インテルは次世代GPU「Arc Battlemage “Xe2″」を2024年末、ブラックフライデー間近に発売する見込みだとComputerbaseが報じている。
Intel Battlemageの囁き: 次世代Arc “Xe2” GPUは2024年のブラックフライデー前に発売される
IntelはBattlemage “Xe2 “GPUアーキテクチャをベースとする次世代Arcラインナップの発売日や時期については発表しておらず、予告もしていないが、Embedded World 2024の期間中に次世代ラインナップの噂がささやかれていたようだ。
展示会場にいたある代表者や関係者によると、Intelは次世代ファミリーのリリース時期を2024年後半、2024年のブラックフライデー前にすることを目標としているとのことだ。
2024年のブラックフライデーは11月29日に開催される予定なので、11月に何らかの発表やお披露目があり、その後数ヶ月のうちに小売店での発売が行われると予想される。
もし本当なら、インテルArc BシリーズBattlemage “Xe2 “GPUのリリースは、10月末に発売されたArc A770のリリースから約2年後となるため、11月のリリースもあながち間違いではなさそうだ。
インテル Arc Battlemage “Xe2 “ディスクリートGPUについてわかっていることは、今のところBMG-10とBMG-21の2つのSKUが確認されていることだ。
前者はハイエンドSKUで、後者はミッドレンジSKUだ。これらのチップはいずれも、ディスクリートGPUファミリーを代表するXe2-HPGラインナップに位置付けられるが、同じBattlemageグラフィックス・アーキテクチャを採用するXe2-LPG iGPUをホストするLunar Lakeもある。
これらのチップも今年後半に登場する予定だ。
以前、我々はBattlemage「Xe2」ゲーミングGPUの噂される以下のような特徴についても報告した:
- 次世代メモリサブシステムと圧縮
- 改良されたレイトレーシング
- マイクロアーキテクチャの改良
- 次世代MLベースのレンダリング技術
- 最新のDeepLink機能
- パフォーマンス/エンスージアスト・ゲーミング向け
これは、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRアルゴリズムで使用されているフレーム補間とは全く逆のものである。
Intelのトム・ピーターセンは、少し前にBattlemageのクールな新技術とアーキテクチャの修正を予告していた。
最近、Intel Battlemage Xe2 GPUがベンチマーク・データベースに登場し始め、ESのバリエーションも出荷時のマニフェストで発見されている。
数週間後に迫ったComputex 2024で、Battlemageの最初のお披露目があるかもしれない。
インテルARCゲーミングGPUラインナップ
GPUファミリー | Intel Xe-HPG | Intel Xe-HPG | Intel Xe2-HPG | Intel Xe3-HPG | 次世代 Intel Xe |
次々世代 Intel Xe |
GPU 製品 | ARC Alchemist GPU |
ARC Alchemist+ GPU |
ARC Battlemage GPU |
ARC Celestial GPU |
ARC Druid GPU |
ARC E*** GPU |
GPU セグメント | メインストリーム ゲーミング (Discrete) |
メインストリーム ゲーミング (Discrete) |
メインストリーム / ハイエンド ゲーミング (Discrete) |
メインストリーム / ハイエンド ゲーミング (Discrete) |
メインストリーム / ハイエンド ゲーミング (Discrete) |
メインストリーム / ハイエンド ゲーミング (Discrete) |
GPU 世代 | 第12世代 | 第12世代 | 第13世代? | 第14世代? | 第15世代? | 第16世代? |
CPU iGPU | Xe-LPG (Meteor Lake) |
Xe-LPG+ (Arrow Lake) |
Xe2-LPG (Lunar Lake) |
Xe3-LPG (Panther Lake) |
未公表 | 未公表 |
製造プロセス | TSMC 6nm | TSMC 6nm | TSMC 4nm? | TSMC 3nm? | 未公表 | 未公表 |
スペック/ 設計 | 512 EUs / 1 Tile / 1 GPU |
512 EUs / 1 Tile / 1 GPU |
1024 EUs / 1 Tile / 1 GPU |
未公表 | 未公表 | 未公表 |
メモリ サブシステム | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6(X)? | 未公表 | 未公表 | 未公表 |
発売年 | 2022 | 2024 | 2024 | 2025? | 2026? | 2026 |
ソース:wccftech – Intel Arc Battlemage “Xe2” GPUs Expected To Launch By The End of 2024
解説:
Battlemageは2024年のクリスマス商戦までに発売へ。
正確には欧米のホリデーシーズンはブラックフライデーから始まる1か月間程度を指しますので、ここまでに発売するということです。
ここまでに発表ではなく、実際に店頭に並ぶ程度の準備をするということですね。
欧米ではここからの1か月で1年の20%の売り上げをたたき出すということになります。
半導体業界だとComputexに発表される製品はホリデーシーズンを見越して6月に発表されます。
※ もちろん、その前に発売される製品もある。
欧米以外の海外の工場もこの時期の出荷を見越して1年をかけて生産調整するといわれています。
そういう生産者にとっても一大イベントということになります。
Intelが次世代ゲーミングGPUを発売するのは説得力のある話だと思います。
表を見るとBattlemageの上位モデルはハイエンドゲーミングGPUということになっています。
これを見ると、「本当かよ」と思われる方もいると思いますが、wccftechの分類ではRTX4090はウルトラエンスー、RTX4080がエンスーでRTX4070/Tiあたりからハイエンドとなりますので、あっているといえばあっているということになります。
実際、3D Mark TimeSpyではARC A770はRTX3070と同程度の性能とされていました。
表では頭文字E(第五世代)までハイエンドとなっていますので、当面RTX X070/Ti程度の性能をターゲットにするということになります。
ただし、Cerstialから一年おきの更新になっていますので、ここがどうなるのかははっきりしませんね。
わたくしは今のペースからすると年更新はかなり難しいと思いますが、ここはIntel次第ということになります。
第一世代の初期はなかなか厳しい状態で今は当時と比べるとかなり状況は改善されてきました。
しかし、第二世代も当面は様子見をしたほうが無難でしょう。
ここからの二年間でどの程度の改善がみられるのか、ここでIntel GPUの真価が問われると思います。
前にも書きましたが、最終的にGPUの最適化というのはある程度進むと個別のノウハウ(つまりゲームタイトルごと)の集合体になります。
それを一つ一つ根気強く解決していく作業をどこまでやるのか?ということになります。
インディーズゲームようなマイナーなゲームをユーザーからの報告で正常に動くように改善していくなら、気が遠くなるような膨大な作業ということになりますでしょうし、昔のAAAタイトル程度で済ませるならば、そこそこという評価を受けつつ、今のAMDくらいにはなるのではないかと思います。
ゲームなど星の数ほどありますので、やろうと思えばエンドレスの作業になります。
いずれにしても先行二社に追い付くにはいましばらくの時間が必要でしょう。