JPRによる最新のGPU AIB市場シェアレポートが発表され、NVIDIAは出荷台数を伸ばしながら88%の市場シェアでAMDとIntelを圧倒している。
第1四半期のAIB GPU出荷台数は減少したが、NVIDIAは出荷台数の増加を確保し、市場シェアは88%に拡大、AMDとIntelは僅差に
NVIDIAは、AI、データセンター、クラウド、ゲームなど、あらゆる分野でディスクリートGPUのエコシステムをリードし続けており、現在、同社は世界で2番目に価値のあるハイテク企業となっている。
Jon Peddie Research の最新の AIB レポートでは、2024 年初頭の勝者は明らかに NVIDIA のようである。
全体として、AIB 市場は減少し、AIB 出荷台数は前期比で 7.9%減少したが、前年比では 39.2%増加した。
当四半期の AIB の総出荷台数は 870 万台で、2023 年第 4 四半期の 950 万台から減少した。
四半期ベースでは減少したものの、NVIDIAはAIB(ディスクリートGPU)分野での市場シェアを伸ばしただけでなく、出荷台数も増やすことに成功したようだ。
出荷台数は前四半期比で0.9%増加し、前年比では45.6%増加した。
この結果、NVIDIAは88%の市場シェアを獲得し、圧倒的な地位を維持している。
一方、AMDは四半期ベースではマイナス41%だったが、前年比では39%増加した。
AMDの市場シェアは2023年第4四半期の19%から2024年第1四半期には12%に低下した。
最後にインテルであるが、同社の市場シェアは前四半期には1%まで低下したが、現在は0%まで低下している。
同社は2022年後半にデスクトップとノートPCの両方向けにディスクリートGPU「Arc」を発売したが、メインストリームや格安のユーザーを惹きつけるために競合製品よりもはるかに安い価格設定になっているにもかかわらず、それほど大きな牽引力にはなっていない。
JPRが発表したもう一つの興味深い統計は、デスクトップCPUの出荷台数が約1,600万~1,700万台で、通常CPUよりも高価なディスクリート・グラフィックス・カードよりもはるかに多いというものです。
NVIDIAは現在まさに絶好調であり、とどまるところを知らない。IntelとAMDは、GPUハードウェアの購入者を増やすために何か根本的なことをしなければならないようだ。
一方、NVIDIAも黙ってはおらず、次世代GeForce RTX 5000シリーズに関する噂はすでに本格化している。
解説:
Intel GPUは市場シェア0%に
さもありなんという感じですね。
ゲーミングGPUというのはある程度のドライバの成熟が進むとあとは個別のノウハウの集合体になります。
これは今まで何度も繰り返してきていますが、イコール積み上げてきたノウハウがモノをいう世界ということです。
20年の積み上げがあるNVIDIA、AMDと数年のIntelでは差がついて当然だと思います。
ずっと予想されてきたことですが、市場のシェアが0%になっても根気強く製品を販売し続けるしかありません。
発売前にはIntelブランドに過剰な期待を寄せてきた人もいると思いますが、現実は非常に厳しいということです。
例えば昨年StarfieldでIntelのGPUは動作対象外になりましたが、このようなことにならないようにAAAタイトルにはできるだけスポンサーにならないと、マイナーなGPUはわざわざ開発費をかけて対応させる理由がないということです。
そうなると今度は売り上げに影響してきますので、売れ行きが下がるということになります。
莫大な経費をかけて対応ソフトが少なくならないように努力し続けなければならないということです。
AMDもかなりギリギリのラインです。
23Q4には19%あったシェアが24Q1には12%になっています。
今後、AI PCが標準化してAI性能がモノを言うようになれば、ますます差がつくことになると思います。
現在AMD RadeonはWindowsでAI/MLアクセラレーターとして使うことができませんので、この6月からロンチされるCopilot+規格にGPUが対応していないのはかなり痛いと言わざるを得ないでしょう。
IntelはフラッグシップがAMDとNVIDIAに追いつくことがまず肝心だと思います。
0%ということは全く売れていませんので、収入もないということになります。
それでも、たとえ赤字であってもAAAタイトルにスポンサードして、血を流し続けてもゲーミング市場に地歩を築かなくてはいけません。
ゲーミングGPUとはそういう世界だと思います。