDR5xメモリを初めて搭載する。
さて、SKUについてだが、フラッグシップはTDP30W(PL1/PL2)のインテルCore Ultra 9 288Vとされている。
このCPUは、8コア、8スレッド、12MBのラストレベルキャッシュ、最大5.1GHzのクロックを備えている。
このチップには32GBのデュアルランクメモリが搭載され、Arc A140V iGPUには最大2.05GHzクロックのXe2コアが8基搭載され、このチップには48基のNPU、67基のXMX、5基のCPU TOPs(合計120TOPS)が搭載される。
残りのラインナップは、4つのCore Ultra 7 200VとCore Ultra 5 200Vの “Lunar Lake “CPUで構成されている。
残りのラインナップは、8コアの17W PL1と30W PL2構成で、クロックスピードは4.8~5.0GHzとなっている。
すべてのCore Ultra 9とCore Ultra 7チップは同じArc 140V iGPUを搭載するが、クロック速度は1.95GHzから2.00GHzまでと異なる。
このチップには16GBと32GBの構成があるが、32GBのCore Ultra 7 268Vと16GBのCore Ultra 7 266Vのように、それぞれ異なるSKUとなっている。
インテルCore Ultra 7 268Vについては、こちらの独占記事でも取り上げている。このチップは5GHzに近いクロックで目撃されており、最終リテールシリコンだった。
このチップは、現在Lunar Lake CPUと共に出荷され、来年Panther Lake CPUと共にアップデートされる予定のIntel AI DevKitでも使用されていた。
同様に、インテル Core Ultra 5 200V “Lunar Lake” CPUは同じTDP構成だが、LLCは8MBに削減され、クロック速度は4.5~4.7GHzとなっている。
Arc 130V iGPUは、すべてのSKUで最大7個のXe2コアを搭載し、クロック速度は1.85GHzに設定されているという。
NPUのTOPSは40TOPS、XMXのTOPSは53であり、100プラットフォームのAI TOPSに近い数値である。
インテルの公式発表によると、Intel Lunar Lake「Core Ultra 200V」CPUは、ホリデーシーズンに向けて9月に店頭に並ぶ予定だ。
このラインナップは、発売後にマイクロソフトのCopilot+機能アップデートを受ける予定で、クアルコムのSnapdragon XやAMDのStrix Pointチップと競合することになる。
Intel LunarLake”Core Ultra 200V “CPUラインナップ:
SKU 名 | コア数/ スレッド数 |
キャッシュ (LLC) |
P-コア / E-コア ブースト |
GPU (Max Clock) | PL1 & PL2 (PBP/MTP) |
メモリ構成 | NPU / XMX (GPU) TOPs |
Core Ultra 9 288V |
8/8 | 12 MB | 5.1 / 3.7 GHz | Arc 140V @ 2.05 GHz |
30W/30W | 32 GB (2R) LPDDR5X |
48/67 |
Core Ultra 7 268V |
8/8 | 12 MB | 5.0 / 3.7 GHz | Arc 140V @ 2.00 GHz |
17W/30W | 32 GB (2R) LPDDR5X |
48/66 |
Core Ultra 7 266V |
8/8 | 12 MB | 5.0 / 3.7 GHz | Arc 140V @ 2.00 GHz |
17W/30W | 16 GB (1R) LPDDR5X |
48/66 |
Core Ultra 7 258V |
8/8 | 12 MB | 4.8 / 3.7 GHz | Arc 140V @ 1.95 GHz |
17W/30W | 32 GB (2R) LPDDR5X |
47/64 |
Core Ultra 7 256V |
8/8 | 12 MB | 4.8 / 3.7 GHz | Arc 140V @ 1.95 GHz |
17W/30W | 16 GB (1R) LPDDR5X |
47/64 |
Core Ultra 5 238V |
8/8 | 8 MB | 4.7 / 3.5 GHz | Arc 130V @ 1.85 GHz |
17W/30W | 32 GB (2R) LPDDR5X |
40/53 |
Core Ultra 5 236V |
8/8 | 8 MB | 4.7 / 3.5 GHz | Arc 130V @ 1.85 GHz |
17W/30W | 16 GB (1R) LPDDR5X |
40/53 |
Core Ultra 5 228V |
8/8 | 8 MB | 4.5 / 3.5 GHz | Arc 130V @ 1.85 GHz |
17W/30W | 32 GB (2R) LPDDR5X |
40/53 |
Core Ultra 5 226V |
8/8 | 8 MB | 4.5 / 3.5 GHz | Arc 130V @ 1.85 GHz |
17W/30W | 16 GB (1R) LPDDR5X |
40/53 |
解説:
Core Ultra 200Vのラインナップ
全部で9モデルが確認されています。
驚くべきことに上位から下位までコア数/スレッド数は全く同じでNPUとGPUのAI性能で差がつけられています。
こちらは新世代のモデル分けとしてかなり有効なのではないか思います。
LunarlakeはメモリをオンパッケージにしているAppleのM1/2/3と同じパッケージングになっています。
あえて8コアという現在の水準からみると少し高めを基準として、リッチな体験ができるようにスペックが決められているのでしょう、
この辺りは見事としか言いようがありません。
この辺はAMDにも見習ってほしいところです。
さて、2024年からのトレンドは間違いなくAI PCだと思います。
Intelはあえて内臓GPUのAI処理性能も表示していますが、NPUと内臓GPUを連携して同時にAI処理に使えるのかどうかは気になるところです。
IntelのARCは今のところ単体GPUでは存在感を示せていません。
安定性や性能面で評価をされるのはあと2-3世代後になるのではないかとわたくしは考えています。
ArrowLakeがNPUを内蔵しているのかどうかというのは気になるところです。
dGPUがNPUの代わりになるのかどうかというのがはっきりすればNPUを内蔵していないデスクトップCPUも問題ないくAI PCになるんですがねそのあたりはまだはっきりしていません。
Copilot+の認証がなかったとしてもNPUの代わりに使えるならば問題は無いと思います。
また、M.2に取り付けができるAIアクセラレーターも存在しますが、後付けでこういったものも利用できるのであれば、ある程度の問題は解決できるのですが、なかなか難しそうです。
LunarLakeのような新世代のAI SoCがデスクトップPCの販売にどのような影響を与えるのかは興味深いところです。